http://m.pn.or.kr/news/articleView.html?idxno=18115より翻訳
(金昌禄教授のスピーチ全文あり)

第2回大邱水曜集会「保守進歩なしに乱闘疑惑・攻撃惨憺…女性人権平和30年運動の結実が切実」
市民30人余りの少女像の横で日本を糾弾するピケ「集会の方向と目的を毀損したマスコミには法的検討」

金昌禄(59 日本軍”慰安婦”研究会元会長)慶北大学法学専門大学院教授が大邱の水曜集会で李容洙さん、尹美香さん(共に民主党比例代表)、正義記憶連帯をめぐるメディアと政界の言動を批判した。
「水曜集会を守る大邱市民ロウソク会」は3日午後7時、大邱市中区2.28記念中央公園前の平和の少女像の横で2回目の「平和の少女像を守る大邱水曜ロウソク集会」を開催した。 市民30人余りが参加し、ピケを持ってスローガンを叫びながら「日本政府の慰安婦問題に対する公式謝罪と賠償」などを要求した。
金教授は同日、水曜集会で最初の発言を行った。 彼は「慰安婦」問題解決に向けて長い間、活動した研究者で2016年、韓国国内外教授56人で発足した日本軍「慰安婦」研究会の初代会長を務めた。
金教授はまずマスコミに対し「保守も進歩も関係なく事実確認もせず発言の一部だけを抜粋して争いを引き起こすことに沒頭し、中途半端な小説を書くために必要なコメントを取ることに汲々としていることが情けない」とし「自分が理解できないからと『不正、不正』と連呼するマスコミもあった」と批判した。 また、「知らずに勘違いしているとしたら怠けているということ、知りながらも攻撃する意図だったなら、邪悪なもの」とし、「”慰安婦”問題の本質とは何か、解決に向けた努力を30年間どのようにしてきたのか、少しでも理解して記事と社説を書いてもらいたい」と話した。
政界に対しては「未来統合党が見せた姿もまた惨憺たるものだった」とし「タスクフォース(TF)を設置して無作為に疑惑を噴出させた」と指摘した。 特に「(未来)統合党は<慰安婦ハルモニ被害真相究明タスクフォース>という名前をつけたが、統合党とその前身政党が日本の加害について今回のように一生懸命に真相究明したという話は聞いたことがない」と皮肉った。 「そんな政党が30年間活動してきた活動家と市民団体を明確な証拠もなしに、加害者として前提して真相究明すると乗り出したのは逆立ちした、ひっくり返った状況」とし、「本当に統合党が慰安婦問題の解決を望むなら、日本の責任を問う活動に参加してほしい」と要求した。
知識人と市民団体については「”慰安婦”問題を十分に知らないのに、<あーしろ、こうしろ>と言う知識人たちや、出し抜けに悪罵を浴びせかけて告発を乱発した市民団体もあった」と指摘した。
それにもかかわらず、「今回の事態を通じて30年間の運動の方向性は間違っておらず、何をすべきかが鮮明になった」とし「ハルモニたちに相応しい名誉と人権を返したい、植民地支配というのがもうこれ以上ない世界、戦時性暴力が処罰される世界、戦争のない世界を作るための女性人権平和運動は続けなければならない」と強調した。
そのためには「▲より強固なシステムを作るための市民運動の再整備」「▲女性の人権と平和センター設立のための法的根拠を第21代国会で設けて欲しい」と言った。センター設立のための「日本軍”慰安婦”法改正案」は、20代国会に発議されたが統合党の反対により女性家族委員会なども通過できなかった。続いて金教授は「ハルモニと活動家、市民の30年の努力が無駄にならないように、政府が公的支援により、切実な実を結んで欲しい」と訴えた。
集会を主催した大邱市民ろうそく集会も同日、取材陣に向かって「日本の戦争性犯罪問題解決が問題の本質にもかかわらず、推測性報道と刺激的な内容で水曜集会開催の目的と方向性を毀損したり、歪曲している報道機関には、今後、法的検討をする」と警告した。
一方、1回目の大邱水曜集会に突然訪問した李容洙さんはこの日の集会に姿を見せなかった。


