チャン・イェジ記者 (ハンギョレ 2024.12.19.)



シュテーグリッツ区議会 ミッテ区で難しければここに永久設置可能決議


日本軍「慰安婦」被害者追悼の日を迎え、去る814日、ドイツ・ベルリンのミッテ区にある「平和の少女像」前で開かれた集会に参加した市民が少女像の前に花を置いている。(張イェジ ベルリン特派員 penj@hani.co.kr

 



独ベルリン・ミッテ区に設置された「平和の少女像」(以下、少女像)が撤去の危機に追い込まれた中、ベルリンの他の区の議会が少女像を移して永久存置することができるという決議案を可決したことが18日確認された。

 


ベルリン南部のシュテーグリッツ・ツェーレンドルフ(以下、シュテーグリッツ)区議会は11日、「国際的な連帯のシグナル:「平和の少女像アリ」という名前でシュテーグリッツ地域に少女像を移すという決議案を可決した。区議会は決議案で「ミッテ区に設置された少女像は、韓国の「慰安婦」の苦しみを称え、戦争の武器として女性と少女たちに加えられる性的暴力を反対する象徴として代表される」とし、「ミッテ区に少女像を恒久的に存置するための解決策がなければ、(シュテーグリッツ)区議会の要請により、コリア協議会(在ドイツ市民団体)と協力してここに少女像を恒久的に設置することができる」と明らかにした。決議案の可決には、シュテファニ・レムリンガー・ミッテ区長の所属政党でもある緑の党とともに、左派政党、社会民主党、自由民主党などの議員が参加した。中道保守傾向のキリスト教民主連合(CDU)議員は棄権した。

 



シュテーグリッツ区議会は少女像の設置候補地として、公共敷地であるクルメランケ地下鉄駅付近も提示した。シュテーグリッツはソウル松坡区と姉妹提携を結んだ都市でもある。

 


シュテーグリッツ区議会の決議案に法的拘束力があるわけではない。ただ、シュテーグリッツ区議会の今回の要請に基づき、シュテーグリッツ区役所レベルで少女像の永久設置の可否に関する議論を進める道が開かれたことに意味がある。

 



ベルリンの少女像は20209月、ベルリン・ミッテ区の公共敷地に在ドイツ市民団体であるコリア協議会などが設置した。日本政府はヨーロッパで初めて公共敷地に設置されたこの少女像を撤去するよう首相まで出てきて要求し、露骨にドイツに圧力をかけてきた。

 


結局、ミッテ区庁は少女像設置から4年後の930日、少女像を撤去するようコリア協議会に通知した。レムリンガーミッテ区長はコリア協議会に送った撤去要求通知文で、「韓日葛藤をテーマにした少女像はドイツ連邦共和国と直接的な関係がなく、ドイツの首都の記憶と追悼文化に直接的に合致しない」とし、ドイツの外交的利害関係に「障害」となるとも主張した。

 


しかし、シュテーグリッツ区議会は「私たちの区に少女像を建立しようとするのは、第2次世界大戦中に性的暴力を経験した『慰安婦』に対する歴史的不正に対する持続的な認識を高めようとする努力」とし、「ミッテ区で少女像の特別使用許可が更新される可能性は低いため、私たちの地域がこの記念碑を恒久的に設置できる代案を提示する」と決議案の可決理由を明らかにした。また、「この決定は追悼の文化に力を加えるだけでなく、被害者との連帯、そして人権を積極的に推進するという私たちの決意も示している」と述べた。

 


コリア協議会は、ミッテ区が下した撤去命令の効力を停止してほしいと昨年10月に裁判所に仮処分を申請し、結果を待っている。ミッテ区は新しい私有地に少女像を移転することを提案したことがあるが、コリア協議会は、具体的な代替敷地など私有地に関する情報をきちんと共有しないまま、区が議論を進めようとしているという理由で否定的だ。

 


韓静和(ハン・ジョンファ)コリア協議会代表は、「ミッテ区で16年間活動し、『慰安婦』の歴史を知らせ、『慰安婦』博物館で少女像と連携した教育事業も行った。今後もここに残りたいと思っている」とし、「現時点では、裁判所の決定を見た後、シュテーグリッツ移転問題も検討しなければならないと思う」と伝えた。コリア協議会は先月6日、ミッテ区議会から地域社会の移民社会統合に貢献した団体に贈られる「2024統合賞」を受賞した。■



コリア協議会は6日、ミッテ区議会から地域社会の移民社会統合に貢献した団体に贈られる「2024統合賞」を受賞した。コリア協議会は、民主主義と女性の人権増進に貢献した功績が認められた。コリア協議会提供



(訳 権龍夫)