今日は第1459回目の水曜集会記者会見の日であり、秋夕(チュソク)の連休が始まる初日です。今日も変わりなく水曜集会に参加してくださった皆さん、ありがとうございます。誰も疎外されることなく、共に幸せなに過ごせる秋夕となるよう願って、中秋のご挨拶とさせていただきます。 



週間報告をさせていただきます。正義連がお伝えしているニュースや報道などからすでにご存知かと思いますが、昨日、ドイツのベルリンに「平和の少女像」が建てられました。正義連はこれまで、日本軍「慰安婦」問題は、戦時性暴力の戦争犯罪であり、女性の人権問題であることを世界に知らしめるため、海外における平和碑の建立を積極的に支援し連帯してきました。そして、ベルリンにおける今回の平和の少女像の設立過程にも共にしてきました。 



ドイツ国内では3番目ですが、ヨーロッパの繁華街の公共敷地内への建立としては初めてにあたり、その意味がより大きく感じられます。平和の少女像のベルリン建立に至るまでの、ドイツコリア協議会のハン・ジョンファ代表をはじめとする同胞社会の皆さんのご苦労と努力に感謝いたします。また、日本軍「慰安婦」問題の解決努力は、戦時性暴力に対抗する女性人権・平和の問題であるという認識に共感してくださったドイツ社会の皆さんにも感謝の意を表します。



メディアも報じている通り、ドイツで初めて高校の歴史教科書に「慰安婦」の歴史を紹介したダニエル・シューマッハ博士は、ドイツの首都に「平和の少女像」が建てられた意味について、「ドイツの市民が、過去の歴史に向き合う際に見過ごしてきた二つのテーマに気づかせてくれる」「ドイツは帝国主義の犯罪と女性への性暴力については疎かにしてきた面があるが、その象徴としての少女像の建設によって、関連テーマに関する言説が始まることを希望する」と述べました。



また、イスラム国(IS)によって拉致され、野蛮な性暴力を被ったイラク・トルコの少数民族ヤジディ族の人権運動家ヌジアン・グィナイさんも、ベルリンの平和の少女像の建立について、「2014年以来、数千名のヤジディ族の少女や女性も、ISによって組織的に拉致され、強かんされ、甚だしくは性奴隷市場での売買のために展示されることもあった。いまだに数千名におよぶ 女性がその生死すら確認されていない」とし、「女性への暴力と人種主義が、悪性腫瘍が広がるかのような世界的現象となりつつある現状下で、女性のネットワークと連帯こそが解決策であろうし、被害者にとってはこうした国際的連帯が希望を意味することになる」と述べました。



このように世界各地に建設されつつある平和の碑は、建てられる過程からその後までが、国際社会や世界市民に向けた日本軍「慰安婦」問題の記憶の記録であり、正義の解決に向けた実践であり、歴史をただし人権と平和の価値を拡大させる国際的連帯の求心となっています。



日本政府の妨害によって、フィリピンに建てられていた四つの平和碑のうち二つが撤去されています。ドイツに初めて建てられた少女像は、日本国総領事の圧力を受けて碑文が削除されてしまったことで、碑文のない少女像として残されています。そして昨日も、加藤勝信官房長官が、今回、ベルリンに平和の少女像が建てられたことについて「極めて遺憾」とし、「日本政府は様々な関係者と接触し、日本の従来の立場を説明するなど、引き続き少女像の撤去に向けて努力する」と述べたと伝えられています。



しかし正義連は、世界の市民とともに、日本のこのような歴史否定に歯止めをかけるべく、諦めることなく、引き続き頑張って世界の市民と手を取り合って連帯し、実践していきます。 

日本はこのような厚顔無恥な行動を直ちに中断し、犯罪を認め、公式謝罪と法的賠償を果たさなければなりません。


もう一つお知らせがあります。

コロナ禍の状況が好転・悪化をくり返す中、「戦争と女性人権博物館」もやむを得ず休館となっていましたが、この間の状況改善を受け、10月8日から再オープンいたします。実は、日本軍性奴隷問題解決運動の中で主導的役割を果たしてきた挺対協・正義連の歩みは、今年30周年を迎えています。そこで、10月8日の博物館再オープンと同時に、30年の運動の歴史をふり返る展示を始めます。「路上での30年、結局は希望だった」というタイトルの下に、「長い旅路、その第一歩を踏み出す」「時代とともに行動する」「希望をいだいて羽ばたく」といった構成でご覧いただけます。また、特別コーナーとして、2000年法廷20周年を記念して「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」に関する展示も行われる予定です。ぜひとも足を運んでくださり、周りにも紹介していただければ幸いです。

ありがとうございまし。


2020年9月30日

正義記憶連帯 事務総長 韓京姫(ハン・ギョンヒ)


(訳:正義連)