3月9日、独カッセル大学キャンパスに総学生会が大学の許可を得て設置した「平和の碑」(少女像)が突如撤去される事態が起こりました。


これに対し、学生会だけでなくドイツ市民社会もともに少女像の再設置を求めて立ち上がっています。
背景に日本政府の圧力があったことは明らかであり、私たちは以下の抗議文を日本政府に提出するとともに、カッセル大学への圧力を止めるよう求めます。
この署名は日本の市民の声としてカッセル大学関係者にも送付する予定です。
賛同をよろしくお願いします。



署名は個人署名です。

3月30日締め切りです。

署名は以下のフォームよりお願いします。

https://forms.gle/XQeb2DWu57mUb8m96





日本軍「慰安婦」問題解決全国行動




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抗議文

岸田文雄 内閣総理大臣  
林 芳正 外務大臣  


日本政府によるドイツ・カッセル大学の平和の少女像撤去圧力に抗議する


 さる3月9日未明(現地時間)、独ヘッセン州カッセル大学の平和の碑(少女像)が事前の通知もなく突如撤去されました。平和の碑は昨年7月、同大学総学生会が大学当局と合意して学内に永久設置したものです。総学生会は少女像設置の精神を「戦時性暴力被害者への追悼であり、暴力と抑圧に対する勇気の象徴」と語っています。

 しかし、平和の碑建立から3日後には駐フランクフルト日本領事がカッセル大総長を訪問し、「反日感情を醸成し、地域の平和を脅かす可能性がある」として碑の撤去を求めました。これ以降、大学当局は業務が麻痺するほどの日本領事の来訪、日本の右派市民らによる大量の抗議メールによって苦しめられました。結局、カッセル大当局は、日本政府の執拗な圧力に屈したようです。

 日本政府はこれまでも日本軍「慰安婦」問題について「日韓」で解決済み、平和の碑は日本政府の立場とは相容れないと主張、外交方針として世界各地で日本大使館をはじめ関係機関を通じて「慰安婦」像および平和の碑の設置妨害・撤去圧力を繰り返してきたことは公然の事実です。

「慰安婦」問題は日韓問題ではありません。当時アジア全域においてオランダ人を含め多数の女性たちが日本軍の性奴隷とされました。平和の碑は、こうした性暴力被害を記憶・継承し、女性たちが切実に願った戦争と性暴力のない平和な社会を実現しようとする人々によって世界各地に設置されています。

ドイツでは2020年のベルリン・ミッテ区の「平和の碑」設置以来、少女像を自国の戦時性暴力の歴史や普遍的な女性の人権、植民地主義の問題としてとらえ返す動きが広がっています。

カッセル大学で平和の碑が撤去された後、3月15日には少女像が置かれていた場所でカッセル大学の学生とドイツ全域から集まった市民らによる大学当局への抗議集会が開催されました。少女像の再設置を求める国際署名運動も始まっています。ドイツ市民らの願いを踏みにじるばかりか、加害の歴史を隠蔽し、被害者の記憶まで抹殺しようとする日本政府の行為は国際社会の流れに逆行する恥ずべきものです。
私たちは、日本政府に対し、加害の歴史に向き合うとともに、平和の碑(少女像)の設置妨害・撤去圧力を直ちに中止し、カッセル大学における平和の碑の再設置を妨害しないよう、強く要求します。




2023年3月 日

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動