変化をつくりだしたのは性暴力被害生存者たちの語りだった。


性暴力特別法制定、セクハラ法制化、#MeToo運動、不法撮影の公論化など男性本能や個人のミスとみなされてきた日常を強姦文化と命名し、性暴力の本質を被害者の過ちから加害者の犯罪に、性差別的社会構造の問題として認識させた。韓国社会に深く根付いた性暴力通念を打ち破り、変化を引き出したのは生存者と連帯者の力だ。

 



日本軍性奴隷制問題も生存者たちの語りで世に知らされた。


故金学順さんの語りはもうひとつの生存者たちの勇気となって被害者の口を塞いでいた韓国社会に亀裂を生み出した。 生存者は日本政府に謝罪と責任を要求しただけでなく、世界中の被害者と連帯し、国際社会に戦時性暴力を公論化してきた。水曜デモは戦争犯罪、ジェンダー犯罪を告発するダイナミックな運動現場であり、生存者と市民が参加して連帯する平和と民主主義の場となってきた。

 



このように「変化」をつくる過程で何が「変化」したのか? 


戦後50年余りを経て始まった語り、その後32年間の生存者の叫びと要求は世界を変化させてきた。しかし、責任が明らかになるほどに責任者は要求された7つの項目のうちのただのひとつも履行していない。


日本政府はいつまで「1965年日韓協定」、「2015年日韓合意」の後に隠れて真相究明と責任を回避するつもりか? 次の世代に歪曲された歴史を教えるのか? 平和協定を改正して本格的に軍事化して帝国主義を復活するというのか? 組織的性暴力と性搾取を通じて可能になった軍国主義を、戦時性暴力を否定しながら繰り返すというのか?

 



韓国政府の態度はもっと嘆かわしいものだ。


戦争で被害を受けた国民を保護するどころか被害者の名誉と尊厳を毀損する「強制動員賠償案」と朝鮮半島の平和を脅かす「韓米日安保協力強化」のような歩みをしている。韓国政府は外交的フレームを言い訳にして加害者のように思考して行動するというのか? 韓国政府は被害生存者の叫びを聞いていないのか?

 



しかし、変化しないほど変化への願望は明らかになり、変化に対する要求は激しくなる。水曜デモは1582回と続いている。日本軍性奴隷制問題解決を叫ぶ被害者、協力者、連帯者は今日この場をともにする。生存者の名誉と人権回復、脱軍事主義、戦時性暴力の公式謝罪と法的賠償、性平等平和に対する要求は変わらない。 私たちが願ってきた変化は実現していない。私たちがつくりだした変化もまた変わってはいない。




記憶を直視し、国家に拒否された人たちの声とともにするとき、正義が実現できることがわかる。日本政府と韓国政府が変化することを、変わらず要求する。



私たちは要求する!


 

一、 日本政府は戦時性暴力被害者に公式謝罪し、法的賠償せよ!


一、 日本政府は犯罪事実を認め、歴史歪曲を止めよ!


一、 韓国政府は被害者の観点から、生存者人権のために行動せよ!


一、 韓国政府は侮辱や嫌悪から被害者を守り、安全な水曜デモを保障せよ!

 


202328

1582回 日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ参加者および韓国性暴力相談所一同



(訳 方清子)




主幹団体紹介:(社)韓国性暴力相談所 (www.sisters.or.kr)


韓国性暴力相談所は1991413日に開所し、性暴力は個人の問題ではなく差別と偽りが蔓延する社会で日常的に発生する社会問題であることを伝えてきた女性人権運動団体です。

女性主義に基盤を置いた性暴力被害者支援、性文化改善運動、法・政策モニタリングなどを通して性平等の社会を築いて行くために努力しており、付属施設の性暴力被害者保護施設・ヨルリムトと付属研究所・ウルリムも一緒に活発な活動を行っています。