この128日は、日本軍性奴隷制被害生存者であり女性人権・平和運動家の金福童(キム・ボットン)ハルモニが私たちの傍を去って4周忌になります。


日帝植民地時代に慶尚南道梁山(ヤンサン)で生まれた金福童ハルモニは、中国、香港、マレーシア、インドネシア、シンガポールなどの戦場で日本軍による過酷な被害を受け、大韓民国の女性として孤独で辛い生涯を、強い意志で最後まで生き抜きました。そして1992年、長い沈黙の末に被害者申告をした金福童ハルモニは、それ以降国連などの国際社会の各処で日本軍性奴隷制の真実を伝え、戦時性暴力を普遍的な女性人権問題として認識させるために先頭に立ちました。

 



 1992年アジア連帯会議を筆頭に1993年オーストリア・ウィーンで開かれた世界人権大会に参加して証言し、2012年からは国連人権理事会、米国、英国、ドイツ、ノルウェー、日本などで海外キャンペーンを行い正義の訴えを続けました。日本政府の公式謝罪と法的賠償を要求して毎週水曜デモに参加し、「2015韓日合意」に反対して和解治癒財団解散のために、韓国外交部前で一人デモを行いました。日本右翼と大阪市長の妄言に怒り、直接大阪市を訪問して「証拠が生きているのに証拠がないとはどういうことか?」と𠮟りました。

 



 受福の福、童子の童、福を呼ぶ子供の金福童は人権運動ハルモニになり、世界に福を呼ぶための努力を惜しみませんでした。時間でも癒えなかった痛み、一生治らない傷と苦痛、加害者に対する怒りと恨みを、より良い世界を創ろうとする心と実践で昇華しました。

 



 201238日世界女性の日、自分自身と同じ戦時性暴力被害者たちを援けたいという平素の意志を〈ナビ基金〉として実現しました。


ナビ基金は、ベトナム、コンゴ、ウガンダ、パレスチナなどの戦時性暴力被害者たちと子供たちに飛んで行き、生の意志と生存の希望になりました。金福童はコンゴの被害者たちには慰労と連帯のメッセージを送り、ベトナム戦争時の韓国軍による被害を受けた女性たちの苦痛に共感し、被害者たちに直接謝罪しました。被害生存者がまた別の被害生存者に差し出す慰労と連帯の心が、集団的「回復」に続く強固な記憶の共同体に発展しました。

 


 故・金福童ハルモニは生涯の終りまで沢山の阻害された人たちの手を握り、弱者の尊厳と人権保障のために率先して立ちました。「私たちの子供たちが二度と私のような目に遭わないことを望む」心情で、在日朝鮮学校の学生たちを惜しみなく応援し、韓国と日本の自然災害被害者たち、米軍基地村「慰安婦」女性たちと労働者たちを支援しました。青年世代、活動家、研究者たちのための奨学金の基礎資金も出しました。日本軍性奴隷制問題の正義ある解決のための私たちの旅程が、構造的暴力と差別に立ち向かう数多くの人たちの正義と結びついていることを全身で示してくれました。記憶の伝承、体系的な記録と整理のためのデジタル・アーカイブ構築の土台になってくれました。

 


 「私は希望を求めて生きる」

 

 女性人権運動家・金福童は自身が受けた被害が反復されない世界に対する希望を失いませんでした。毎週水曜日、平和路で学生たちと、市民たちと会い、戦争の残酷さを想起させて平和を一緒に創って行こうと訴えました。

 


 日本政府と極右歴史否定勢力が日本軍性奴隷制の事実を否定し、性暴力被害生存者たちに対する厚顔無恥な二次加害を犯すいまこの瞬間、韓国政府が加害者側で付和雷同するこの瞬間にも、私たちは金福童の念願と勇気を記憶し、女性人権と平和が満ち溢れる世界を創るために努力します。

「私たちの問題が解決する時まで一緒に闘ってくれ」という故・金福童ハルモニの言葉を胸に刻んで、どんな試練が押寄せてもこの場を堅固に護り、もっと大きな道を切り拓いて行くことを決意します。

 


一、日本軍性奴隷制の事実を否定し被害者たちを侮辱する極右歴史否定勢力は、直ちにヘイトと差別を止めよ!


一、日本政府は犯罪事実を認定し、被害者たちに公式謝罪・法的賠償を行なえ!


一、韓国政府は日本政府の責任履行を要求し、被害者たちの名誉と尊厳回復のために積極対処せよ!

 


2023年 1月 25

正義記憶連帯 理事長 李娜榮(イ・ナヨン)



(訳 権龍夫)