青空の下、60回目の水曜行動in新宿を行いました。


128日は金福童さんの命日であり、3日後の21日からは、東京・中野ゼロでの映画「金福童」上映会を皮切りに、全国で映画上映が始まることを新宿の街頭で訴えました




wamの池田恵理子さん。「新しい戦前」にさせない。




7年前に「慰安婦」問題についての「日韓合意」が行われたが、被害者の声を聞かない政治的「合意」であった。生涯かけて「慰安婦」問題を闘ってきたユンミヒャンさんが右派からバッシングを受け、あらぬ嫌疑をかけられているが、国際連帯で跳ね返そう。韓国のサバイバーは、10人しか生存されていない現実の中で、私たちは、この問題を記憶し伝え、日本政府を変えて行くために闘っていく。




今年は、関東大震災での虐殺から100年。調査では徐々に明らかになっているが、歴史否定が行われており、これも「なかったことにしてはならない」。また近藤一さんのような加害証言をしてくれた人々の声を聞いていくことも、日本だけでなく、国際社会の中でも大事なことである。

 



◆梁澄子さん、「金福童さんの被害と人生」について




金福童さんは、満14歳のときに工場で働けると言われ日本軍「慰安婦」として連行され中国、シンガポール、インドネシアなどの戦場を連れまわされた。日本軍の敗戦後に看護婦として米軍の収容所に収容され、帰国した。「このような身体では結婚できない」と、お母さんからのすべての縁談を断り続けたが執拗にすすめられたのでその理由を話したところ、お母さんは寝込んでしまった。そして自らを責め続けた。



キムハクスンさんの告発をテレビで観て、1992年に周囲の反対を押し切って名乗りでた。なかなか解決できないことで一旦は自宅に引きこもり、10年を過ごした。



再び声上げたのは2010年。

次世代のためにも解決が必要と思い。戦時性暴力の被害者にナビ基金という援助を始めたこと。世界の紛争下では今でも女性たちは性暴力にあっているという事実をしり、これ以上続いてはならないと自らお金をだして「ナビ基金」をつくり、コンゴやイラク、ウガンダ、ナビビアの紛争地での女性たちへの支援を続けた。またベトナム戦争のときに韓国軍によって性暴力をふるわれたベトナム人女性たちへの支援をした。日本では朝鮮学校への支援をした。



世界の性暴力被害者の女性たちと出会う場面を目にしたが、被害にあった場所も時代も国籍も言葉も違うが一瞬にしてそれを飛び越える姿を何度も目撃した。彼女たちの中で通じるものがあった。そうして金福童さんと出会った世界の性暴力・性搾取被害者は口々に言う。黙らずに語り続けてくれてありがとう。語り続けることがどんなに大変なことかわかります。金福童さんが死ぬまで語り続けてくれたことが私たちに勇気を与えてくれている。語るということは闘うことです。



201992歳で、亡くなるまで語り続けてくれたこと、亡くなるその日まで声をあげ続けた金福童さんは、最後の最後に、実は希望を語りました。亡くなる3ヵ月前、「希望を掴みとって生きよう。私は希望を掴みとって生きている」と全身をガンで侵された金福童さんがそう言った。闘った人が残した言葉だ。希望というのは待っていても来ない。自分でつかみ取るものだという、闘った人しか語れない言葉を私たちに残してくれた。日本軍「慰安婦」問題を思うとき、皆さんは過去の問題だと思うだろう。しかし亡くなるその瞬間まで、それを現在のこととして抱えて生きた人がいる。闘うことによって希望を掴みとった人がいる。そういう人生を是非、知っていただきたいと思い、3日後(21日)の中野ゼロで「金福童」を上映しますので、是非、おいで下さい。




山田久仁子さん、「杉田水脈氏の差別発言は議員辞職に値する―更迭ではすまない」





 昨年末に国会で追及され、杉田水脈氏は総務・政務官を交代し、事実上の更迭とされたが、更迭だけで済む問題ではない。この間の問題発言・差別発言は言い尽くせない。差別だと批判されると、「差別するつもりはなかった」「説明不足」と謝罪とは程遠い言い訳でその場をしのぎ、ほとぼりが冷めるとまた繰り返す。杉田水脈氏の一連の発言は、自民党の右翼的保守派が後ろ盾となっている。戦後、ふたたび戦争への道を走らないために平和、人権、民主主義を作り上げてきた人々への挑戦ともいえる。平和憲法にかえて、教育、家族、女性、ジェンダー、歴史認識などあらゆる場面で、戦後の歴史への真向からの否定である。

杉田水脈氏は、ただちに国会議員をやめてほしい。

 



◆岡田卓己さん。川崎から日本軍「慰安婦」問題の解決を求める市民の会・代表。「名古屋・三菱重工朝鮮女子勤労挺身隊裁判を支援する会」の代表でもある




●岡田卓己さんの発言の詳細はこちら https://www.restoringhonor1000.info/2023/01/in.html







 2015年の「慰安婦」問題に関する日韓合意では、被害者の願いを無視する「合意」がなされた。



ところが、「慰安婦」問題についての「日韓合意」と同様なことが、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の下で行われようとしている。徴用工として動員された日本製鐵や三菱重工や、朝鮮女子勤労挺身隊として名古屋・三菱重工に動員された被害者について、日本政府や加害企業を免罪し、被害者の願いに逆らうような「解決案」が発表されようとしている。



名古屋三菱重工・朝鮮女子勤労挺身隊とは、1944年、敗戦色が強くなった日本で戦争遂行の不足する労働力を確保するため、植民地であった朝鮮の国民学校(小学校)を卒業するくらいの幼い少女たちを強制動員した問題。


日本での確定判決となった2007年名古屋高等裁判所の判決は原告の訴えは認めなかったが、騙して連れていったことは強制連行にあたり、少女たちへの過酷な児童労働は強制動員でありILO条約に違反しているなど、判決で事実認定が行われ三菱重工の責任を事実認定している。



韓国では2018年に大法院(最高裁判所)の判決で勝訴した。


現在、尹錫悦政権は韓国の財団(日帝強制動員被害者支援財団)が、本来日本の加害企業が被害者へ支払う賠償金を肩代わりし、さらにその金額を韓国企業が補填するという案を発表しようとしている。

日本の加害企業である日本製鉄や三菱重工は謝罪も賠償も行わず、完全に免罪されている。当然、被害者・弁護団・支援団体はこの案に強く抗議している。



加害企業である日本製鉄と三菱重工が、自ら謝罪と賠償を行えば問題は解決する。日本と加害企業は過去の戦争責任の事実を直視し、謝罪と賠償を行うことを強く求める。

 

 

(報告 木瀬慶子)