2023126日、国連加盟国の人権状況を46ヶ月ごとに検討する国家別人権状況の定期検討(UPR_Universal Periodic Review) 4回韓国審議がジュネーブで開催された。この日の審議に参加した98加盟国は、韓国人権状況について全般的な憂慮を表明した。

 



 特に北韓(北朝鮮)は「第2次世界大戦当時、日本が行った日本軍性奴隷制と強制動員問題の恒久的な解決を保障し、被害者中心の接近方法と被害者の要求に従って真実・正義・賠償のための権利を実現すること」を勧告した。これに対して韓国政府は、両国間公式合意である『2015韓日合意に立脚して日本軍「慰安婦」被害者の名誉と尊厳回復、さらに精神的傷の治癒のために持続的に努力する』とし、「強制徴用被害も同様に」、「各界各層の意見を土台にして日本側の誠意ある呼応を促して行く」と答弁した。

 



 私たちは被害者中心の原則に離反した拙速的・政治的「2015韓日合意」順守を表明し、またさらに屈辱的解決を推進している韓国政府を強く糾弾する。

 



 201912月、韓国の憲法裁判所は「2015韓日合意」は形式・手続的に「法的拘束力」がない「単純な政治的合意に過ぎない」ので、この合意で『日本軍「慰安婦」被害者たちの権利が処理されたり、大韓民国政府の外交的保護権限が消滅したとすることはできない」と判決を下した。



国際社会も被害者中心的な接近の不在、「真実・正義・賠償」原則の排除などの問題を何度も指摘している。昨年11月、国連「市民的・政治的権利に関する国際規約」(CCPR・自由権規約)委員会は、日本政府が「慰安婦」問題の進展を実現していないと指摘し、日本政府の『即時的で効果的な立法と行政処置』を求めた。また201810月、韓国大法院は強制動員が「日本政府の韓半島不法強占と直結した日本企業の反人道的不法行為」であると認定し、被害者の請求権は1965年韓日請求権協定の対象には含まれないと明確にしている。

 


 それなのに「2015韓日合意精神遵守」を云々して妨害ばかりして、屈辱外交で一貫していた尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、日本政府の謝罪や戦犯企業の法的賠償が除外されたまま韓国企業などから寄付金を集めて被害者たちに代わって支給する強制動員の解決策を押し付けている。大法院確定判決に従って被告企業の責任履行を要求すべき韓国政府が、またも加害者に免罪符を与え、「1965年韓日請求権協定ですべての法的問題は解決した」、『2015韓日合意に従って「慰安婦」問題は最終的で不可逆的に解決された』、「不法強占、性奴隷制、強制動員はなかった」、「韓国の方が国際法に違反した」などの暴言を事としてきた日本政府に肩入れしているのだ。

 



 私たちは、自分の顔に唾を吐きかけるような詭弁を国際社会で並べ立て、「2015韓日合意」順守を再度表明し、戦争犯罪を否認する加害国と加害企業に「誠意」や「呼応」を哀願する尹錫悦政権を強く糾弾する。



尹錫悦政権は日本軍性奴隷制被害者たちの人権と名誉を踏みにじる「2015韓日合意」継承の企てを直ちに中断し、大韓民国の主権を揺るがし、憲政秩序を破壊する亡国的な強制動員解決案を直ちに撤回せよ。歴史的真実と向き合って人権と平和のために共に闘ってきた被害者たちと全世界の市民たちを最後まで無視するなら、厚顔無恥な退行の末路がどうなるのかハッキリと知ることになるだろう。

 



 202321

 正義記憶連帯 理事長 李娜榮(イ・ナヨン)



(訳 権龍夫)