反女性、反人権、反民主、反平和勢力を糾合して創出した現政権・与党の時間が5か月を過ぎた。余りにも信じられないことが連続多発して、国民の体感時間は5年といっても誇張でない。

(大統領)本人と周辺人士の頻発する妄言とヘイト発言、屈従的な対日外交と継続する外交的な失敗、奇襲発表された女性家族部廃止、米日安保同盟体制の下位パートナーを自認して旭日旗を掲げた日本海上自衛隊が軍事訓練のために独島近海にまで初進出した事態まで、国民は平穏な日が一日もない。平和・外交的解決ではなく強硬一辺倒の軍事的対応にだけ固執し、韓半島の緊張は連日高まっている。

 


 無知と無能、傲慢と誤判、不疎通と不信で綴られた時間だった。

 

 しかし私たちは失望と不安、絶望と冷笑の時間に閉じ込められない。殉国先烈たちがそうだったように、日本軍「慰安婦」被害生存者たちがそうだったように、ぞっとするような苦痛と痛みを蹴って立ちあがったすべての被害生存者たちがそうだったように、新たな時間を新しく創造しながらこの瞬間を変えて行くだろう。

 


 さる1012日、米フィラデルフィア市の「平和の少女像公園」建設が確定した。自由、平等、自主、独立精神の象徴である都市、その有名な「自由の鐘がある」がある米国独立歴史公園近くに、女性人権を象徴する少女像が建つ公園が世界で初めて建設される。

趙シンジュ代表を始めとする現地推進委員会の活動家たちが、日本政府の組織的妨害、日本右翼の集中的な攻撃、韓国右翼歴史否定勢力の暴挙にも屈しないで、10年以上着実に準備し、一歩一歩粘り強く進めた結果だ。本当に驚嘆に値する。

 


 帝国主義侵略、植民地と軍事独裁体制を経験したアルゼンチン首都のブエノスアイレスに、自主、独立、自由、民主主義を市民の力で培った平和の少女像建立も確定した。1125日、国立「記憶の博物館(Museo de la Memoria)」内に少女像が設置される。とても悦ばしい知らせだ。

 


 「記憶の博物館」は 1970-80年代の独裁政権時代、沢山の市民が不法拘禁され、拷問・殺害された所として悪名高い前・海軍士官学校の建物を民主化以降、過去を直視・記憶しようと改造された歴史的な場所だ。酷い人権蹂躙が行われた場所がいまや国際人権の象徴になった。

また、意義深いことは、「5月広場の母たち」が属する建物に少女像が安置される事実だ。

5月広場の母たち」は、韓国光州の「5月の母たち」のように、軍部のために失踪したり疑惑死した子女たちをを探し、真相究明を要求する人権団体だ。いまやハルモニ(老婆)になった人権運動家たちが、遠い国の女性たちが経験した苦痛を、同じ女性として共感・記憶するために少女像設置を決定したのだ。再び同じことを繰り返してはならないという被害生存者たちの勇気に感嘆し、いまも繰り返されている女性暴力の現実に立ち向かおうとする意志の表明だった。他国で人種差別を受けながら平等と人権、民主主義の重要性を体得した現地韓人たちと、アルゼンチンの市民たちの真心が結びついてできたことだった。

 


 そうなのだ。為政者がどんなに「グランド・バーゲン」、「トップダウン方式」を叫んで歴史を壊そうとしても、正義ある市民たちは下から立ち上がって互いを繋ぎ合わせ、記憶し、実践して歴史を変える。

帝国主義、植民主義、軍国主義、貪欲と戦争の暗い影が世界を破壊しても、市民たちの不屈の意志と連帯の力が世界を変えて平和と民主主義を築く。その道が決して孤独でも不可能でもないことを私たちは知っている。いつも共にしてくれる全世界の市民たちに心から敬意と感謝を表す。今後もより多くの市民たちが参加してくれることを信じ、今日も私たちはしっかりと手を繋いで歩んで行く。

 


 20221019

 正義記憶連帯 理事長 李娜榮(イ・ナヨン)



(訳 権龍夫)