〈尹美香氏裁判 第24回公判2022年12月9日〉検察は、支援金の年度を捏造して尹美香議員を起訴した
イ・ソヒョン記者 (法律ドットコム
尹美香(ユン・ミヒャン)国会議員らを寄付金品法違反で起訴した時、2014年度博物館後援金を2015年に検察が捏造したことが問題になった。
9月23日 ソウル西部地方法院 ©法律ドットコム
また尹議員に対する横領容疑の支出内容を確認しないまま起訴したことも明らかになった。弁護人団は韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)、日本奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)の指摘ではない公的使用だったとの証拠を提示した。
ソウル西部地方法院刑事合議11部(部長判事 ムン・ビョンチャン)は12月9日、尹美香国会議員と正義連関連の第24回公判を開いた。この日の公判は、検察側と弁護側双方が裁判部に提出した文書の調査形式で行われた。
検察、2014年博物館寄付金を2015年に捏造
公判で、検察の寄付金品法違反容疑の基礎資料に誤りがあることが確認された。
検察は寄付金品法違反の根拠として2015年戦争と女性人権博物館後援金約240万ウォンの資料を提示した。しかしこれは2014年のものであった。
弁護人団が提出した2014年度博物館金銭出納帳と検察の2015年度資料が同一だった。
弁護人団は「2014年度博物館募金の金銭出納帳を検察は2015年とねつ造して起訴した」として、「挺対協職員のPCから取り出した資料であるが、職員の各種多様な完全でない資料を検察がろくに確認もせず起訴した」と指摘した。
そして「ろくに確認もしないで起訴した内容が多数であると推測される」とし、検察の起訴そのものに疑問を呈した。
尹美香議員の横領容疑に関する検察の起訴資料にも間違いが確認された。2013年6月日本のある教団が尹美香・当時挺対協常任代表に日本軍「慰安婦」生存者のための贈物費用を寄付した内容だ。
当時尹代表は日本訪問中に金福童(キム・ボットン)、吉元玉(キル・ウォノク)ハルモニとともに教団関係者と会って120万円(約1300万ウォン)を寄付された。挺対協後援金に編入することなく直接被害者たちに渡して欲しいと依頼されたと伝えられている。尹代表は依頼どおり全額ハルモニたちのための贈物費用に使用したと証言し、弁護団はその写真と領収証を提示した。
この過程で検察は、贈物費用のうち約20万ウォンを孫英美(ソン・ヨンミ)所長に渡したとして横領容疑で起訴した。しかし当該の贈物費用は、南海(ナメ)郡庁の日本軍「慰安婦」被害者担当者にハルモニの服の購入費として入金されたことが確認された。この関係者は該当金額を南海居住の「慰安婦」生存者に使用したとする領収書と写真を提出した。
尹議員が約12万ウォンのネックレスを買ったことを横領だとした検察の主張に対しても、吉元玉ハルモニの海外キャンペーンを前に購入したものという尹議員の当時のフェイスブックが提出された。
挺対協関係者は先の法廷で吉ハルモニが糖尿病があり、海外活動当で食物にとても神経を使い、ホテルの選定基準は炊事が可能かであったと陳述したことがあった。
吉元玉ハルモニ認知症関連、検察とは異なる判断も出る
この日の公判で、吉元玉ハルモニの認知症を利用したという検察の主張とは正反対の別の検察の判断も提示された。
尹議員を起訴したソウル西部地検は吉ハルモニの認知症を利用して寄付を説得したと主張していたが、水原(スウォン)地検はさる10月、尹議員の吉ハルモニに対する横領・虐待に関して不起訴決定を出していた。
弁護人団が提出した水原地検の不起訴決定書では、横領容疑は困難で、家宅捜索で確保された資料からも吉ハルモニの飛行機座席に区別はなく、海外キャンペーンに先立って主治医の健康診断を確認するなど虐待疑惑はないと(不起訴決定書)に明記されている。
またこの日の公判で吉ハルモニの養子息子A氏はソウル西部地検調査で、「週1回訪問し、孫英美所長が母に50~60万ウォン入りの封筒を手渡し、これを母が私にくれた」、「私は訪問して1時間くらい母を見て若干記憶力がなくなり昔の話を良くされるなと感じただけで認知症だとは分からなかった」と陳述した。
弁護人団は、「吉ハルモニが活動家以外で良くハルモニと連絡をとっていたのは養子息子である。ところが彼は吉ハルモニが深刻な認知症だとは認識していない」として検察の主張に反駁した。
(ハルモニの)看病人が「吉ハルモニに女性人権賞を受賞してその賞金を何に使用したのか尋ねたら、息子に1千万ウォン手渡したと聞いた」と陳述した資料が検察に提示された。これは、吉ハルモニが自己意志で財産処分したことを知りながら検察は尹議員を起訴したという批判を受ける陳述であった。
きたる第25回公判は12月23日に開かれる。
(訳 権龍夫)