〈正義連〉第1560回 日本軍性奴隷制問題解決のための水曜デモ 週間報告
「強制徴用」民官協議会は第4回を最後に終わりを告げた。「韓日関係改善」という美名のもとで強気で出発した民官協議会は、「代位返済」、「基金創設」、「財団設立」などの案が登場し、大法院に決定延期を要請する意見書まで提出した韓国外交部に反発した被害者側の不参加で事実上の成果なく結論を見た。
なのに韓国政府は、「この間に出された意見を総合的に反映した政府案」を早晩出すという。加害者の謝罪を切実に望む被害者たちの願いを無視し、「歴史問題解決のなくして関係改善はない」とする日本政府の立場だけを考慮した案が出されるのではないかと実に憂慮される。
日本軍「慰安婦」問題は、水面下で作業が進んでいるようだ。「2015韓日合意精神の順守」という韓日両政府共通の認識を公式化したまま、和解治癒財団解散に伴う残預金を日本に返還するため、両性平等基金に預け置かれた資金の活用方案が密かに論議されていると言う。実に嘆かわしい。
私たち皆が知っている通り、「2015韓日合意」は戦争犯罪に対する責任認定、誠意ある謝罪と法的賠償、このどれも包括されていない一方的で政治的な合意だった。非公開を前提にして「被害者関連団体の説得、第3国記念碑問題の解決、性奴隷の用語の使用自制」などの密約まで盛られた屈辱的な合意だった。歴史否定と歪曲へのアリバイ提供、居直り強盗的な抗弁の口実提供、国内外極右の歴史否定勢力が勢いづく足場提供など、その否定的な余波がとても言葉にできないほど深刻だ。それに対する徹底した反省どころか再度「2015韓日合意」とは、一体全体、尹錫悦政権はどこの国の政府なのか。「2015韓日合意」と決別できない根本的な理由は何なのか。
韓国政府に要求する。
強制動員、日本軍性奴隷制問題解決のために日本政府と積極的に交渉し、屈辱的で自虐的な姿勢ではなく堂々とした主権国家として、国際人権史を切り拓いてきた勇気ある被害者たちの代弁人の役割に忠実であれ。
関東大震災時の朝鮮人大虐殺などの無残な死を迎えた数多くの英霊たちの恨を慰め、真相究明と被害者の名誉回復に積極的に乗出せ。
これまで自らが果たさなかった責任を痛烈に反省し、体系的な歴史教育と正しい歴史認識の確立のために努力せよ。反目と葛藤ではなく、包容と統合のための道の先頭に立て。
日本政府に要求する。
韓半島不法強占、戦争犯罪、労働搾取、性搾取などの取り返しのつかない過去の犯罪事実を具体的に認定し反省せよ。
覆せない明確で公式的な方法で被害者たちに謝罪し法的賠償を行なえ。
無責任な否認と狡猾な歪曲の政治を中断し、軍国主義の歴史と断絶し、平和な東北アジアの秩序構築に積極的に乗出せ。
今週末に正義記憶連帯は「平和の少女像」を建てたドイツ・カッセル大学学生会に国内2,607名の後援者・団体名、ドイツ現地の後援者・団体名が刻まれた銘碑を手渡す予定だ。日本政府の妨害のために倉庫に入っていたドレスデン博物館の少女像をヴォルフスブルク現代美術館に展示する予定もある。2020年3月、ライン・マイン韓人教会に建てられた少女像の存在も再確認し、ドイツ現地の市民たちと連帯を強化して来るだろう。消そうとするほど広がり、無くそうとするほどハッキリと全世界に刻印される市民精神が何なのか?歴史否定勢力と日本政府に明確に示そうと思う。
今後も正義連は平和と人権の道を拓くために努力してきた正義の市民たちと共に継続邁進する。この道を共にする数多くの方たちに心からの感謝をささげる。
2022年9月7日
正義記憶連帯 理事長 李娜榮(イ・ナヨン)
(訳 権龍夫)