78ヶ月に及んだ安倍政権が終わり、菅義偉氏が新しい自民党総裁に就きました。安倍氏ほどの歴史修正主義者でないとはいえ、自ら「安倍首相の政策を継承することが使命」と自任する人物です。1965年には韓日請求権協定が韓日関係の基本だとし、安倍政権の基調をくり返すとの立場も表明しました。新内閣を構成する人物の面々にも、安倍首相の影が色濃くかかっています。

 

正義連は改めて確認します。


 

日本軍「慰安婦」問題は、女性の尊厳と名誉を根本的に侵害した反人道的な犯罪です。1990年に挺対協が示したように、犯罪事実の明確な認定、心からの謝罪、相応の賠償、持続的な真相究明、未来世代のための充実した歴史教育、心のこもった追悼、犯罪者の処罰が行われてこそ、しっかりした解決が可能になります。このことはこれまで30年間、全世界の市民たちによって、各国議会の決議によって、国際機関が確立した規範によって、確認されてきた原則です。

 



2015年の韓日政府間合意」は、以上のような日本軍「慰安婦」問題解決の原則に真っ向から反するものです。問題の本質に反する誤った合意を掲げ、「金を与えたから、これ以上口にもするな」といった態度は、被害者たちにはもちろん、全世界の市民に対する冒涜です。

 



日本軍「慰安婦」問題のみならず、植民地支配の責任と強制動員、さまざまな戦争犯罪に心から向き合ってこそ、韓日間の真の平和と相生の道が開かれることでしょう。日本の菅政権が問題解決に一歩でも近づく姿を見せることを、強く求めます。韓国政府もまた、新しい日本政府との対話の扉を慎重に開きつつも、心許ない妥協を進めないことを期待します。大韓民国の検察とメディアは、ポスト安倍時代という重大な分かれ道にあって、反歴史的な行為か否かの見分けもつかない千鳥足で歴史の足かせとなることがないよう願います。

 



これまで30年間、歴史修正主義者、植民地主義者、反平和・反人権・反女性・ヘイト勢力と、最前線で闘ってきた正義連は、慎重ながらも堂々とした姿勢で小さな希望の種火を育て続けます。未来志向の韓日関係を構築する新たなページをひらくため、市民の皆さまが共に歩んでくださることを信じています。

 

2020916

正義記憶連 理事長 李娜栄(イ・ナヨン)


(訳:正義連)