李容洙ハルモニ 



絶体絶命ともいうべき時期を迎えた。凄惨な歴史認識と民族観でこり固まった者たちが、韓国民と韓国を、反省のない加害者にまたも差し出そうとしている。

 


尹錫悦大統領は、日本政府も「ビックリ驚く」ほどの土産を持って日本政府が緻密に練り上げた退行的な植民地構図に自ら進んでおちいり、「韓半島合法支配」、「植民地近代化論」、「旧朝鮮半島労働者」論を全部受け入れた。それでも足りず、「2015韓日合意履行」、「独島問題」解決、福島水産物輸入などの新しい宿題を一杯に抱えて来た。


被害者の人権を踏みにじり、国民的批判も顧みないで大韓民国の根幹まで揺るがして行われた「グランドバーゲン式」韓日首脳会談の暗い後禍が、すでに随所から噴出している。

 



　これほどだと、国民と被害者たちに薄っぺらでも弁解と取り繕いの謝罪でもすべきだが、居直り、自画自賛、自己正当化、対国民弁明が度を越えている。被害者たちの適法な権利要求と国民の正当な批判を「爆弾」、「障害物」扱いする側近たちの妄言が続き、遂には大統領が直接乗り出し、「敵対的民主主義と反日感情」で「政治的利益を得ようとする者」たちと見なして攻撃する。加害国・日本が「何十回も歴史問題を反省して謝罪を表明した」というウソで国民を欺瞞する。



仮面舞踏会の裏では、日本が出した宿題を取りまとめるのに余念がない。和解治癒財団の解散残余金処理に没頭して「第2の和解治癒財団設立」を推進し、日本大使館前の少女像撤去、国際社会での問題提起不可、第3国少女像問題、性奴隷用語の使用自制など、「2015韓日合意」の全パッケージをいち早く実践する模様だ。日本軍「慰安婦」問題の「最終的・不可逆的解決」を確認する勢いだ。

全人類に向けた放射能テロである福島核汚染水放流、朝鮮人奴隷労働の歴史を消そうとする佐渡鉱山ユネスコ登録も容認し、韓日軍事同盟も締結して独島も差出す模様だ。日本政府と右翼、韓国の反民族・極右歴史否定勢力のすべての願いを実現させようとしている。まさに1904年露日戦争にかこつけて結んだ韓日「攻守同盟」の再現であり、1905年乙巳条約の前哨だ。

 



これで再度明白になった。

大統領とその側近たちがどこに立って誰の代弁しているのか。

誰の視点で誰の利益に忠実なのか。

彼らには毀損された大韓民国の国益、逆転する民主主義、踏みにじられた人権が見えない。国民と被害者たちに与えた屈辱と羞恥が見えないのだ。自らが与えた傷と痛みで叫ぶ声が聞こえないのだ。そのまま踏み越えるべき障害物でしかないのだろう。無知、傲慢、大胆さ、世界を騙す水準が、まさに日本右翼を乗り越えている。

 



貴方たちが障害物と見なしているその国民が切実に望む。

そのまま日本権力者たちの反応ばかりうかがいながら「心を掴んだ」と自負し、日本人たちの拍手と歓呼に喜々と得意顔になるレベルなら、そんなに崇拝する「その美しい国」へ行かれることを望む。私たちの若者たちに途轍もない歴史の負債を、恥辱に満ちた今日を、不名誉な未来を残さずに、自ら戻ろうとする過去の時間の中に永遠に拘束されることを望む。貴方たちが国益と主権、望む未来像を植民主義・ファシストと一致させて一緒にその地で平穏に暮らすことを望む。



私たちは沢山の苦難と危機の中でも屈しないで国を興し、民主主義を闘い取った殉国烈士たちの精神をしっかりと継承する。ついに解放された祖国で人権と平和を守護しながら輝かしい文化を全世界に響かせようと思う。だから貴方たちが望むところ、そこへ行って思いのままに叫ぶことを、心から、心から望む

 


2023年3月22日

正義記憶連帯　李娜榮(ｲ･ﾅﾖﾝ)



（訳　権龍夫）