(尹美香氏裁判 第18回公判 2022年9月23日)尹美香議員 第18回公判...安城(アンソン)ヒーリングセンター関連の資料提出と証言があった
金アルムネ 2022. 9. 24.
社会福祉共同募金会の証人らが出廷...寄付当時の現代重工業の報道資料を証拠提出
ソウル西部地方法院 ⓒ 金アルムネ
ソウル西部地方法院刑事合議11部(部長判事 文ビョンチャン)は9月23日、安城ヒーリングセンターの購入と使用に関する証人2名が出席する中で、尹美香国会議員(ユン・ミヒャン 挺対協・前常任代表)に対する第18回公判を開いた。
社会福祉共同募金会を通じて現代重工業が挺対協に指定寄付した10億ウォンに関連して、挺対協・前常任代表だった尹美香議員らを業務上背任容疑で起訴した。検察は挺対協が日本軍性奴隷制の生存者たちが居住する目的で安城ヒーリングセンターを購入したが、生存者たちは居住せず、ソウル近郊に7億5千万ウォンでヒーリングセンターを購入した理由を検察は尋問した。
この日の公判では、安城ヒーリングセンターが開所当時から居住目的ではなく、日本軍「慰安婦」の健康管理や活動家たちとの交流、その他の空間活用計画があったという資料が提出された。また、社会福祉共同募金会を通じて挺対協へ指定寄付をした現代重工業と挺対協が、不動産購入の動きについて連絡疎通したという証言があった。
安城ヒーリングセンターは、現代重工業が社会福祉共同募金会を通じて挺対協に10億ウォンを指定寄付して計画が推進された。日本軍性奴隷被害者たちのための建物購入に限定されていた。
さる2020年5月の正義記憶連帯(正義連)論議に関連、ソウル麻浦シェルターの「ウリチプ」に被害者たちが居住したが、安城にも建物を購入したと報道された。検察は、購入額より安い価格で安城ヒーリングセンターを売却した点を業務上の背任として尹議員らを起訴した。
第18回公判で提出された2012年挺対協公文によれば、挺対協が社会福祉共同募金に提出した指定寄託事業配分申請書には住居ではなく、治癒プログラムなどのための自由な活動空間として活用する計画が明示されていた。
申請書には居住とシュイムト(安息所)の分離の必要性をあげ、ミョンソン教会から提供された住宅はシュイムト「ウリチプ」とすると明示されてあった。また「平和の家」は、シュイムトとして自由に活動できる空間、治癒プログラム、活動家親交などを通じて平和を築いて行く空間として使用すると記載された。
ヒーリングセンターの場所選定の担当者だった社会福祉共同募金会のAさんは、「単純な居住目的ではなく、居住と分離したものではないのか」という弁護人の質問に、「それがヒーリングセンターだ」と証言した。
証人のAさんは、挺対協からヒーリングセンターになる建物の写真を受取った時、「実務者として(建物が)適切だと思った」と述べた。
「挺対協が麻浦区近くでヒーリングセンターの建物を買収しようとしたが金額が10億ウォンより高く、困難だということをA証人に述べたことがあるか」という弁護人の質問に対し、A証人は「意思疎通をする中でそんな話を聞いた」と述べた。
7億5千万ウォンで安城ヒーリングセンターになる建物を購入した時も証人は、「不動産専門家ではないからインターネットで検索した。周辺の市勢価格と比較して著しく高くはなかった。建物が建てられた状態で、急売物件だった。ハルモニたちが高齢なので、ケアを受けて暮らせるよう望んだ」と付言した。
2012年当時、挺対協に10億ウォンを指定寄付した現代重工業は、自社HPに掲載した報道資料で、「(ヒーリングセンターは)ハルモニたちの治癒のための安息所と教育空間、未来世代のための歴史空間と世界性暴力被害者のための教育空間」と説明した。これによれば、構想設定と建物購入の状況を挺対協と現代重工業側がやり取りしたメールは、弁護人から証拠として提出された。