金昌禄慶北大学法学専門大学院教授(元日本軍”慰安婦”研究会会長)
2020年6月3日大邱水曜集会での発言全文

日本軍”慰安婦”問題関連の様々な席で話をして討論をする仕事をしてきました。 しかし、私は活動家でも運動家でもありません。 ハルモニたちと運動家たちをそばで見守ってきた人に過ぎません。 ところが、周辺人物に過ぎない私が今回の事態を見て、本当に胸が苦しかったです。 ハルモニたちと熱心に活動した方々、今まで声高に問題解決を叫んできた全世界市民がどれほど惨憺たる心情か察するにあまりある、私が胸が苦しくなった理由は、惨憺たる状況だからです。
マスコミ(報道・ジャーナリズム)のために惨憺たる気持ちになりました。 保守だの進歩だの選り分けることもありませんでした。 事実確認もせずに発言の一部だけ実況中継してケンカを売る姿を見ました。 下手な小説を書くために必要なコメントを取ることにだけ汲々としている姿を見ました。 甚だしくは『私が理解できないからこれは全部不正だ。 不正だ。』とブツブツ言うマスコミさえあった。知らずに錯覚したとしたら怠け者です。知っていながら攻撃する意図だったならそれは邪悪です。 知らないのに攻撃だけに没頭していたら、怠け者で邪悪です。 マスコミにお願いします。 日本軍”慰安婦”問題の本質が何か、その解決に向けた努力を過去30年間どのように傾けてきたのか、少しでも理解をして記事や社説を書いてくださるようにお願いします。 正義連のホームページだけでもアクセスすれば数多くの資料があります。
未来統合党が見せた姿もまた惨憺たるものでした。 統合党は急いでタスクフォース(TF)を設置し、私が見たところでは、やたらに「疑惑」というものを噴出させました。 ところが、そのTFチームの名前が<慰安婦ハルモニ被害真相究明タスクフォース>です。 日本軍”慰安婦”被害の核心は何ですか? 日本の加害によって生じた被害です。 しかし、統合党とその前身の政党が、日本の加害について今回のように一生懸命に真相究明したという話は聞いたことがありません。 そのような政党が、30年間活動した活動家と市民団体を明確な証拠もなしに、加害者として前提し、被害を真相究明すると言っているのです。 これは逆立ち、ひっくり返った状況だと思います。 未来統合党に望みます。 本当に日本軍”慰安婦”問題に関心があったら、その問題の解決を望むなら、日本の加害について真相究明して日本の責任を問う活動に参加してください。
その他にも、日本軍”慰安婦”問題について十分に知らないのに不適切報道を根拠にあーしろ、こうしろと言う「知識人」たちもいます。そして、絶えず悪罵を投げつけながら告発を乱発する「市民団体」もあります。彼らも一日も早くその名前にふさわしい、あるべき居場所を見つけることを願っています。
このようにひどい姿が続きましたが、今回の事態の一日一日は、過去30年の歴史がどのように過ぎたか、どのくらいの切実なものなのか、どのように大きな響きを作り出したのかを確認する時間でもありました。私も今回、新たに検索してみましたが、インターネットで少し調べるだけでも数多くの映像と資料を見つけることができます。だから、ネチズン(ネットユーザー)たちはとんでもない中傷謀略を瞬く間に、ファクトチェックし事態の構造を明らかにしたりもしました。国内ではもちろん、日本、米国、ドイツ、ニュージーランド、オーストラリアなど、世界各地で切ない気持ちを込めた多くの支持と声援が飛んできました。感動的でした。過去30年の努力が決して無駄ではなかったという事実、その成果の大きさが決して軽くはないことを確認した瞬間でした。
これから何をすべきかもはっきりしてきました。 方向は間違っていません。 ハルモニたちにふさわしい名誉と人権をお返ししなければなりません。 植民地支配というのがもうこれ以上ない世界、戦時性暴力が必ず処罰される世界、戦争のない世界を作らなければなりません。 ハルモニたちが堂々と打ち立てた「女性の人権と平和」という価値を、この地のあちこちに、全世界のあちこちに広めなければなりません。 今のように、これからももっと熱心に叫ばなければなりません。
しかし同時に体制を再度整えなければなりません。 よりしっかりしたシステムを作らなければなりません。 今日、正義連が「そうしますから、見守ってください」とお願いするのをインターネット上で見ました。 そうしないといけないと思います。 関連して2018年から提起されてきた「女性の人権と平和センター」という構想についてお話したいと思います。 全世界に散らばっている日本軍"慰安婦"関連資料を集めて整理して研究して教育するセンターの設立が急がれると思います。 全世界の市民の共感と協力の中で、大韓民国の被害者と活動家が人類社会に新しく定着した「女性の人権と平和」という価値を拡散するハブを、他でもなくこの地に建てなければなりません。
「女性の人権と平和センター」の法的根拠作りを行うために、前の20代国会で日本軍”慰安婦”法改正案が発議されました。 しかし、統合党の反対で女性家族委の敷居さえ越えられませんでした。 第21代国会は、早急に法的根拠を設けてください。 そうすることによって、韓国政府が公的支援を通じて30年の成果を確認し、拡散する堅固な土台を築いてください。
今回の事態の一瞬一瞬は、ハルモニたちと活動家たちがこの30年間続いてきた切実さ、深さを振り返る時間でした。 同時に、この場に集まってくださった皆さまを含め、共に共感し、共に叫んだ世界市民の努力が、大きな実を結んだことを確認する時間でした。 もう一度その方々に感謝申しあげたいです。 

平和ニュース キム・ヨンファ記者 movie@pn.or.kr

(翻訳 北村めぐみ)