李ソヒョン記者 20221129



ソウル西部地方法院(写真=法律ドットコム)

 


 尹美香(ユン・ミヒャン)国会議員らの日本軍性奴隷制問題解決正義記憶連帯(正義連)関連第23回公判で戦争と女性人権博物館(女性博物館)の前学芸員は登録当時から学芸員がいたと証言した。

 

 昨年12月の公判で女性博物館の前学芸員は、自らが学芸員として勤務したことがないと証言したが、これを全面的に反駁する証言が引き続いた。

 

 ソウル西部地方法院刑事合議11部(部長判事 文ビョンチャン)は1128日、尹美香国会議員と正義連関連の第23回公判を開いた。

 

戦争と女性人権博物館の前館長 「学芸員はいた」

 

 この日の公判には挺対協共同代表と女性博物館の館長だったAさんが証言台に立った。Aさんは20052011年に挺対協執行理事、20132018年挺対協共同代表、20152018年女性博物館の館長を務めた。

 


 「学芸員が戦争と女性人権博物館に勤務していたか」という弁護人と検察の質問に対し、Aさんは即座に「いた」と強く述べた。

 

 Aさんは「(学芸員Bさんが)毎日ではないが学芸員として仕事をしていた」、「(Bさんと)電話で何度か会話した。展示方法に関する話で、Bさんは博物館についての理解が深く博物館に思い入れがあった」と証言した。

 

 Bさんは昨年、検察調査と法廷陳述で戦争と女性人権博物館の学芸員として勤務したことがないと証言したことがある。しかしAさんは女性博物館のソウル市登録以降、博物館館長に就任し、Aさんが勤務している時にBさんは学芸委員だったとし、20161月Bさんが学芸員を辞職した時も、直接連絡してきたとBさんの陳述を否定した。

 


 先の第22回公判で挺対協前職員もBさんは学芸員だったと証言し、ソウル市博物館登録審議当時にも同行してBさんが直接給与通帳を開設したと述べた。実際、前公判ではBさんが直接「戦争と女性人権博物館」と自筆で記載した通帳が証拠提出された。

 


 この日Aさんは、Bさんが戦争と女性人権博物館の学芸員兼運営委員として勤務したと確認する電話と文を公開した。Aさんは「20161月学芸員を辞職する時も電話をしてきた」、「博物館運営委員として運営委員会の参加をお願いしたが、それが難しいことも会話した。2016年末まで運営委員だったが、まったく出席できないで、電話するのも負担だろうと思って辞職するよう電話した」と述べた。

 

 それによれば、Bさんは2013年博物館ソウル市登録当時から20161月まで学芸員として勤務し、20171月に運営委員を辞任した。

 


 AさんはBさんが学芸員を辞職することになった状況を詳細に説明した。AさんがBさんに直接電話をかけて「運営委員会に出席しないから学芸員として勤務するのは難しいようだ」と述べ、これにBさんは「辞任します」と答えた。またAさんは、Bさんへ運営委員の任期が残っているからその期間は残って欲しいと要請し、Bさんはこれを受入れたという。

 


 Bさんの学芸員勤務状況を尋問する検察にAさんは、「Bさんは学芸員として博物館に一定の貢献をした」と強調した。

 


 博物館職員が国庫補助金から出る人件費を寄付したことについては、「人件費として支給され、どう使うかは当人の自由だ」と検察の国庫補助金関連の疑惑を一蹴した。

 


 この他にもAさんは尹美香共同代表の病院費用、車両修理費支援、総合所得税支援などについて、挺対協執行理事会、共同代表団会議で決定したと証言した。これは前回公判に出廷した他の挺対協共同代表の証言と一致する。

 


 この日の公判では吉元玉(キル・ウォノク)ハルモニが認知・判断能力に問題がなかったという証言もあった。20175月に吉元玉ハルモニと一緒に十日間ほどの独キャンペーンに同行したCさんは、「いつも朗らかで冗談をよく言って、普通のお婆さんと違いはなかった。独メディアの会見で2時間とても具体的に話していた」と言った。

 


 吉元玉ハルモニのお金の管理に関連しても、「ハルモニが管理した」、「お金を引き出しする時はハルモニが確認し、所長にお使いをさせてハルモニがまた確認した。」と証言した。

 


 寄付行為に関しても、「吉元玉女性平和賞を制定した。吉ハルモニが賞を制定して後輩女性活動家を育成して自分のような問題がまた起きないようにしたいと話された。その趣旨で寄付するという意志を述べた」と強調した。

 


 Cさんは金福童(ポクポクトン)ハルモニの市民葬に関連しても、当時諸団体と市民が葬儀委員になって、著名人が亡くなった時と同じように、(寄付ではなく)弔慰金だったと説明した。

 


 一方でこの日の公判には韓国私立博物館協会(私博協)の前会長が検察側証人として出たが、自身が直接国庫補助金を申請したことがなく、私博協は博物館登録業務とは関係がなく、女性博物館のソウル市登録問題と国庫補助金関連の疑惑などを裏付けるには力不足だった。

 


 検察は戦争と女性人権博物館が国庫補助金を受領するために虚偽で博物館を登録したとする主張だが、証人として立った私博協の前会長は本人が運営する博物館もやはり信頼性を受けるために登録したもので補助金を受けるためにしたものでないと答えた。

 


 尹美香議員と正義連関連の証人尋問はこの日の公判で終わった。129日に第24回公判が開かれる。

 


(訳 権龍夫)