〈ドイツ・ベルリン〉　尹美香議員への制裁を止めてくださいますようにお願いいたします（コリア協議会日本軍「慰安婦」行動）

2022-01-23

韓静和さん（コリア協議会日本軍「慰安婦」行動･代表理事）

大韓民国国会議員と市民みなさま

韓国国会倫理審査諮問委員会が尹美香議員を韓国挺身隊問題対策協議会（挺対協）に「損害を及ぼした」という理由で除名を要求したという内容に大変驚き、緊急に私たちの立場を表明するものです。尹議員の除名はむしろ挺対協/正義連の未来に害を及ぼすことになり、、特にドイツ・ベルリン少女像を守るうえで被害を及ぼす危険があります。

ドイツ、コリア協議会は去る30年間挺対協/正義連とドイツ現地の多様な在独韓国人、日本の女性団体、ドイツの様々な女性人権団体および教会団体と連帯しながら日本軍「慰安婦」問題を国際社会に知らせてきました。長い歳月にわたって挺対協/正義連は韓国のどの市民団体よりも尹美香代表をはじめとする前任の実務者らがすべてのことを献身的、専門的に推進し、今も変らず立派な活動を継続しています。

国内ではあまりに近い存在である尹美香前代表と挺対協/正義連であり、国際社会で輝く活動をしてきたことをよく知らずにいるのではと考えます。数多くの活動の中でも代表的な業績は2007年ヨーロッパ議会決議案締結です。ヨーロッパ議会決議案は会員国家27ヶ国の言語に翻訳されて、今でもEU国会ウェブサイトで即時に参考にすることができます。

ベルリン少女像が日本政府から攻撃を受けて撤去危機にあった当時、ミッテ区長との面談で最も大きな力になったのはヨーロッパ議会決議案でした。当時日本大使館の影響を受けたミッテ区長は碑文に日本を攻撃する性奴隷という概念を指摘しました。その時即時にヨーロッパ議会の決議案を見せて、性奴隷という概念は私たちがつくり出したのではなく、日本軍「慰安婦」を称する公式概念であることを明らかにしました。事実ヨーロッパ議会の性奴隷概念が4回も使用されているのをミッテ区長が直接確認して私どもを信じてくれました。

現在日本大使館が最も効果的に悪用するのは挺対協/正義連の否定的イメージです。 2021年ドレスデン民族博物館展示の際、サクセンジュ博物館総館長に挺対協/正義連を疑わしくてよくない団体であるかのように追いやりました。その時、この女性総館長も心が揺れたと言いました。ミッテ区の芸術委担当部所長も少女像設置延長申請当時、正義連に対する疑問を提起しました。その際、正義連がナビ基金を通じてコンゴ、ルワンダ、ベトナムなどで女性に対する戦時性暴力を終わらせようとする超国家的な活動を知らせたところ、その内容を写真と共に申請書に必ず添付するように言いました。尹美香議員がこのように数十年間にわたって成し遂げた正義連の肯定的なイメージは少女像設置1年延長に核心的な助けになりました。

現在日本大使館による少女像反対の動きは本当に深刻です。私どもの団体と関連があるドイツ全国の都市を事前に訪問し、少女像を建てられないよう妨害しており、ついには偽メールを韓国人の名前で送っています。自身は日本に居住し、日本が滅亡したら良いという内容で、少女像があたかも嫌日をたきつけるものに見えるようにしています。

尹美香議員がそれでも挺対協に被害を与えたという理由で制裁するのは日本政府に与えるあまりにも美味しい餌になるでしょう。ですが、実際は正義連に強大な被害を与えたのは韓国の特定言論がむやみやたらに送りだした正義連を謀略する偽りの記事ではないでしょうか。言論仲裁委員会を通じてこの事実が明らかにされたものと理解しています。

ドイツでは尹美香議員と正義連はひとつであり、韓国社会で最も苦難の中で暮らしてきた被害女性たちに声を付与した代名詞として知られています。

私たちにとって最も緊急な課題は日本政府と日本の歴史修正主義者および韓国の極右らに対抗することです。尹美香議員を除名した場合、海外では挺対協/正義連もともに問題のある団体として追いやられるでしょうし、ベルリン平和の少女像の永久設置についても被害が及ぶ危険があまりにも大きいです。尹美香議員への制裁を止めてくださるよう願います。

2022年1月 8日

コリア協議会日本軍「慰安婦」行動

代表理事　韓静和（ハン･ジョンファ）

（訳　方清子）

●尹美香議員の除名決議反対声明