ナヌムの家より矢嶋です。

6月24日月曜日、新所長がナヌムの家に来ました。名前はウ・ヨンホ(우용호)といいます。
別の福祉施設で所長をつ努めていたようですが、この施設も曹渓宗に関連のある施設です。この施設の理事が曹渓宗の僧侶でナヌムの家の代表理事であるウォルチュの系列であることもわかりました。

予想はしていましたが落下傘人事です。


昨日新所長は「コロナのため施設スタッフ以外のスタッフのハルモニ達との接触を禁じる」という内容の内部通達を早々出しました。


これはハルモニ達の生活を直接世話する施設スタッフである看護師(1名)、福祉士(2名)、介護士(4名)、調理師(2名)および自分自身と新事務局長のみがハルモニ達と接見してもよいということであり、法人スタッフ(日本軍「慰安婦」歴史館のスタッフ5名および会計担当1名)はハルモニ達との接触ができないということです。


以前報告したように施設スタッフから3名、法人スタッフから4名の計7名が公益情報提供者です。この新所長による通達は7名のうち4名がハルモニ達と接触できなくしようとする措置です。また施設と歴史館の事務所を分離する方向で動いています。


このように新所長は赴任してすぐにこちらの動きを封じ込めようとする対応しています。しかしながらナヌムの家理事会から施設長任命を受けただけで広州市からの認定はまだ受けていません。


またナヌムの家の調理師と介護士も運営陣側についており、現在ナヌムの家では内部告発したスタッフと運営陣および運営陣側についたスタッフのあいだで完全に分裂している状態です。


さらにナヌムの家で暮らしていたハルモニ達の遺族からも「ハルモニ達亡きあと自分たち遺族が優先的にナヌムの家に入所することになっているのに内部告発者たちのためにその話が無くなった」という抗議電話も入ってくる状態です。そもそも今回の問題が明るみになるまで遺族が優先的に入所するという話自体が存在しないものでした。このように旧・新運営陣および理事会はハルモニのみならず遺族までも利用して、既得権益を守り抜くという意思と姿勢を見せつづけています。


こうした事態と並行して私たち内部告発した側の対策として、本日午前11時より私たちの側にたつ人権活動家たちから構成された民間調査団が現在ナヌムの家で新運営陣と面談をしています。その後私たちとも面談し、その足で調査団はイ・ジェミョン京畿道知事と面会する予定となっています。今後京畿道とこの民間調査団による合同調査団を結成し、再度ナヌムの家の問題に関する本格調査が行われる可能性があります。そのため現在ナヌムの家にはメディアが取材しようと集まっているところです。


これまで監督行政機関のみによる監査はナヌムの家運営陣・理事会寄りの結果しか出さず、特に広州市の監査は癒着しているとしか思えない内容でした。今回の民間合同調査が実現すれば別の結果が出る可能性もありますので、注視しているところです。                                                                                                                                                                                                                                                (2020.6.25)