「慰安婦」問題を考える会・神戸


 

 私たちは神戸で毎年、814日前後に日本軍「慰安婦」メモリアルデーのイベントを開催しています。



今年は神戸も緊急事態宣言下ではありましたが、828日に長田区文化センターにて、映画『雪道』の上映会を開催しました。このような状況下にもかかわらず、約30人が集まり、生きる希望を見出すストーリー展開に心を揺さぶられました。また会場に日本軍「慰安婦」被害者の人生や証言を紹介するパネルを展示し、被害者たちの歩んできた30年に思いを馳せました。

 


  写真:【慰安婦】問題を考える会・神戸のFBよりhttps://www.facebook.com/ianfukobe


 

 映画『雪道』は、中国東北部に誘拐されたふたりの少女が、死を選択せざるを得ないような状況にあっても支え合い生き抜いていくという過去の記憶と、隣に住む孤独と貧困化にある少女と年老いた主人公との交感という現代の物語が交錯するというものでした。直接的な性暴力描写を回避しながらも問題の本質から全くブレず、少女たちの痛みに寄り添う演出に心をうたれずにはおれませんでした。



 隣の少女が男性とトラブルになり、男性に食ってかかった主人公の態度がとても印象的でした。

「悪いのはお前なのになぜこちらが責められなければならないのか」……

そのことは、少女に過去の出来事を話した主人公にも跳ね返ってきます。

「なぜ過去のことを黙っているの?あなたが悪いわけではないのに」。

 


 黙ることを強いられてきた被害者が「悪いのは加害者だ」と気付き、声をあげ続けてきた30年でした。そして被害者たちがいなくなったあとも、私たちがそれを継いで声をあげ続けていこう。そう決意させる映画でした。



 残念ながら、このような状況下ですので、映画を観終わった後に意見交換をすることはできませんでした。そういう時間が取れなかったことがとても残念です。



 神戸でも引き続き、彼女たちの声をつなぎ、彼女たちの希望を現実にするために、闘い続けます。