李ヨンソン記者 2021-09-17 




「尹美香、公金横領していない」会計担当者証言...7時間の真相攻防

西部地検、9月17日午後、尹美香2回目の公判

正義連の前身、挺対協・会計担当者に7時間の尋問

「尹美香が振り分けて補填する形式」

検事 vs 弁護人、数回にわたって「異議あり」、攻防熾烈



 正義記憶連帯(正義連)の理事長だった当時、後援金を不正受領して私的に流用した容疑で裁判中の尹美香・無所属議員が、第2回公判でも関連容疑を全面否定した。この日、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協・正義連の前身)の会計担当者が証人として出席、7時間余りの尋問の中、検察と弁護人の間で熾烈な攻防が続いた。


 

正義記憶連帯の後援金の流用容疑などで起訴された尹美香・共に民主党(当時)議員が9月17日午後、麻布区にあるソウル西部地方法院で行われた補助金管理に関する法律 違反・サギ・寄付金品法違反・業務上横領など8項目の容疑に関連して公判に出席している。




 尹議員側は9月17日午後、ソウル西部地方法院 刑事合議11部(裁判長;文ビョンチャン)の審理で開かれた公判で、容疑をすべて否認した。裁判出席のために法院前に姿を現した尹議員は、「依然として容疑を否認するのか」との取材陣の質問に、「裁判に誠実に臨みます」 と短く応答した。




 挺対協当時の会計担当者のAさんが証人として出席して証言した。検事は挺対協活動資金が不透明に運営され、尹議員が私的に後援金を流用した疑惑を重点的に追求した。




 検察側によれば挺対協の会計帳簿は、領収書なしで関連金額を支出したという支出証だけを添付すれば、公金を使える方式になっている。

ルーズな帳簿管理に付け込んで尹議員が横領したのではないかという検事の質問に対してAさんは、「客観的な証拠や合意がなくても、事務員たち間に信頼関係が形成されており、支出内訳にウソはつけない」と述べた。




 検察側が、「後援金で集めた挺対協の資金が、活動支出目的に合致するか如何はどう判断するのか」と再度問うとAさんは、「事前会議や活動報告を見て知っており、(挺対協内部に)人は多くなく、どう使ったのかは分かる」と答えた。




 尹議員が挺対協後援金を個人口座に振込した部分についてもAさんは、「2016年当時、挺対協法人カードは1枚だけで、個人カードを使用して保全する場合が多かった」、「先処置、後保全で、挺対協事業に尹美香が個人のお金を先に支出して、後で保全したものだと答弁した。




 尹議員が個人口座に後援金を募金した疑惑に対してもAさんは、ハルモニたちの要請で急にナビ基金を作らなければいけないので、尹美香の個人口座に一旦は集め、ナビ基金が挺対協正式事業になった後に口座を別途に作って移転した」、「尹美香がウソをついて公金を横領したことはなかった」と強調した。




 尹議員が2016年7月、挺対協活動当時、甲状線ガン手術に関連して、医療費目的で挺対協の公金200万ウォンを使用したことについてもAさんは、「当時、尹美香は健康状態が悪く、ガン手術をすることになった」、実行理事会で、尹美香が挺対協業務の中で手術することになったと認め、支給することにした」と言及した。この内容は、当時の実行理事会の会議録には記載されていないと把握されている。




 この日の法廷では検察側と弁護人らの間で、緊迫した神経戦が続いた。検事の証人質問時、弁護人が「公訴事実に関係ない不適切な質問だ。検事側が誘導尋問を行っている」と数回異議申し立てをした。




 反対質問に際しても、同じ状況が展開された。尹議員と支持者たち、弁護人らは検事の証人尋問中に笑い声を出し、裁判部の制止を受けた。




 これまで検察は、尹議員に補助金管理に関する法律違反・業務上横領・背任・サギなど8項目の容疑を適用し、2020年9月14日に不拘束で起訴した。



 検察は挺対協「戦争と女性人権博物館」が学芸員要件を満たしていないのに尹議員が虚偽で申請、登録して2013年から2020年まで、数億ウォンの国費と地方補助金などを不正に受給したと判断した。


 また、性暴力被害者支援のためのナビ基金、故・金福童ハルモニ葬儀費名目で1億7000万ウォンの寄付金品を、寄付または贈与させるようにし、京畿道安城「憩いの家」を利用して未申告宿泊業を運営したと判断した。




 尹議員は2021年8月11日に開かれた初公判で、「過去30年間、活動家として恥ずかしくなく生きて来たと考える」、「挺対協は尹美香の私組織ではない」と疑惑を全面否定した。



 次回公判は10月29日午後に開かれる。



(訳 権龍夫)