池田恵理子さん




1991814日の金学順さんの告発から32年、河野談話から30年の今日、池田さんは、日本政府(特に安倍政権下)による「慰安婦」の歴史事実と国家責任の否定、政権を忖度したメディアによる報道の自己規制、右派による攻撃の激化などが招いた深刻な現状を訴えました。しかし、戦時性暴力の根絶と女性の人権確立を求めた被害女性の活動は、国際社会を大きく変えました。私たちは被害女性の想いを受け継ぎ、国内外の市民と連帯して日本政府に働きかけ、「慰安婦」問題の解決に努力していきましょう。

詳細は、下記をご覧下さい。

・月間報告のまとめ (池田恵理子)

https://www.restoringhonor1000.info/2023/08/67-in-2023816.html




川見一仁さん(関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年追悼実行委員会)




100年前の関東大震災下の朝鮮人・中国人虐殺を、日本の加害の歴史として忘れてはならないと訴え、831日に韓国や中国から来日する犠牲者遺族とともに行う追悼大会への参加を呼びかけました。




坪川宏子さん




今日のチラシは、「河野談話」30年の今昔物語です。

チラシは3点に絞って書きましたが、字数のため書けなかった4点目を補足としてお話ししました。一応チラシの3点を、ジャニーズ事件や水木しげるの漫画(慰安婦は地獄だ!)、9・1朝鮮人等虐殺の歴史事実改竄など具体例を交えて簡単に説明しました。その上で、4点目として話したかったことは、政府は事実の改竄だけでなく、私たちがそれを批判しても、理性も論理もかなぐり捨てて、何が何でも「政府事実」を死守するという強引な態度です。 


杉尾・福島議員の国会質問でも明らかでしたが、議員・市民がどんなに事実との矛盾を追求しても、政府は、「調査したが、事実を把握できる記録は見当たらなかった」というウソを繰り返します。議員が「見当たらないのではなく、ここにある!」と証拠を示して、事実を目の前に突き付けても、頑として、改竄「事実」を訂正しません。(トークでは言い忘れましたが「さらなる調査は考えていない」と平然としています。) 「慰安婦」問題も全く同じ態度です!! 「河野談話」と真逆な「軍・官憲の強制連行も、性奴隷も史実ではない」と「外交青書」に堂々と載せ続けています。


どうしてこんな愚かな非論理が、まかり通ってしまうのでしょうか。そのまま許していていいのでしょうか。私たちは、政府に騙されず、政府の事実改竄を許さず追及し続け、調査研究に基づいた、河野談話の言う「歴史の真実」を世論の認識にしていきましょう。被害者が待ち望む解決は、そこからしか始まらないからです。




保田千世さん




金学順さんをよく知る保田さんは、日本軍「慰安婦」メモリアルデーの意味を問い返し、今年93歳になる古谷昌(ふるやまさ)さんの平和の俳句「辱め受けたら飲めと渡されし粉」を取り上げ、金学順さんやアジアの被害女性たちが何故戦後50年以上も経た後に、涙と怒りの声をあげたのかを語りました。


日本政府は決して自分が行った戦争犯罪を認めないが、その事実に向きあい誰が強制連行をしたのか、誰が性暴力を行ったのか、それは当時の国際条約にさえ違反していることを、私たちは学んでいく必要があると、訴えました。



(報告・木瀬慶子)



■当日配布したリーフ■







 



■〈当日のリーフ内容〉■


今こそ、調査を基にした真実である 河野談話を復活させましょう!

  

河野談話は、今、マイナカードのトラブルで話題の河野太郎大臣の父、河野洋平元官房長官が昔、発表した「慰安婦」問題についての政府見解です。

 


■誕生のいきさつ

日本は戦争時、300 万以上の兵隊がアジア太平洋の国々を侵略し、占領したのですが、軍指導部は、現地で作戦に支障をきたす強かんの多発、戦力低下の兵士の性病多発に悩み、防止策として占領地に多数の慰安所をつ

くり(一部ですが右図●)、アジアから若い女性を数多く(8 万~)集めて、慰安所に監禁し、兵士の性の相手をする「慰安婦」にしたのです(下の枠内)。

長く歴史の闇の中にありましたが、1991 年金学順さん(裏表紙を参照)が名乗り出て、次々に韓国・フィリピン・中国・台湾・北朝鮮・オランダ等から被害者が、慰安所での非人間的性暴力(多い日は一日 50 人も)の強制と、戦後も続いた心身の苦悩を証言し、大問題になりました。日本に真相究明を求め、謝罪と賠償請求の裁判も 10 件起しました。それで、政府は調査を開始したのです。

 

■河野談話とは?

1993 年 8 月 4 日発表、 今年で 30 周年。1 年半の広範な、資料や証言調査の結果と、政府の考えをまとめて国内外に発表したもので、以下の事実を誠実に認め、日本政府の公式見解として世界から評価されました。


軍の広範な関与 慰安所の設置・管理・慰安婦移送に直接・間接に関 

        与した


 

連行の強制性 慰安婦の募集は、甘言・強圧(暴力)など、本人の意

       思に反した例が数多く、さらに、官憲等(軍も)が直

       接加担した事もある。

  

性奴隷状態  慰安所での生活は、強制的な状況の下での痛ましいも

      のだった。


おわびと反省  多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけ、心からお詫

       びと反省

記憶の継承  歴史研究や教育を通じ、この真実を永く記憶し再発防

      止を決意。





STOP 歴史改変! 政府は真実を直視し、誠実な解決を !




河野談話により、1997年には中学の全教科書に「慰安婦」が載りました。「慰安婦は売春婦で、皇軍に責任はない」という右派は、学校で教えて国民の常識となることは大変な恐怖でした。



■右派勢力の河野談話 抹殺運動 


 あらゆる手段で、教科書から「慰安婦」の削除と、河野談話否定の猛烈な運動が議員・民間から起り、慰安婦を詳しく載せていたシェア第1位の出版社は売れなくなり倒産。他社も書かなくなり、2012年には中学全教科書から消えました(現在2社にあり)。


安倍総理は、談話の否定を主張しましたが、アメリカに厳しく非難され、諦めました。国連は 1993 年から、慰安婦問題をユーゴ紛争等の性暴力と共に、性奴隷制、重大な人権侵害として取組んでいたからです。そこで、表では「談話を継承する」と言い、裏では談話を真逆にしてしまいました。

 

■どんなふうに逆さまか?


 政府は、中・高の教科書の「従軍慰安婦」という言葉の「従軍」を削除させました。「従軍」は、軍が強制連行したとか、軍の一部であったと誤解されるからと言うのです。また、安倍政権以来「外交青書」では、「軍・官憲の強制連行も、性奴隷も事実ではない」と根拠なく断言しています。談話と比べて下さい。これらは、軍とは無関係とか、自発的に慰安婦になったと世論をウソ偽りに誘導し、被害者は名誉と尊厳を傷つけられています。


■正しい事実認識が基本! 


業者が主で、軍は関与したとも受取れる談話でしたが、談話の後に重要な資料が発見され、軍こそ主で、前述の防止策として慰安所を軍の施設として、全責任で設置・管理した事実が明白になりました。が、政権はこれを無視。都合の悪い資料を隠し真実を認めないのは許されませんね。