第1449回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜集会・週間報告
マスコミによる無差別な疑惑提起と保守団体の告訴・告発に始まった検察の捜査が、2カ月を越しています 。
5月20日、水曜デモの直後に正義連の事務所と「戦争と女性人権博物館」に押しかけた検察、直後の衝撃的な麻浦(マポ)所在シムトへの家宅捜索以降も、正義連は、公正かつ迅速な捜査を願って、積極的に検察に協力してきました。
数十個の質問項目の書面質疑書に毎回答え、週に何度も参考人として出席し終日を費やして調査にも臨みました。検察が捜査の方向性を変更して捜査対象と範囲を拡大させた中、会計担当者はさることながら、被害者支援業務の担当者、療養保護士(介護士)、被害者の遺族、寄付した諸団体の代表ら、かつて挺対協/正義連と少しでもかかわったことのある多くの方々が、検察の電話や呼び出しに応じ、誠実に回答してきました。怒りと無念さをぐっと押さえ、失望と痛みは敢えて感じまいと努めながら、毎日のように検察の要請に応えてきました。
繰り返される質問、あまりにも分かりきった質問、理解に苦しむような質問、はっきり見え透いた意図の質問にもいちいち答えてきたのは、大韓民国の検察の良心と能力を信じたからでした。理不尽な始まりであったとしても、少なくとも常識水準の結論は出してくれるだろうと信じたからでした。
親切な応対と積極的な協力は、行き過ぎたことだったのでしょうか。
5年前に退職し、地方で子育てをしながら静かに暮らしている挺対協の元活動家が、被疑者として召喚されることが最近起こりました。調査の緊急性が問われる人なのか、参考人調査の必要性も不明な人を、検察は、参考人としての出席を通知した翌日に、被疑事実はおろか罪名すら告知せずに被疑者として立件しました。
協力を求めたいはずの参考人を、逮捕などをほのめかしながら脅迫し、被疑者に切り替えて迅速に立件した事実は、捜査権を持ち起訴権を独占している検察が自らの権限を悪用して、市民に人権侵害を働いた行為ではないのですか。
人権侵害的な検察捜査の慣行にブレーキをかけ、憲法と法律に保障された市民の基本権を保護するために、法務部が規定に定めた人権保護捜査準則を、検察自ら違反した行為ではないのですか。
30年余りの間、あらゆる外圧に耐えながら歴史否定論者や過ちを否定する者に対抗して大韓民国の歴史を書き換えてきた小さな市民団体に対して、到底晴らせぬ汚名を着せることで、市民団体が自ずと自責しながら挫折し、ついには倒れてしまうことまでを望んでいるのですか。
人権侵害的な検察捜査の慣行にブレーキをかけ、憲法と法律に保障された市民の基本権を保護するために、法務部が規定に定めた人権保護捜査準則を、検察自ら違反した行為ではないのですか。
30年余りの間、あらゆる外圧に耐えながら歴史否定論者や過ちを否定する者に対抗して大韓民国の歴史を書き換えてきた小さな市民団体に対して、到底晴らせぬ汚名を着せることで、市民団体が自ずと自責しながら挫折し、ついには倒れてしまうことまでを望んでいるのですか。
私たちは今回の捜査の過程で、すでに一人を天国に見送った後も、病院に入院したり、心理相談を受け続けています。もっと多くを傷ませ、傷つけ、死に至らしめたいわけではないはずですよね。
検察に要請します。小さな誤りとミスを自ら認め内なる刷新に取り組んでいる正義連を、これ以上傷つけないでください。
勇気ある被害者たちと世界の市民が共に大切に築きあげた塔を崩さないでください。
強引な粗探し的な捜査、底引き網で掻き集めるかのような捜査を中断してください。
これまでの検察の重苦しく暗い歴史を振り捨て、人権にやさしい姿を示してくださるよう切に訴えます。
勇気ある被害者たちと世界の市民が共に大切に築きあげた塔を崩さないでください。
強引な粗探し的な捜査、底引き網で掻き集めるかのような捜査を中断してください。
これまでの検察の重苦しく暗い歴史を振り捨て、人権にやさしい姿を示してくださるよう切に訴えます。
市民に心から尊敬される新しい大韓民国の検察とともに、歴史を書き換えるこの場に立てるようになることを願います。
2020年7月22日
正義記憶連帯 理事長 李娜栄(イ・ナヨン)