今月初頭にようやく第1回臨時理事会がナヌムの家にて開かれました。


まず臨時理事会の構成ですが


1:京畿道および広州市により新たに任命された臨時理事8名(すべて民間人)

2:2020年度より理事となった曹渓宗僧侶3名


この計11名で構成されています。


理事以外には現運営陣(施設長、施設事務局長、法人事務局長)が参加。内部告発したスタッフの参加は認められませんでした。


2021年度予算案について話し合いを持ちましたが、曹渓宗系の理事3名が欠席、運営陣が準備した書類に不備が多数あり、何の結果も出せないまま終了。今度の水曜日に第2回臨時理事会が開かれる予定です。


1回目の理事会が開かれたのち、臨時理事たちは職務停止となっている曹渓宗の中心理事たちと話し合いを持とうとしましたが、拒否。

逆に曹渓宗側が、

"キリスト教関連福祉施設の所長である臨時理事を解任し、曹渓宗僧侶を代わりに臨時理事に据え、理事代行とするように”


ととんでもない要求を出してきました。他教徒の理事会参入は認めない、ということなのでしょう。


しかし臨時理事会はこの要求を受け入れたと聞いています。もしこれが事実であれば私たち内部告発したものとしては信じがたく受け入れられない話です。そこで早速理事会にコンタクトをとり、第2回理事会が開かれる前に内部告発したスタッフと臨時理事数名が直接の話し合いの場を持つことになりました。


曹渓宗の僧侶がまたひとりあらたにナヌムの家のプロジェクトに理事として関わること自体問題です。また理事会には議案を採決するときには3分の2以上の賛成が必要という定款がありますが、この僧侶の参画により7(臨時理事)対4(僧侶)となりつねに3分の2以上の賛成による決定が成立しなくなります。


これは何を意味するかといいますと、"曹渓宗の影響力を排除するための定款の書き換え”という私たちが改革目標に掲げた最も需要な点の一つが実現不可能になる可能性が出てきたということです。



これでは改革自体がとん挫することになり、1年後に臨時理事会が解散したのち2022年度には再び曹渓宗の僧侶たちと理事がすべて入れ替わってしまう可能性があります。


次にこの間のハルモニたちの様子です。


イ・オクソンハルモニ:昨日(2021.4.17)は広島の市民の皆さん主催の映画『まわり道』のオンライン上映会に参加しました。

本人も笑いながら受け答えるなど楽しい時間を過ごしたようです。相も変わらず花札が好きでお昼時間を挟んで一日中花札に興じる日もあります。

今月に入り久しぶりに水曜デモに参加しました。

中国にいる家族とも時々ビデオ通話を通しお互いの無事を確認しあっています。

パーキンソン氏病があり、入れ歯も使えないので食べられる物の種類には制限があり、おかゆ中心なのですが、調理師がおかゆを自ら作らずインスタントものを毎回出していたことを私たちが気づき発覚しました。すぐ抗議してきちんと作らせるようにしましたが、ほかのハルモニたちにも冷や飯を出したり、適当に調理したものをだしたりと問題を起こしていることがわかりました。



ソンリサン・ハルモニ:大好物の牛肉を連日のように食べに出かけたかと思うと、自分の部屋でふさぎ込む日が続いたりと、気分のいい日とそうでない日の差が大きくなりつつある感じがします。以前は毎日のように私たちのところへやってきて過ごしていたのですがここ数日は元気がありません。

また運営陣や看病人や調理師からいろいろ吹き込まれ、あれこれ利用されてしまっている面もあり、その結果生じるストレスもふさぎ込みの原因となっているのではないかと思われます。

今年に入り、周りの顔色をうかがうという行為が頻繁に見られるようになっています。以前は自らの思いのままに生きるタイプだったしそこが彼女の魅力だったのですが。



カン・イルチュルハルモニ:認知症は進行していますが、ないよりも人と接する機会がきちんと確保されていない状態が続いています。

ナヌムの家に住み込んでいる彼女の娘さんがハルモニと私たちが交流することを極度に嫌っており、私たちがハルモニに会いに行こうとすると部屋に連れて行ってしまう、ということが昨年より続いています。これは運営陣により娘さんが看病人として雇用されてから始まったことで、それ以前にはなかったことです。

ハルモニの顔さえろくに見られないときが増えています。

先日久しぶりに庭にいるハルモニを(偶然)見かけたのですが、すでに自力では歩けず車いすに座って移動していました。少し前までは一人で歩き回りダンスもしていたハルモニでしたのに。

イ・オクソンハルモニやソンリサンハルモニは私たちと毎日のように接し、交流し、外出したりしているのですが、カン・イルチュルハルモニにはそうした機会さえも提供するのが難しくなってしまいました。



パク・オクソンハルモニ:2019年後半から寝たきりで認知症もありますが、会いに行くとニコニコしながら何か言おうとします。

以前は大きな明るい部屋にいたのですが、現在は日当たりのあまりよくない個室にいます。

運営陣がハルモニたちのための"プログラム室”なるものを行政指導によって作らなくてはならず、ハルモニを別の部屋に移動させ、大部屋をプログラム室に変えてしまったのですが、運営陣はハルモニたちのための定期的プログラムは全く行っていないのが実情です。

監督行政からお小言を言われないためだけに形式的に空間をこしらえた、と説明すればお分かりいただけるでしょうか。



また以前はCCTVを通し下の階にある事務所にいてもハルモニたちの様子を確認でき、何かあればすぐ行けるようになっていました。ところが運営陣がCCTV関連機器類を金庫に入れて施錠してしまい、何が起きているのか同時に確認できない状態が続いてます。



ハルモニたちを外出に連れて行こうとしても必要のない書類提出を求めてきたり、支払い用のカードを使わせないなどの妨害行為も運営陣によって行われています。

こうした行為に対し抗議をすると始末書を提出(韓国では2010年に"始末書は個人の良心の自由を侵害するものだ"という大法院が判断した判例があります)を求めてきたり、ハルモニたちにとって急遽必要な物品購入も手続きをわざと複雑化したり、私たちへの返答を意図的に遅らせるなどのかたちで妨害しています。



ですから私たちは運営陣の指示はほぼ無視し、それよりもハルモニたちの意志を尊重するかたちで日々の運営および業務を行っています。処罰・処分は覚悟の上です。



新運営陣がやってきて10か月になります。しかし慰安婦問題のことを自ら学んでいる様子はまったくなく、法人事務局長に至ってはハルモニたちの名前さえろくに覚えていません。それどころか暴力的な遺族をけしかけ、利用し、内部告発者たちを攻撃させたり、SLAPP訴訟を起こしたりとひどいものです。 

以前の運営陣と変わるところはありません、というよりむしろ新運営陣のもとナヌムの家の状況は悪化していると言えます。



臨時理事会には本気でナヌムの家の改革に取り組む心づもりがあるのか、はたまた曹渓宗に復帰の道しるべを準備するだけで1年後に解散していくのか、正直私たちも判断できません。


ハルモニたちには残された時間がほとんどない点、日本軍「慰安婦」問題の歴史をいかにして残し伝えていくべきなのかという点、この2点だけを考慮してもナヌムの家の在り方はおのずと見えてくるものだと思うのですが、臨時理事会の姿勢にはその点が明らかでありません。


動きがあればまた報告します。