2023-09-14 



普遍的人権の価値を実現するための国連人権理事会で、またしても日本軍性奴隷制被害者と強制動員被害者の人権を踏みにじる尹錫悦政権を強く非難する。

 



ファビアン・サルヴィオール(Fabián Salviol)国連真実、正義、賠償および再発防止促進に関する特別報告者(Special Rapporteur on the promotion of truth, justice, reparation and guarantees of non-recurrence, 以下「真実正義特報」)913(ジュネーブ現地時間)、第54回人権理事会で大韓民国訪問調査報告書を公式発表した。

 


サルヴィール真実正義特報は報告書を通じて、韓国政府の歴史問題に対する不十分な対応に懸念を表明し、韓国政府及び人権侵害関連国に30件の勧告事項を発表し、高齢の被害者たちの人権回復のための歴史問題清算が喫緊の課題であるとを強調した。

 



特に日本軍性奴隷制の生存被害者が国際基準に基づいて真実、正義、納得を含む賠償と再発防止を保障されるよう、「2015日韓合意」を改定するよう勧告した。

 



サルヴィール真実正義特報の発表後、韓国政府の尹ソンドク駐ジュネーブ韓国代表部大使は、真実正義特別報告者の勧告にもかかわらず、「2015日韓合意」を「両国間の公式合意として認識」し、「被害者の名誉と尊厳を回復し、心理的な傷を癒すために努力している」と強弁した。

 



私たちは、日本政府の法的責任の認定と公式謝罪、賠償を一貫して要求してきた被害者の意見を全く反映せず、国際人権基準にも合致せず、すでに破綻宣告を受けた「2015日韓合意」を再び復活させようとする韓国政府の反歴史的・反人権的な態度を強く非難する。

 



また韓国政府は、サルヴィール真実正義特別報告書に対する公式回答報告書でさる57日、岸田首相が日韓首脳会談で個人的な立場として発表した「心が痛む」という発言を、強制動員問題に対する日本政府の公式謝罪の項目で言及した。

 



当時、日本政府は岸田首相の発言が日本政府の公式謝罪ではなく、岸田首相の個人的な立場であると明らかにしたことがある。ところが韓国政府は、国連に提出した公式報告書でこれを日本政府の公式謝罪として認定したのだ。加害者は謝罪しなかったのに、被害者は謝罪を受けたというとんでもない状況が再現されたのだ。

 



これは「2015日韓合意」を日本軍性奴隷制問題に対する「最終的かつ不可逆的な解決」と強弁してきた日本政府の立場を代弁するものであり、強制動員問題は「第3者弁済」で終わったと勘違いする尹錫悦政権の対日屈辱外交をそのまま反映したもう一つの「外交的惨事」である。

 



私たちは、普遍的人権の価値を実現するための国連人権理事会の現場で、日本軍性奴隷制被害者と強制動員被害者の人権と尊厳を再び踏みにじり、歴史の時計を逆戻りさせる尹錫悦政権を強く非難し、被害者の人権回復と歴史正義の実現のために国際社会に訴え続け、私たちと志を同じくする世界市民と固く連帯していく。

 


 

2023914日、ジュネーブにて


    日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯、民族問題研究所



                          (訳 権龍夫)