世界は極右の主流化、主流の極右化に苦悩しています。アメリカ ファースト、移民排斥、女性と少数者への差別発言で極右を扇動する者が大統領に再就任しました。そのためアメリカ国内の日常的な検閲と民間人弾圧は、まさに全体主義国家を彷彿とさせます。他国に対する主権侵害レベルの通商圧迫と不当な防衛費分担金要求は、まさに帝国主義の皇帝を連想させます。

 

極右傾向の安倍政権以降、右傾化の道を歩んできた日本の政治地形もまた、容易なものではありません。720日の日本参議院選挙結果では、自民党・公明党連合が過半数議席の確保に失敗し、代わりに参政党が15議席に急増しました。参政党は「日本人ファースト」をスローガンに掲げ、外国人ヘイトを扇動する極右政党として知られています。その上、自民党内では穏健派に属する石破茂現首相に対する辞任圧力が強まっており、極右的人物が首相になる可能性も高いものがあります。

 

大韓民国はどうか? 「光の革命」でようやく極右・内乱勢力を鎮圧しましたが、日本統治時代から成長した元祖極右、パワーエリート集団に加え、偽装プロテスタントのアスファルト(街頭)極右の活動は衰えていません。彼らはアメリカの韓国系極右人物を招き、宗教的儀式に匹敵する行事を行い、韓米極右連合を誇示しました。分配正義に反対し、内乱勢力を擁護し、「赤色分子処断」、外国人、女性、性的少数者、障害者へのヘイト・差別を堂々と主張する者たちの影響を受けた青少年・若年層の極右化も深刻な状況に達しています。2030歳代男性の極右比率は、一般国民の2.5倍に達するという統計もあります。

 

このような状況下で、李在明(イ・ジェミョン)政権内にも極右的思考を持つ者が浸透していることが衝撃を与えています。右翼野党「国民の力」が国家人権委員会に推薦した2人の委員も右翼傾向を持つ者であることが判明し、私たちを怒らせています。2019年から水曜デモを妨害し、日本軍「慰安婦」被害事実を否定し、被害者や水曜デモ参加者への侮辱と攻撃を続けてきた者の暴挙も止まる気配がありません。これまで10年間も平和の少女像を徹夜籠城で守ってきた市民団体「反日行動」が、集会を中止すると発表しました。これに調子づいて自分たちの立場が強化されたと大声を張り上げる極右勢力の暴挙を、いつまで見過ごすべきでしょうか?

 

政府の人事はメッセージです。大韓民国が進むべき方向を示し、民主主義と人権擁護の意志を強く発信する高度な政治的行為です。どうか「国民主権政府」を自称する李在明政権は、正義の人事を通じて反憲法的、反民主的、反歴史的、反人権的な行為を厳正に処罰する意志を示してください。世界的な極右化の波に逆らって、世界民主主義と人権を先導する誇り高い大韓民国として堂々と立つことを、心から願っています。

 

2025723 

正義記憶連帯 理事長 李娜榮(イ・ナヨン)



(訳 権龍夫)