正義連は、この一週間も、メディアの歪曲報道に対応しながら、日本軍「慰安婦」問題の解決に向けた活動を変わりなく続けてきました。


 

先週、挺対協による国税庁への再公示に関連して、再び<朝鮮日報>の無責任な報道がありました。正義連は立場文を発表して、「 国税庁の公示の書式は、非営利団体で適用されてきた会計基準及び内部決算方法と異なることから、国税庁の公示資料を作成する際に一部間違いや漏れが生じ、このことについてお詫びしてきました。しかしながら、国税庁の公示に再公示された金額は、決算資料の中には漏れなく反映されていたものであって、会計上の金額として漏れがあったものではないという点もまた、一貫して解明してきました」と明らかにしました。挺対協は正義連とはちがって、単式簿記の会計だったため、基金の特別会計が別途ありました。一般会計のみ公示していたものを、今回の再公示には特別会計もすべて含めたものを指して、「なかった金が突然…」云々と、ダメ元で突くかのように疑惑報道に明け暮れる<朝鮮日報>の振る舞いは、実に嘆かわしいものです。



すでに何度も述べてきたように、正義連は、7月に一部のメディアによる歪曲・虚偽の報道を言論仲裁委員会に提訴し、11件の報道に対する訂正報道と記事削除などの判決を受けています。

昨日は、「朝鮮」(<TV朝鮮> <朝鮮日報>)と「東亜」(<チャンネルA> <新東亜>)を相手取り、ソウル中央地方法院に1億ウォンの名誉毀損裁判を提訴しました。

正義連は、国内の報道機関には、事実関係を確認する義務および報道対象者の名誉を毀損してはいけない義務があることを改めて強調するものであり、正義連の名誉回復と責任あるメディア報道のために最後まで努力して行きます。



加えて、言論仲裁委員会の判決ですでに虚偽・歪曲報道であることが明らかになった、「正義連の3,300万の飲み代」報道や「アーミーからのパディングがハルモニたちに渡されなかった」などの虚偽報道を引用している各種カフェやブログの掲載に対しても、削除要求を続けていることをお伝えします。



こういったすべてが、日本軍性奴隷制問題を解決するための活動を、より力強く取り組んでいけるようにするための過程だと思っています。


そして、この一週間もまた、日本軍「慰安婦」問題にかかわる被害者支援、調査研究、広報、連帯活動などに取り組みました。


特に、9月8日に正義連のホームページやSNSを通して、自主制作した英文資料集「日本軍性奴隷制問題の正義の解決のためのA to Z」を公開しました。

200ページ以上の分量で、日本軍性奴隷制問題にかかわる 様々な象徴的な質問に答えており、2015年の日韓合意以後の運動まで紹介されています。案内されているリンク をクリックすれば、誰でもダウンロードして見ることができます。海外の研究者、メディア、世界の市民に、この問題をきちんと知ってもらう上で有効に使えるだろうと思います。(http://womenandwar.net/kr/a-to-z-guide-for-just-resolution-of-the-japanese-military-sexual-slavery-issue-2020/ )


来週末の9月19日に開催予定の国際シンポジウム<連れ去られ、帰れなかった人たち、まだ終わらない戦争>についても簡単にご紹介いたします。


沖縄は19世紀後半に日本帝国に占領され、日本本土と米国を守るための軍事基地とされました。1945年4月に太平洋戦争が終わりに突き進んでいたとき、日本帝国は、日本本土と天皇制を守ろうと沖縄を捨て石として利用しました。戦争が終わっても、沖縄には集団死のトラウマと爆撃で飛ばされた山、そして米軍の占領という現実が残りました。1970年代に沖縄は返還されましたが、沖縄への二重・三重の抑圧、植民地支配構造は依然として続いています。 最近、韓国社会では、沖縄におられた元「慰安婦」ペ・ボンギさんが再照明されています。しかし、沖縄の数多くの「ペ・ボンギ」が置かれていた状況に十分な学術的議論が行われてきたとは言い難いです。そこで、今回のシンポジウムは、1945年以前にあった朝鮮人強制徴用と朝鮮人に対する差別、沖縄戦で繰り広げられた惨状をはじめ、解放後も続き、折り重なっていた様々な矛盾を理解するために企画しました。ホームページの案内もご覧の上、ぜひともご参加ください。(参加申し込み→http://bit.ly/0919sympo)


正義連はこれからも皆さんと共に取り組むべきこと、進むべき道を探して、ためらうことなく進みたいと思います。ありがとうございます。


2020年9月9日

正義記憶連帯 事務総長 韓京姫(ハン・ギョンヒ)


(訳:正義連正義連)