ナヌムの家より矢嶋です。


この間いろいろありまして時間取れず皆さんにナヌムの家の 現状をお伝え出来ませんでした。ご理解ください。



7月に京畿道民官合同調査がナヌムの家で17日間にわたって行われ、8月11日に中間報告が出ました。8月21日には曹渓宗ナヌムの家法人理事会が全国紙に“合同調査内容は歪曲されたものであり到底受け入れることはできない” と広告記事をだし立場表明しました。それを受けて合同調査団は8月25日記者会見を開きナヌムの家理事会の立場表明表明に対する反論を行いました(https://www.blogger.com/blog/post/edit/2764561161553349021/56745376308060684)。

本来8月中には最終報告に基づき京畿道による公式発表がされるであろうと予想されていましたが、9月に入ったいまも最終発表はまだ出されず私たちも待っている状況です。


●今も続く理事会等による嫌がらせ~「”慰安婦”ハルモニがいらっしゃるナヌムの家に日本人スタッフとはどういうこと」と外壁にバナー ~


この間にも理事会および運営陣による私たちへの嫌がらせは続いています。




8月21日午前、日本軍「慰安婦」歴史館の外壁に突如 “慰安婦被害ハルモニたちのいらっしゃるナヌムの家に日本人スタッフとはどういうこと?”と書かれたバナーが打ち付けられました。このバナーを見ますと“ナヌムの家運営正常化のために推進委員会”と書かれています。添付した写真を参照してください。




“慰安婦被害ハルモニたちのいらっしゃるナヌムの家に日本人スタッフとはどういうこと?”と書かれたバナー






ちなみにこの推進委員会は8月18日付けで理事会承認のもと発足したそうです。ちなみにこれ以前にナヌムの家理事会の全理事は調査団により 職務停止処分がに処されており、推進員会を承認すること自体違反行為であり推進員会の正当性も欠けているのですが・・・。



ここでいう日本人スタッフとは私を指しています。現在ナヌムの家には日本国籍を持つスタッフは私しかおりませんので。


●遺族を巻き込んで続く嫌がらせ ー暴力に警察も出動ー

推進委員会とは一体どういう人物で構成されているのか、私たちが現時点で把握しているところでは、ハルモニの家族1名、ハルモニたちの遺族2名、介護士の連れ合いである元村長1名、ほか身元不明人物3名の計7名が少なくとも理事会・運営陣よる承認およびバクアップのもと活動しているようです。



この中で特に問題と思われるのは遺族2名と元村長です。


なかでもこの遺族のうち一人は今年7月上旬別の遺族と共にナヌムの家に突如やってきて、スタッフらが暮らすゲストハウスで生活を始めました。新所長による説明は「今後遺族が追悼公園を管理することになったので住んでもらうことにした」というものでした。


ちなみにナヌムの家に追悼公園ができてからこれまで管理等は事務所のスタッフたちが行ってきました。ところがこの遺族たちは入居するや否や私と当時ここにいたインターン学生に対し「さっさと出ていけ、このxxxxxxx!!!」などの暴言を吐き、顔を合わせるたびに攻撃的態度を続けていました。
7月3日には私ともう一人別の内部告発スタッフに対し暴言・暴行を加え最終的には警察が出動する事態となったのです。



ちょうどこの直後にスタートした民官合同調査団のメンバーたちもこの遺族の暴力ぶりをみずから目撃・体験した結果、即広州市のほうへ連絡し「コロナの関係で外部者がナヌムの家に入居し生活するのは認められない」という公文書を市が運営陣に出したことで、この遺族2名は7月中旬ナヌムの家から退去させられました。



しかしその後もこの遺族らはナヌムの家にやって来るたびに私を攻撃対象にした暴言・暴行等を繰り返す状況は続いていました。
結果8月21日の横断幕を打ち付けるという行為へとつながっていったのです。



この遺族らは旧・新運営陣により「ハルモニ亡き後遺族の皆さんを優先的にお世話したいのだが、内部告発者たちによってそれが実現できないかもしれない」という話で焚きつけられた部分もあるようです。また「寄付金は今後自分たち遺族が管理するのが筋だ」と主張しています。寄付金はハルモニ達のためにと多くの人たちが送ってくれたものであり、なによりもハルモニ達が現在もナヌムの家で暮らしているのも関わらず、自己利益のための主張をしています。



