「違法」にまみれた朝鮮日報の報道
2020年6月30日 正義記憶連帯の立場
6月30日付け<朝鮮日報>ウォン・ウシク記者の記事「挺対協、キル ハルモニが夢と現実を混同と報告書に書いておきながら…遺言状書かせた」に関する説明
キル・ウォノク人権運動家を「認知症」と断定し、
事実を歪曲して報道する朝鮮日報は反省せよ!
事実を歪曲して報道する朝鮮日報は反省せよ!
国会議員の特権を利用して敏感な個人情報を流出した
該当記事は、挺対協(正義連)が「キル(ウォノク)ハルモニの遺言の動画を制作し、ユーチューブにアップしたこと」を確認したとし、「未来統合党のパク・ソンジュン(朴成重)議員が入手した報告書」を引用しながら、「すでに認知症の状態」にあるキル・ウォノク人権運動家を挺対協(正義連)が利用して寄付金を募ったと疑惑を提起しています。
→これは明らかに、報道機関の人権報道準則に違反する行為であり、生存者の名誉を傷つけ、虚偽の報道により正義連(挺対協)の名誉を傷つける行為です。訂正報道と謝罪を求めます。
1. 個人の健康情報は、憲法第10条・人間の尊厳と価値から導き出される一般的人格権と、憲法第17条・私生活の秘密と自由により保障される個人情報自己決定権によって保護されるべきものであり、個人情報保護法における敏感情報に該当することから、これを扱う者には人間の尊厳と個人の私生活を保護する責務があります。にもかかわらず、未来統合党のパク・ソンジュン(朴成重)議員は、国会議員の職責を利用して、女性家族部から取得した情報をマスコミに無差別に公開しました。このことは、生存当事者の人格権に対する侵害行為であり、名誉毀損に該当します。
2. <朝鮮日報>は、当事者の尊厳と私生活に対するいかなる考慮もせず、前述の情報を公開しています。当事者の人格権を侵害し、韓国記者協会の人権報道準則に明らかに違反する行為です。何よりも、キル・ウォノク人権運動家のこれまでの活動を貶め、彼女の名誉を傷つける行為です。
3. キル・ウォノク人権運動家は、高齢と持病による記憶力の低下や認知能力の低下などが数年にわたって少しずつ進行してきた側面があるとはいえ、正式に認知症に等級付けられたことはありません。最後の海外活動となった2019年のアメリカ平和の碑除幕式への参加は、女性家族部に提出した報告書にも明らかに記載されているように、訪米しても何ら異常を来たさないだろうという担当医師の所見を聴取した上で行われたものです。ただ、今年(2020)4月、身体的異常により8日間病院に入院して以来、心身の健康状態が急激に低下しました。挙動に不便が生じて健康が優れない中でも、キル・ウォノク人権運動家は普段からの意志の通り人権と平和を願って寄付活動をし、国連の場をはじめとする国内外で活発に証言活動に取り組まれました(関連内容は、6月18日の正義連の立場を参照 http://womenandwar.net/kr/notice/?uid=1039&mod=document&pageid=1 )。<朝鮮日報>の記事は、このようなキル・ウォノク人権運動家の崇高な実践の歴史を、認知症高齢者の意志のない行動と貶めた悪意の行為であることを、いま一度指摘します。
4. 記事には、キル・ウォノク人権運動家の遺言動画を掲載した主体が、韓国挺身隊問題対策協議会であると書かれています。しかし、正義連はキル・ウォノク人権運動家の遺言を製作して掲載したことがないため、明らかに虚偽に基づく記事です。このことについては、ウォン・ウシク記者からの携帯メールの問い合わせに対してすでに十分に説明したにもかかわらず、記者は無視して報道しました。
これは明らかに、韓国記者協会の倫理綱領(4.正当な情報収集)の違反行為に当たります。
5. 正義連は、被害者と活動家(団体)の間に葛藤を誘発させる報道や、様々な虚偽の流布に対して、数回にわたって訂正報道と謝罪をもとめてきましたが、<朝鮮日報>は無視し続けています。韓国記者協会の倫理綱領(8.誤報の訂正)、(9.葛藤・差別の助長禁止)の違反行為です。このことに対する法的・道徳的責任は、完全に朝鮮日報にあることを警告します。
以上
(訳:正義連提>
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