あまりにも惨くて情けなく、言葉もありません。



被害者が老いた身体に鞭打って大韓民国政府に訴えたのは、奇跡が起こることを願ったためではありません。

 





法を跳び越える抽象的な価値を打ち立てようとしたのでもなく、血と肉によって存在する生きている人間の崇高な生に対する基本的な理解、人間性に基づいたとても普遍的な価値を再び確認してくれということなのです。 



それこそ、去る30余年間、被害当事者らがその手で築いてきた戦時性暴力に関する国際社会の常識を確認してくれというものです。 



「性関係」ではなく、組織的性搾取、性奴隷制であり、「ビジネス」ではなく意思に反する強制動員であり人身売買であったことを、それによって当事者は生涯拭うことのできない苦痛と痛みを体験し、烙印と痛みを抱いて生きなければならなかったことを少しでも確認してほしいということだったのです。


その加害責任の重大さは、いかなる弁明や嘘をもってしても免除されないということを正義の原則で判断してくれというということでした。


女性の人権の普遍的価値を再確認し、戦時性暴力の不処罰の歴史を断ち切ってほしいということでした。


反人道的犯罪までもが主権免除を言い訳にして責任を問うことができないのならば、深刻な人権蹂りんを受けた被害者を救済することはできなくなり、極めて不合理だとみた第1次訴訟判決の根拠を再び確認してくれというものでした。 



それでも閔聖喆(ミン・ソンチョル)裁判長はこんな小さな希望さえ粉々に打ち砕き、被害者の心に再び釘を打ち込みました。

大韓民国の歴史を後退させて世界の人権史に汚辱を残しました。 



再び確認します。私たちは被害者らと共に最後まで日本政府の責任を問います。

「2015韓日合意」が幽霊のように度々登場する背景について韓国政府に問います。 

日本政府に対する責任追及も要請します。 多くの市民がともにして下さることを信じています。


2121年4月28日

正義記憶連帯理事長 李娜榮(イ・ナヨン)


(訳 方清子)