第1448回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜集会・週間報告
1991年8月14日、ひとりの被害女性の勇気ある公開証言が世の中を揺さぶりました。当時67歳だった金学順(キム・ハクスン)は、記者会見の中で、16歳の時に受けた屈辱的な経験が「あまりにも酷くておぞましく、ずっと胸のうちに留めて生きてきたが……国民みなが過去を忘れたまま日本にしがみついてばかりいるのを見て、とうてい我慢できなかった」と、堂々と名乗り出ました。
闇の幕を破って出てきた金学順の証言を皮切りに、自らの「羞恥心のため」「家族にも言い出せず」「友だちにさえ言えなかった」話の数々が、堰を切ったように溢れ出てきました。
黄錦周(ファン・グムジュ)、姜徳景(カン・ドッキョン)、金福童(キム・ボクトン)、李容洙(イ・ヨンス)、吉元玉(キル・ウォノク)、朴永心(パク·ヨンシム)、宋神道(ソン・シンド)、ジャン・ラフ・オハーンなど、朝鮮半島の南北はもちろん、アジア太平洋地域の数多くの被害者が世に出てきました。
あまりにも無念な気持ちにようやく誰かが「心から」耳を傾け、名誉と尊厳を回復するよう願ったからです。「私こそが生きている証拠」であると全世界に公開することで、否定し、否認し、歪曲し、逆に非難する加害者たちが、心から反省し、謝罪し、賠償することを望んだからです。植民地と戦争、帝国主義と軍国主義に深く根ざした性搾取の制度を問題視することで、今も蔓延している様々な性犯罪から女性たちが安全であることを希望したからです。
その最初の声を記憶し、一歩ずつ踏み出された被害者らの勇気と運動を継承しようと、2012年に開かれた第11回アジア連帯会議は、毎年8月14日を世界日本軍「慰安婦」被害者メモリアルデーに指定しました。
ついては、正義記憶連帯は、来たる8月12日の水曜集会を世界日本軍「慰安婦」被害者メモリアルデーを記念する世界連帯集会として取り組み、8月14日(金)には第8回世界日本軍「慰安婦」メモリアルデー文化祭を開催したいと思います。
その中で、戦場から帰ることのできなかった被害者、かろうじて帰ってきたものの、再び息を殺して生きねばならなかった被害者、堂々と被害経験を示した被害者の方々すべての生を記憶し、日本政府による犯罪事実の認定と法的責任の履行を、全世界の市民と共にいま一度促したいと思います。世代や性別、地域と人種、理念と国籍を越えて、私たちみんなが共に被害者たちの語りに応え、もっと大きく叫びながら、日本軍性奴隷制問題の正義なる解決に向けた活動を続けていくことを約束してくださるよう心から要請します。
「金学順たち」がつくり出した深い共鳴がより広い響きをもって広がり、小さな波動が大きな波長となって世界を揺さぶったように、あらゆる歳月の風波にも剥がれることなく曇りもしない物語を皆さんが一緒につくり、次の世代に引き継いでください。被害者の歴史に私たちの経験が、その上に私たちの子どもたち、またその子の子どもたちの物語が深く刻まれることを心から願っています。
2020年7月15日
正義記憶連帯 理事長 李娜栄(イ・ナヨン)