女性家族部廃止阻止共同行動

 

1.尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、大統領の卑俗語騒動で支持率下落などの危機を打開するため、女性家族部を廃止する政策を展開しています。ついに10月6日、政府は女性家族部を廃止し、福祉部に「人口家族養成平等本部」を設置する政府組織改編案を公式発表しました。人口家族養成平等本部部長には産業通商支援本部の通商交渉本部長のように、準長官的な地位と待遇を与えると言います。政府組織法の改編案は国会議決が必要なので、現在の国会構図では難しい状況なのにこれを具体化したのは、政治的な意図が大きいからです。尹錫悦政権は政権危機打開のため、一部女性ヘイト勢力の支持率を稼ぐために、女性家族部廃止を議題に浮上させる女性ヘイト政治を繰り広げています。女性ヘイト政治と無責任政治は批判されるべきです。


 

2.尹錫悦政権の支持率下落は性差別を無視と、社会的少数者たちと庶民を無視した国政運営の失敗が一挙に表出したためです。だから女性家族部廃止をするといって支持率が好転する筈(はず)がありません。支持率20%は、女性家族部廃止に固執した結果です。加えて新堂(シンダン)駅女性労働者ストーキング殺害以降にも女性殺害事件と性暴力が絶えない現実が、性平等専担機構の機能を強化すべきという庶民の声を大きくしています。それなのに政府は、「女性家族部は廃止しても機能は弱化しない」という非常識的な主張をして批判を抑えようとしています。性平等を放棄した政府に対し、国民の支持率が高まる筈がありません。

 


3.これに「女性家族部廃止阻止のための共同行動(略称;女家部廃止阻止共同行動)」は1011日(火)午前11時、尹錫悦大統領執務室前の戦争記念館前で「女性家族部廃止しても支持率は上がらない!-尹錫悦政府の女性家族部廃止の企みを糾弾する記者会見」を開きました。性差別に油を注ぎ続ける尹錫悦政府を強く糾弾する記者会見に多くの関心をお願いします。

 


 さる106日、李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官は、女性家族部廃止を骨子にした政府組織改編案を発表した。この案は女性家族部が担っていた青少年、家族、両性平等のような核心機能を保健福祉部の人口家族養成平等本部へ移管し、女性雇用政策は雇用労働部が包括するとの内容になっている。

 


 これに関して金賢淑(キム・ヒョンスク)女性家族部長官は、この間、「女性家族部がジェンダー葛藤、権力型性犯罪に積極対応できず、女性に特化した女性政策で、国民の期待に応えれなかった側面があった」と述べ、「女性家族部廃止がむしろ性平等をより強化できる体系をつくることだ」と発言した。

 


 女性家族部は部署内に戦略推進団を設置して政策受益者と専門家の意見を聴くとしたが、これらの大多数が女性家族部廃止に反対する状況で、まともな意見交換はできていない。国会女性家族委員会が女性家族に専門家懇談会と行政安全部との面談関連資料を要請したが、女性家族部は関連記録を公開しないなど、独断的な女性家族部廃止の企てを押し付けている。

 


 さる9月のソウル新堂駅ストーキング殺害事件と104日瑞山(ソサン・忠清南道)家庭暴力-夫人殺害事件など、毎日のように女性が命を奪われている状況で、政府が女性家族部を廃止する組織改編論議を本格化するのは、全国民の平等と人権を保障すべき行政府の義務に違反するものだ。

 


 新堂駅女性労働者が命を失った事件背景と、警察署へ4回の家庭暴力の届出をしたのに命を奪われたこの事件の背景に、構造的な性差別と国家による責任回避があったことを多くの市民が指摘しており、これを是正して対策を立てるための女性家族部の役割が強調されている。このような時に金長官の「女家部廃止が性平等を強化できる」という発言は、行政部署が責任回避するための「言葉遊びにもならない」妄言だ。女性家族部が廃止されたら、金長官は大事な仕事をした長官ではなく、「人権破壊者として歴史に永く名を残す」だろう。

 


 尹錫悦政権は政治的危機に陥るたびに、女性家族部廃止論を戦略カードとして使用している。最近の韓国ギャラップ支持率調査結果、尹錫悦大統領の米国訪問での卑俗発言騒動以降、尹錫悦大統領の支持率が20%台に下落した。この対処策として再度、女性家族部廃止カードを取り出したのだ。しかし尹錫悦大統領に対する否定評価の理由として、経験と資質の不足、失言乱発と経済・民生を顧みない態度、そして独断的で一方的な態度が反映したと推察できる。さらに女性人権などの民生を顧みず、国民と意志疎通しない独断的で一方的な女性家族部廃止策動を続けるなら、尹錫悦大統領の支持率はさらに下落するだろう。

 


 尹錫悦大統領は大統領候補時代から女性家族部廃止を公約に掲げ、青年男性世代の支持を引き出した。しかしこれは青年の純粋な支持と見るより、組織的な政治工作の結果と見るのが正しい。韓国女性政策研究会の「青年世代ジェンダー葛藤のための性平等政策の課題研究」で、前の大統領選挙時期の捏造・フェイクのコミュニティを分析した結果、男性コミュニティから「女性家族部」キーワードが、特定政党、選挙関連論議とほぼ完全に関連して使用された結果が明らかになった。この研究結果は今年2月初の検察起訴とともに社会に表面化した「国民の力」選挙対策本部と「新男性連帯」関係者間の書き込み捏造疑惑と脈絡を同じくしている。当時、「新男性連帯」が世論捏造した主要キーワードが「女性家族部廃止」だったという点で、尹錫悦政権と「国民の力」が女性ヘイト勢力を政治勢力化しようとの政治的意図があったことが推察できる。これは真相調査されるべき明確な公職選挙法違反行為であり、ヘイトと差別で民主主義を誤導しようとする反民主主義的行為だ。

 


 特に女性家族部廃止論は論理ではない。女性家族部廃止を公約に掲げた尹錫悦大統領が性認知予算が何なのか分からないままに35兆ウォン国防部妄言を展開したことから分かる通り、女性家族部廃止論を裏付ける正当な根拠や論理が存在しない。学界でも、政治的意図によって行政部署組織が改編され、予算を乱費することに対する批判が起きている。 経済協力機構(OECD)の会員国が女性専担機構を拡大する趨勢なのに、女性家族部廃止論はそれ自体が論理ではなく、女性ヘイトの政治攻撃でしかない。

 


 これに対し女性家族部廃止阻止共同行動は、尹錫悦政権に警告する。

 


 尹錫悦政権は女性家族部廃止の企てを直ちに中断せよ。女性家族部廃止で局面打開を狙うな。女性家族部廃止をしても支持率は上昇しない。だから無駄な夢を見ることなく、女性の人権を侵害するな。

 

 また国会に厳重に要求する。

 

 政府組織法改編を阻止し、女性人権保障のための努力を尽くせ。女性であるために命を奪われない社会、みんなの尊厳と平等のための社会を要求する市民社会の声に耳を傾けよ。

 


 20221011

 

 女性家族部廃止阻止のための共同行動



(訳 権龍夫)