正義記憶連帯が日本軍性奴隷問題解決のために走り続けてから今日で32年になりました。冷たい街角、それよりもっと冷たい社会的冷遇の中で、加害者の責任と真相究明、誠意ある謝罪と法的賠償を要求して始めた日から32年になりました。「乙已勒約」 、「殉国先烈の日」の前日である19901116日、国家の存在理由を再確認しながら女性人権と平和を目指した旅程を始めたのです。




 これまで正義記憶連帯は勇気ある被害生存者たちと共に、構造的な性暴力と性搾取、戦時性暴力と性奴隷問題の根源を明らかにして真実を探すために邁進してきました。遠い他国で名もなく死んで行った数多くの被害者、千辛万苦の末に帰国したが息を殺して生きなければならなかった多くの被害者の代弁人として献身して来ました。加害者の否認と歪曲、責任転嫁が続き、歴史的正義は虚しく遅延していますが、 いつか必ずまみえる希望の光を念じて、一歩ずつ歩んで来ました。

 




 この長い年月、皆さんの貴重な汗と時間が日本軍性奴隷制の真実を明らかにする力になり、被害生存者たちを庇護してくれました。ナビ基金になって、コンゴとベトナム、パレスチナへ羽ばたいていきました。独ベルリンを始めとする全世界の平和の少女像になりました。また、戦時性暴力根絶のための国際人権規範となりました。未来世代が正しい歴史を記憶できるよう記録を収集して整理する基礎になりました。歴史歪曲を防ぎ、水曜デモを守り通す連帯の土台になりました。

 



 心から感謝します。

 


 激しい台風を経て、初めて現場で後援の夜を開きます。2022年の活動を振り返ってこれまで連帯して下さった方たちに感謝の気持ちをお伝えします。金福童(キム・ポットン)人権平和賞、金学順(キム・ハクスン)賞、姜徳景(カン・ドッキョン)賞、ナビの夢受賞者と文化公演の活動家たちが心を込めて場を設けてくれました。どうか関心を持ってもっと力強く歩んで行けるように応援してください。前に立って歩んでくれた先輩たちの後を引き継いで、未来世代に勇気を与えて下さい。彼らが切り拓いて行く未来の希望の陽ざしになってください。正義記憶連帯は揺るぎない皆さんたちの真心を信じ、再度力強く錨(いかり)をあげます。

有難うございます。

 




 20221116日 正義記憶連帯理事長 李娜榮(イ・ナヨン)

 



*乙已勒約; 日本が大韓帝国から外交権をはく奪した1905年の第2次韓日保護条約を示す。(訳注)





(訳 権龍夫)