今日9月1日は「女権通文」の日だ。

2019年10月31日「両性平等基本法一部改正法律案」が国会本会議を通過して法廷記念日と指定されて今年で2回を迎える。 





「女権通文」とは1898年9月1日、ソウル北村イ・ソサ、キム・ソサの名前で宣言されたわが国最初の女性人権宣言文で、女性の教育権、職業権、参政権を要求する内容が含まれている。

単に宣言にとどまることなく国内最初の女性団体である<称賛会>と韓国女性による最初の女学校、スンソン女学校設立につながった。

男性と同等な人間として、女性の権利の重要性を世論に訴え、実践することによって、大韓民国近代女性運動の歴史的起源になった。



120余年をはるか遠く過ぎた今日、韓国女性の地位は相対的に高まったが相変らず道は遠い。採用差別、経歴断絶、性別賃金格差、ガラスの天井、昇進差別はもちろん、オン・オフラインによる様々な性暴力に苦しめられている。

性平等を叫ぶ声は嫌悪のバックラッシュ攻勢に埋もれ、歪曲されており、#MeTooの勇気は嘲弄と蔑視で汚されている。

性搾取と性産業が縮小される兆しも見られず、相当数の女性・児童・青少年が身近な知人から虐待され、性暴力に苦しめられ、ついには死を迎えている。日常の安全と人間らしい生の保障が至難なこの時、アフガニスタンから聞こえてくる女性たちの悲鳴が小さく砕けたあいくちのように私たちの心を刺す。



宗教原理主義者など宗教民族主義者らによる女性統制と弾圧の中で女性たちは教育権、居住・移動権、労働権、参政権、結婚選択権、妊娠・出産権はもちろん身なりを選択する自由さえ剥奪されている。 

路上刑罰と公開処刑が強行されるなど、女性に対する蔑視、卑下、非人間化、暴力と殺人が極に達している。

自由と平等が保障されていると宣伝される西側世界ですらムスリム女性たちは宗教的、人種的理由で差別を受けている。ベールをかぶればかぶるからと、ベールを脱げば脱ぐからと、家族と学校、コミュニティ、国家的次元で非難を受けて無慈悲な暴力の被害者となる。

 何より現アフガニスタン事態の根は帝国主義の覇権争いにある。



この惨憺たる人間の尊厳性抹殺の現場は日帝植民地時期日本軍性奴隷で苦痛受けた女性たちの話と重なる。

植民地朝鮮人であり、貧しい家庭の女性であるため、人間として享受されるべき最小限の権利さえ保証されないまま反倫理的暴力に苦しめられ、ついには死ぬか、消えてしまわねばならなかった数多くの女性たちを想起する。

それでも加害国は反省と謝罪どころか、再び女性たちに問題の原因を回して2次、3次加害を持続している。

日帝植民地時期の種族主義と民族主義歴史観で退行した没歴史的、反人権的行動を常とし、戦争国家に回帰しようとする欲望をためらうことなく表わしている。

A級戦犯をはじめとして侵略戦争で天皇のために命を捧げた彼らを祀る靖国神社に現職総理と現職閣僚が奉献したり、直接参拝している。

軍国主義と帝国主義、植民地主義に抵抗した全世界の民衆の勝利の日に戦争責任を露骨に否定し、国際正義に立ち向かう行為をためらうことなく行っている。






再び日本政府に要求する。


21世紀自由民主主義経済大国として日本国の地位を内側から棄損し、歴史の時計を逆戻りさせ、国際社会で自らを孤立させる行為を直ちに中断せよ。


不法な植民地化と侵略、強制動員と性奴隷制度をためらうことなく敢行した戦犯国家として誤りを率直に認めて、真の「国家」として生まれ変わることを要求する。

払いのけることが出来なかった先祖の責任は子孫により重い荷物となって課せられ、繰り返される不正と否認の政治は未来世代の恥として戻ってくる。善良な日本の市民がどうして顔を上げて国際社会で女性の人権や平和を語れるだろうか。



韓国政府に要求する。


「女権通文」の日を単に記念日や一過性の行事で消費するのではなく、女性人権の重要性を喚起して実践する日としなければならない。

逆差別、男性嫌悪を云々する性差別主義者に同調することを中断し、構造的性差別と女性嫌悪の根っ子を引き抜き、OECD最高の性差別国家という汚名を脱却し、名実ともに「性平等国家」として生まれ変わることを要求する。

数多くの自国の女性たちが相変らず女性であるが故に性搾取と差別、暴力と殺人の被害者になっているのに、どうして他国の誤りを是正しろと堂々と要求できるだろうか。



紛争と戦争で数多くの人々が苦痛受けているこの時、不安と嫌悪を焚きつけたとみなして葛藤と敵対感をそそのかす政治にけりをつけて、両国政府が手を握って世界平和と女性と児童、弱者の人権のために率先して実践することを心より希望する。それこそが女権通文の精神を引き継ぐことであり、戦争ない世の中を切実に希望した日本軍性奴隷制被害者の念願を実現させる道であろう。


2021年9月1日

正義記憶連帯 理事長 李娜榮


(訳 方清子)