〈金福童の希望〉[論評]戦犯責任を消して国連安保理常任理事国進出、自衛隊強化を約束した米国と日本を糾弾する!
5月23日、韓国に続いて日本を訪問中のジョー・バイデン米大統領が日本政府の安保理常任理事国進出を支持したという。この日の米日首脳会談後の共同記者会見で岸田文雄総理は、「改革がされた安保理において、日本が常任理事国になることを支持するとのバイデン大統領の表明があった」と明らかにした。
また、日本の防衛力を強化するために防衛費を増額していわゆる「敵基地攻撃能力」の保有を含むなど、自衛隊強化に対する米国の支持もあったという。
米日首脳のこの発表に接した「金福童の希望」は、唖然自失を禁じえなかった。東アジアを巡る米日同盟といううわべとは別に、実際は戦争を事とする者に肩入れして武器を握らせる格好で、滑稽ですらある。
国連は第2次世界大戦の惨禍を踏まえ、世界平和のためにつくられた国家連合体だ。そして国連安保常任理事国は幾つかの国家が世界秩序を築いていく構造的問題を扱い、ドイツ、日本など第2次世界大戦の戦犯国家には責任を求めて進出が拒絶されているのが明確だ。
それなのにバイデン米大統領が日本の国連安保理常任理事国進出を支持する立場は、世界平和のためという76年国連の歴史に逆らう行為だ。戦争を引き起こして、それに対する反省がない国家に、世界平和のカギを握らせるわけにはいかない。まさにそんな国家である日本の国連常任理事国進出は、国連の歴史の恥であり、世界平和に対する侮辱だ。
日本は戦犯国として、その責任を果たしたことがない。
日本軍性奴隷制問題の解決は勿論、在日同胞に対する差別中止を求める国連人権理事会の勧告は無視し、強制徴用の歴史を消してはならないという国際機構の約束も違える日本が、どうして国連安保理常任理事国の責任ある位置に立てるというのか。
国連憲章に明示されているように日本は、「われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救う」ために戦争犯罪の責任を果たさなくてはならない。また同憲章にある通り、「基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認」し、在日同胞などに対する差別を撤廃しなければいけない。
そのどんな資格もない日本の国連安保理常任理事国への進出論議は、中断されるべきだ。また、自衛隊を強化して東北アジアにまたも戦争の黒い影を覆い被せようとする米国と日本の動きは、中断されるべきだ。
「寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互に平和に生活」する世界を築こうとする国連憲章に違反する米国と日本の動きを「金福童の希望」は、断固として反対する。
平和を実践する世界の市民と連帯して、日本の戦争犯罪の責任を最後まで問い、国連安保理常任理事国進出に反対し、自衛隊強化に立ち向かうだろう。
2022年5月23日
「金福童(キム・ポクトン)の希望」
(訳 権龍夫)