東ティモール:マルティニャ・マデイラさん逝去




 東ティモールの日本軍性奴隷制の被害者だったマルティニャ・マデイラさんが本日未明に亡くなったとの知らせが、現地の支援団体「東ティモール人権協会(HAK Association)」のマリナ・ガルチョさんから今朝7時過ぎに届きました。昨日から危篤状態だったようです。





 
マルティニャ・マデイラ(Martinha Madeira)さんというのは洗礼名ですが、ティモール名はビタ・ケヒ(Bita Kehi)さんといいます。


南部コバリマ県のティロマール(Tilomar)に生まれ育ち、晩年もそこに住んでいました。実はマルティニャさんには日本のわれわれは会ったことはなく、HAKが2014年4月に初めて話を聞くことができた人でした。ティロマールは首都ディリから車で日帰りではいけず、なかなか機会がなかったのです。


日本軍が村に来た時、彼女は10才を過ぎたぐらいで、3日間畑に隠れていたそうですが、日本軍が両親を拘束していると聞いて、日本軍の言うことを聞くことにしたそうです。昼間は石を集めたり、草を刈ったりの仕事をさせられました。


 一度もお話を聞けなかったことが悔やまれます。今月、HAKのチームが定期訪問に訪れた時は、まだ元気だったそうで(添付写真参照)、急に体調が悪くなったようです。ご冥福を祈ります。

2021年9月28日(火)

松野明久
東ティモール全国協議会