尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は3.1節記念辞で日帝植民地期を「世界史の変化にまともな準備ができず、国権を喪失して苦しんだ私たちの過去」と命名した。そして37日、第10回国務会議では日本を「過去の軍国主義侵略者で私たちと普遍的価値を共有」する対象と規定した。大統領室のYouTubeには強制動員被害者に対する「第三者弁済」方式が世界の自由、平和、繁栄をもたらすという広報をしている。




私たちは何をどのように記憶するのか。過去を記録して記憶することは、過去を私たちの言語に再構成する過程である。そのため記憶はそれ自体が闘争である。しかし、尹錫悦政府はどんな過去も記憶しようとはしない。日帝植民地は私たちが「準備できずに」経験した問題ではなく、他の国を侵略することで自分たちの覇権を拡大しようとする帝国主義を信奉した日本の問題だ。尹政府が定義した過去には、私たちの過ちと前政府の過ちだけがある。21年ぶりに強制動員に対する日本の責任を問うた大法院判決もない。現在と未来のどこにも日本軍性奴隷制と強制動員被害者の回復はない。回復はさておくとして存在すら消している。

 



2013年に世を去られた日本軍性奴隷制被害者、黄錦周(ファン・クンジュ)さんは「こんな風にして歴史に何を残すというのか」と語った。日本軍性奴隷制被害者たちの語りは加害者の言語で真実を歪曲しようとする日本政府に対抗する声だった。過去を忘れては前に進めないという決然とした言語が集まり、1587回水曜デモを進めている。このような被害者らの語りの前で加害者の視線で話す尹政府は卑怯さのみを歴史に書き込もうとするようだ。

 



尹錫悦大統領の側近として知られるソク・ドンヒョン民主平和統一諮問会議の事務処長は37日、自らのFacebookに日帝植民地期強制動員被害者に対する「第三者弁済」方式について「重みがあり、堂々とした解決策」として日本に反省や 謝罪を要求するのはもうやめようと言った。

 



私たちはもうやめようという話を今誰がどのような目的で語るのか知っている。この言葉が被害を削除し、社会的解決を回避しようとしていることを知っている。しかし、私たちは過去を噛みしめながら解釈し、記憶しようとする主体的な言語を記憶する。被害を被害と言わないでおこうとする人々や政府の前で、姜徳景(カン・ドッキョン)、吉元玉(キル・ウォノク)、金福童(キム・ポクトン)、文必琪(ムン・ピルギ)、黄錦周など日本軍性奴隷制被害者からセウォル号惨事、梨泰院惨事遺族まで、以後の被害を防ぐために先頭に立つ生存者と遺家族を記憶 する。問題を問題だと言い、その解決に苦悩する世界をつくるために、私たちは連帯する。



 

李容洙(イ・ヨンス)さんの言葉のように「誤った歴史は隠したからといって消えるわけではない」。 「未来志向的」という言葉で過去の問題を乗り越えることはできない。政府は自国民の暴力被害とその回復に対する責任を避けられない。その責任に再び向き合うことを私たちは要求する。

 


一、日本政府は戦争犯罪加害国として過去史を認めよ


一、日本政府は被害者に公式な謝罪と法的賠償でその責任を果たせ


一、 韓国政府は日本の責任を消去して被害者を侮辱する強制動員賠償方針を撤回せよ


一、 韓国政府は自国民の暴力被害とその回復について積極的に努力せよ

 



2023315

1587回日本軍性奴隷制問題解決のための水曜デモ参加者および韓国女性民友会一同



(訳:方清子)