尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が就任して1週間が過ぎた。異例的に速く実現する韓米首脳会談を前にしている。バイデン米大統領は岸田文雄・日本総理とも米日首脳会談の予定だ。



 米国政府は既にさる2月、「インド太平洋戦略報告書」で韓日関係改善のための今後12年に実現すべき重要アクションプランを提示するなど、すでに数回、韓米日三角体制で中国を牽制すべきという意思を明らかにしてきた。韓日政策協議団派遣などで韓日関係改善の意向を表明してきた尹錫悦大統領と、「韓国の改善意志を高く」評価すると意欲を見せた岸田総理の反応が格別なわけだ。岸田総理は尹大統領就任日に親書を手渡し、「韓日間の障害物を除去して全般的な韓日関係改善が展開できるよう、尹大統領のリーダーシップに期待する」と伝えた。



 岸田総理は韓日政策協議団が帰国した当日、訪日したショルツ・独総理との首脳会談で、ベルリン「平和の少女像」撤去を要請した。この事実を隠して、韓国大統領就任式の510日にメディアを通じて発表した。

松野博一・日本官房長官は記者懇談会でこの事実を認め、「引き続いて多様な関係者に接近して日本政府の立場を粘り強く説明し、像の早期撤去を要求する」と強調した。

韓国側は「2015 韓日合意」白紙化の遺憾表明、関係改善のための韓国側の解決方案提示要求など、日本側有力人士の発言がメディアで反覆する中、日本政府は「平和憲法『改正』」を表明し、120年ぶりの英日軍事同盟と評価される「円滑化協定(RAA, Reciprocal Access Agreement)」に合意する。



 実に憂慮すべきだ。


 軍国主義と戦争でアジア太平洋を火の海に変えた日本が、その歴史的間違いを直視し反省するどころか、ロシアと中国を牽制するという名目で、再武装の道に踏み込んだ。

彼らが鎧を付けるのに一番の妨害物、彼らの未来の一番大きな障害物は果たして何だろう?韓半島の被害者と覚醒した市民だ。私たちの体に、私たちの記憶に、私たちの無意識にまで刻印された日帝植民地・不法強占と強制動員、性奴隷制の歴史だ。



 私たちは要求する。


李容洙(イ・ヨンス)日本軍「慰安婦」被害生存者は、今も堂々と要求している。

日本総理の直接的で覆すことのない謝罪、責任認定、真相究明と法的賠償、二度と覆さないという確認と具体的な実行計画が歴史に記録されることを望む。

「ずうずうしく」他国にある「少女像撤去」を叫ぶのでなく、東京の真ん中に少女像を建て、歴史の教訓として残せと要求している。

2015韓日合意」は無効だから10億円は直ちに戻せと叫んでいる。

日本政府の態度変化なくして、どんな韓日関係改善も不可だと釘を刺している。



もう一度強調する。


加害事実を認定して責任を取るどころか、加害者が被害者を頭から叱りつけて過去を歪曲する土台の上に、どんな未来志向的な韓日関係が可能なのか?



 万一、韓米日同盟と安保の名目で、あるいは米国大統領の圧迫で、描かれる韓日関係がそんな土台から出発するなら、私たちは最後まで闘争し、闘うだろう。

100年前、120年前、私たちの先人たちが守ろうとした自主独立精神を最後まで引き継いで、民主主義と人権、東北アジアの平和の道を固めて行く。




 東京戦犯裁判、サンフランシスコ条約、1965韓日請求権協定、「2015韓日慰安婦合意」、間違って建てた家を建て直さず、手直しで済ませようとして問題が反復してきたことを、韓米日政府は正面から直視することを望む。




 2022518日 正義記憶連帯 理事長 李娜榮(イ・ナヨン)



(訳 権龍夫)