話はバナーに戻りますが、内容が差別的であることと、人権と平和のために活動してきたハルモニたちの30年にも及ぶ努力を考慮せずそれを全否定するような内容であることを受けて、運営陣に対し適切な措置をとることを公文を通して要求しました。また同時に京畿道人権センターにも事態を報告、国家人権委員会にも陳情を出し昨日受理されたと連絡が来たところです。


●一人プロテストを実行

今回バナーを打ち付けた推進委員会の第2回ミーティングが今週月曜日に開かれたのですが、午前中はその現場へ駆けつけ私は一人プロテストを行いました。また同日午後には推進委員会の遺族らが同席する運営陣の事務所の前でも一人プロテストを行いました。このときも遺族たちが私に対し罵声を浴びせても運営陣はそれを止めようともせず放置した状態でした。



運営陣は昨日付けで「矢嶋宰は一人プロテストで運営陣の業務を妨害した」として私に対し始末書を出すよう要求してきましたが、それは無視するだけです。


韓国では2010年に大法院(最高裁)で始末書自体の不当性を認める判決が出されています。運営陣は他にやることがないのかと思うしかないようなことですが、今日にいたっては運営陣は「矢嶋宰は野外用靴を持ったままハルモニの部屋に入りソファーに座った。今後そういうことは無いように」ということを求める要求書を私に対して出してきました。靴を室内で履いていたのではなく手に持っていただけなのですが・・・。


私が推進員会とそれを全面的にバックアップし行動を共にする運営陣に対し積極的に抗議行動をとっているのを受け、少しでも出鼻をくじいてやろうという意図のもとこうした行動に出ていると見ています。



●内部告発者に対してステップ訴訟を起こす動きも
~今後もあらゆる手段を使って嫌がらせをしかけてくる~

他にも運営陣は内部告発をしたスタッフの一人であるキム・テウォル学芸室長を被告としてスラップ訴訟としか言いようのない4件の訴訟を起こすなどの動きも見せています。侮辱罪、セクハラ、名誉棄損等の被害を受けたとして運営陣側が彼を訴えているものなのですが、キム・テウォルさんは内部告発したスタッフの中心的メンバーなので、こちら側の力を少しでも削ぐという意図のもと集中的に訴えを起こしているのは明白です。


私たちの弁護士によると告訴内容を検討しても彼の件は捜査対象にならないだろうし裁判所でも受け付けないだろうとのことですのでそうなることを私たちも望んでいますが、運営陣は今後もあらゆる手段を使って嫌がらせを仕掛けてくると思われます。



●旧運営人の指示により看護費用を水増し請求したことを看護師さん一人に責任をなすりつける

もう一つ深刻な問題として、ハルモニ達の看護費用に関して女性家族部から支援を受ける際、旧運営陣が看護士さんに書類内容を偽造させてより多くの支援を受けるよう指示していたことも内部告発を通して明らかになりました。にもかかわらず現在捜査対象になっている旧運営陣(前所長と前事務局長)は自ら指示したことを認めず看護師さん一人でしたことだと主張し、責任を彼女になすりつけようとしていることも皆さんにお伝えしたいと思います。


●幸いハルモニたちは元気だが看護師たちがハルモニを懐柔。
~ハルモニたちに被害、悪影響が及んでいないか気をつけながら~


さて、ハルモニ達の様子ですが雨季・台風が過ぎ去るとともにこちらは秋模様となり、季節的には過ごしやすくなりました。といってもコロナへの警戒もあり外出等はできてもドライブぐらいなもので、ナヌムの家にいながらいかに楽しく過ごしてもらうことができるか、という点にはいつも頭を悩ませています。こうした状況の中でもハルモニ達はとりあえず元気でいてくれているのは、こちらの気持ちも少しは安らぎます。内部告発をしてからことあるごとハルモニたちに被害が、悪影響が及んでいないか気を付けながらこちらも物事を進めるようにしていますが、介護士たちが運営陣側についておりハルモニたちを懐柔しようとする状況も6月以後頻繁に続いており、しんどい状況でもあります。



内部告発をしてからはや4か月になりますが、ナヌムの家の状況が改善されているとは決して言えません。新運営陣は理事会のミッションを受けてそれを遂行するためナヌムの家にやってきた人たちなので、ハルモニたち亡き後のホテル式有料高齢者用施設を作るという曹渓宗の福祉ビジネス目的のためには何でもやるという姿勢を見せ続けています。



京畿道民間合同調査を受けた道の最終発表が出た後、これまで以上に日本で活動される皆さんの協力・支援が必要になるのではないかと思われますが、その時はどうぞよろしくお願いいたします。