金学順さんから始まった日本軍性奴隷制問題~性暴力のない社会をめざし世界の人々と連帯します!



 



34年前の814日は金学順さんが日本軍による性暴力を告発した日です。


日本政府は責任を被害者自身に押し付け、戦後50年にわたって沈黙を強いることで「なかったこと」にしてきました。

一方で、女性の人権を取り戻そうと日本軍「慰安婦」問題に取り組み始めた韓国の女性たちは「あなたの声が聴きたい」と名のり出を呼びかけました。その言葉こそ、金学順さんが待ち続けた声でした。金学順さんが記者会見の場で「私はこのことのために今まで生きてきた」と語ったのは象徴的です。

この日を境にアジア各国とオランダの被害女性たちが一斉に日本軍による性暴力を告発しました。まさに、この日がくるのを待っていたかのように。これまで性暴力被害女性たちに向けられた「恥」や責任は、歴史を隠蔽し、なかったことにしてきた日本政府にこそ向けられるべきものだったのです。



その後1992年の国連人権小委員会を皮切りに1993年のウィーン世界人権会議、1995年の北京女性会議と、被害者自身が世界に向けて訴えたことで、日本軍による戦時性暴力は広く認知され、女性に対する暴力は世界的課題になりました。ウィーン世界人権大会を経て12月の国連総会では「女性に対する暴力撤廃宣言」が採択されます。こうした動きは19938月の日本軍の関与と強制性を認めた「河野官房長官談話」にもつながりました。



その後被害者らは各国議会でも証言を行い、2007年のアメリカ・カナダ・オランダ・EU欧州議会での「慰安婦」決議採択に結び付きました。


2008年以降、日本各地でも「慰安婦」意見書可決運動が広がり、被害者が来日、直接市民や議員に訴え、多くの市町村議会で意見書が採択されました。戦時性暴力は「人道に対する犯罪」という認識が世界で形成されるなか、このことを最も理解していないのは日本政府だと言わざるを得ません。



石破政権は4月の国会質疑で「河野談話」を継承するとしながら、6月、私たちが韓国正義記憶連帯など日韓の市民団体とともに提出した要望書への回答として外務省HPURLを送ってきました。そこには、「慰安婦」問題は1965年日韓請求権協定で解決済みであること、にもかかわらず1995年「アジア女性基金」、2015年「日韓合意」で処置した、「強制連行」・「性奴隷」・「20万人」はすべて間違いとあります。同じ外務省HPで日本の立場は「河野談話」であると世界に示しながら、まさにダブルスタンダード、二枚舌とはこのことです。



「戦後」80年を迎えた今なお日本政府は先の戦争を反省するどころか、加害責任に向き合わず、再び戦争への道を突き進もうとしています。各国市民らが性暴力や差別のない平和な社会を目指して建てたメモリアル碑や像を「反日」などと侮辱し、現地の大使や企業が働きかけて「日本政府の立場と違う」と言って撤去させてきました。6月の国会外交防衛委員会で岩屋外相は「引き続き撤去要請を行う」と明言しています。



日本政府がなすべきことはさらなる歴史の隠蔽ではなく、事実を明らかにし、公式謝罪や再発防止のための施策、教育を通して歴史の事実を伝え、再発防止を図るなど戦時性暴力被害者の尊厳を回復することです。



私たちは日本軍性奴隷制被害者の勇気を忘れず記憶し、日本政府の加害責任を問い続けます。戦争に反対し、あらゆる暴力を許さず、世界の人々と連帯し、ともに歩みます。



2025814

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動