一方でAさんと検察は、挺対協が中間結果報告書を提出しないで、2015年9月9日に結果報告延期を連絡したとして挺対協側の報告延期を問題にした。しかし挺対協は、2014年7月24日、2015年6月30日に中間結果報告書を提出したとする公文を提出した。
この資料を見たAさんは検事に向かって、「検事は知らないのか、機関から送った(結果報告書)を募金会が受付できない場合があり、機関で(報告書作成後に)送ったと勘違いすることもある。良く分からない」と述べた。
加えて、ヒーリングセンターの建物購入が遅れるのを心配してAさんが挺対協へ「近郊地域」を提案したことについて、「よく憶えていない」と答えたが、「なぜことさら麻浦にこだわるのか、近郊にもあるのにと言ったようだ...実務者として仕事を進めようとして私がそう言ったようだ」と述べた。
弁護人が「近郊とはソウル以外の地域を含んだものか」と質問するとAさんは、「そうだ」と答えた。
Aさんは、「指定寄付でインテリアや漏水修理もするが、不動産支援は珍しい。私は初めてなので神経を尖らせた」と付け加えた。
「安城ヒーリングセンターの建物の持主は9億ウォンを7億5千万ウォンで売却」
午後に法廷は、安城ヒーリングセンターの建物を建築して挺対協へ売却したBさんが証言台に立った。
Bさんは、「田園住宅を建てる人」と自らを紹介した後、「老後に家族と暮らそうと考えて建てた」と言い、最高級の資材を使って7億7千万ウォンかけて家を建てたと述べた。
Bさんは2013年当時、挺対協が現代重工業の10億ウォン指定寄付金で購入するヒーリングセンターを探していると知人から聞き、「管理が大変で、当時、「慰安婦」ハルモニのニュースが沢山あった。会社として宣伝にもなると考えて売却することにした」と証言した。Bさんは当初の計画より田園住宅に住む時期が遅れ、一人で週に2~3回訪れて管理したと言った。
Bさんは、最高級の資材で建てたので売却する時に「9億ウォン」を提示したが、挺対協側が価格を下げるよう要望した。(挺対協が)良い活動をしていると思い、建築資材費程度の7億5千万ウォンで金額を決めたと強調した。
Bさんは、『挺対協関係者とは面識がない。家の下見でワゴンに乗って何人か来た。このことがあってから私は「被害者」になった。家を売ったと言われて』と無念さを訴えた。
Bさんは挺対協が7億5千万ウォンで購入したヒーリングセンターを2020年4月末頃に4億2千万ウォンで売却したことについて、「後で知って、なぜそんなに安く売ったのかと思った。勿体ないことをしたと思った」と証言した。
この日、安城ヒーリングセンターを未申告宿泊業所と見なした検察と相反する主張をする証人も立った。
地域市民団体非常勤のCさんは、「ワークショップの場所として何回かヒーリングセンターを借りたが、宿泊所とは思わなかった」と証言した。
Cさんは、「挺対協関連や連帯団体にヒーリングセンターの場所として貸すことは知っていた」と強調し、「平穏な場所で時間に追われないで低廉価格で利用できる場所だと考えた。普通、ペンションなら、15人が泊まったら15万ウォンほどになる」と述べた。
Cさんは、「一般の人でもヒーリングセンターを使用できると思うか」という弁護人の質問に、「いいや。挺対協、正義連などの会員や関連団体にだけ貸すものと思っている」と述べた。
検察はCさんに、安城ヒーリングセンターを一般人も利用できたという主張のため、ブログ掲示板を提出した。裁判部も「証人はワークショップのために団体形態でヒーリングセンターを利用したが、個人も利用できると思うか」と質問した。
Cさんは、『ペンションだと考えたことはない。「個人的に借りれるか」と尋ねたこともない』と答えた。
次回第19回公判は10月7日に開かれる。
(PS)この記事は法律ドットコムにも掲載される。
(訳 権龍夫)