〈正義連〉第1562回 日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ 週間報告
一昨日の9月19日(現地時間)、米国フィラデルフィア平和少女像公園設置のための最後の公聴会が開かれた。自由と平等、独立の象徴であり、首都だった同地に平和の少女像を建て、周辺一帯を公園に造成する胸ふくらむ計画だ。過去数年間、現地の韓人たちと平和・人権・反差別の少数者団体と芸術家たちが連帯して進めてきた難しい手続きが遂に最終局面に入った。
10月12日最終投票を前にしたこの日の公聴会には、驚くことに韓米日の極右・歴史否定勢力が総結集した。米国グランデール少女像に覆いを被せ、ヘイト発言を繰返してきた「テキサス親父」こと米国系極右ユーチューバーのトニー・マラノ、ドイツ・ベルリン少女像前で撤去要求デモをした韓国の李ウヨン、日系米人の吉田ケンジたちだ。
呆れたことに韓国市民団体の仮面をつけたこの日本団体と一緒に、少女像を韓日間葛藤の象徴に捏造し、設置反対の詭弁を並べ立てている。世論を揺るがす彼らの妨害で、危うく最終投票が延期される可能性もあったという。
余りにも惨澹としている。
しかし陰謀と攻撃、憎悪とヘイトは連帯と愛の力に勝てない。
長い間、平和人権運動を展開してきた海外韓人たちとフィラデルフィア少女像公園推進委員会の朱シンジュ委員長を始めとする地域住民たちは、植民地、帝国主義、戦争と搾取、人種差別と性暴力で汚された歴史を記憶し、現在も地球村の各処で発生している残酷な人権蹂躙行為を終息させようとする市民たちの心情が平和の少女像公園計画の理念であることを訴えて来た。
少女像は、韓日間の問題に限定されるのではなく、戦争犯罪とヘイト犯罪、差別と暴力の被害者たちが勇気で沈黙を破り、世界を変えた歴史を記憶することであり、今この瞬間にも苦痛を受けている性暴力被害者たちのために人種と国境を超越した祈りであり、米国の問題、世界の問題を市民の力で克服しようという連帯の発露であることを強調した。
特にサンフランシスコ社会正義教育財団の孫ソンスク代表とベルリン・コリア協議会の韓静和(ハン・ジョンファ)代表は、社会や歴史に対する直視がより良い未来へ向かう基本であり、平和と人権の第一歩であることを力説した。
国内外の市民たちがより良い社会のための闘争に身を捧げる間、韓国のメディアは沈黙し、韓国政府は無視している。
加害国による植民地・戦争犯罪の認定と心からの謝罪を望んだ被害生存者たちの希望、二度と過ちが繰り返されることのない、戦争がない平和な世界に未来世代が生きることを望んだその願いは、継続して踏みにじられ、ウソの「和解」と「未来」という美名で「葛藤」と「過去」に束縛された。加害国が被害国に解決策を差出せと脅しつける惨澹とした状況の中で、韓国政府は東奔西走して加害国が望む解決策を模索し、会見を乞う屈辱外交・自害外交を行っている。一方的に韓日首脳会談を公表し、「決定していない」、「不快だ」という日本総理の反応がメディアを覆う大惨事まで起きた。甚だしくは歴史の時計を逆に回した安倍晋三前総理に対する批判的評価どころか、自国野党も反対する国葬に参席しようとする。どうしてこんなことが大韓民国独立77周年に起きるのか。
私たちは過去の歳月、無数の困難と苦痛を克服して世界を変化させてきた被害生存者たちを記憶しながら、再度心を引き締めようと思う。
根を引き抜かれてもまたタネを蒔き、踏みつけられてもまた立ちあがった先達のように、次の世代、またその次の世代が忘れないで引き継いで行く、そしてついに人種や性別、国籍や階層を超えてすべての人たちが平等で平和な世界に生きることを夢見ながら、記憶のタネを蒔いて連帯の根を守り広げていくことだ。その道に沢山の市民が手を繋いで参加してくれると信じる。
2022年9月21日
正義記憶連帯 理事長 李娜榮(イ・ナヨン)
(訳 権龍夫)