昨日1120()、第81回目の水曜行動in新宿(新宿南)を行いました。



真冬並みの寒さの中、いまにも雨が降り出すような天気でしたが、小田急の軒下を借りながらアピール行動を続けました。



池田恵理子さん 月間報告 







日本軍「慰安婦」問題に関する一カ月の出来事として、米国大統領選挙にみる分断・対立など世界の混沌とした状況の中での日本の人権状況を発信。


さらにサバイバーの状況や日本を含めた世界の市民運動の状況などを丹念に報告しました。



発言の詳細は、https://www.restoringhonor1000.info/2024/11/81-in-20241120.html





山田久仁子さん 女性差別撤廃委員会の総括所見と日本の現状について






フィリピンのサバイバーを支援してきた立場から発言しました。

詳しい内容については、当日配布したリーフ(下記に添付)をご覧ください。



総括所見では、「慰安婦」問題について、「戦争犯罪と人道に対する罪には時効がないという原則」を受け入れなければならないと、厳しい「注意喚起」がなされ、日本政府はこの勧告に誠実に向き合うべきだ、と強く訴えました。








坪川宏子さん 「サバイバーを記憶する」 

  キム・サンヒ(金相喜)さんの証言を聞いて



 



サンヒさんが亡くなるまで交流があった坪川さんの想いのこもった発言でした。


発言の最後には、A級戦犯の板垣征四郎の息子・板垣正議員に抗議したサンヒさんとのやり取りの寸劇が行われました。


金さんの言葉、 「生死の境をのりこえた者に本当か本当じゃないという話をどうしてするのか。かつて戦場で私の体を汚し、五十年たって今度は私の魂まで汚すのか!」と抗議したサンヒさんの言葉を忘れない、と坪川さんは述べて発言を終えました。


詳しくは、https://www.restoringhonor1000.info/2024/11/81-in_22.html






◆この日は15人が参加し、250枚のリーフは殆ど配布しました。また、初めて参加された方が2名いました。

(全体報告 木瀬慶子)








●配布したリーフ●












●リーフの内容●



戦争犯罪と人道に対する罪には時効がない!

国連から「慰安婦」問題対処への勧告

 

 国連の女性差別撤廃委員会から日本の女性政策について勧告が出されました。

 

「女性差別撤廃条約」は1979年に国連総会で採択され、あらゆる分野で「性に基く差別を受けない権利」を保障するものです。(日本は1985年にこれを批准)


加盟国がこの条約を守っているか、定期的な審査が行なわれますが、日本はこのほど8年ぶりに審査が行なわれ、女性差別撤廃委員会の見解=勧告が出されました。


勧告は多岐に亘りますがここでは、その中の「慰安婦」問題について紹介します。

「慰安婦」問題では、この度フィリピンチームとして事前審査に向けた報告レポートを提出しました。委員会からは前回の勧告からそれ以降の履行状況の評価が問われ、私たちはフィリピン被害者側からの実情を報告しています。

 

      委員会からの質問とフィリピンチームの報告レポート(内容は要約)

 

1<締約国の指導者や公職にあるものが「慰安婦」問題に対する責任を過小評価し、被害者を再び傷つけるような発言は止めるように>という事の履行状況に対しては、評価は×で、むしろ更に被害者を傷つけていると報告。


フィリピンの実情として

2017128日にフィリピンの「慰安婦」を象徴する像が建立された直後の記者会見で、日本政府は「~我が国の立場と相容れない」とし、圧力を重ね、翌年4月にフィリピン政府に撤去をさせたことを挙げました。


2<被害者の救済の権利を認め、補償、満足、公的謝罪、リハビリテーションのための措置を含む、十分かつ効果的な救済及び賠償を提供すること>に対しても評価は×です。


1993年~2003年に亘るフィリピンの「従軍慰安婦」補償請求裁判においては被害事実の認定さえ行なわれなかった。


・アジア女性基金の「償いプロジェクト」では被害状況が「慰安婦」の枠組みに沿った、一部の者のみの認定に留まり、公的な謝罪や政府による賠償がなされていないこと。


・またフィリピンにおける戦時性暴力被害者の多数を占める、名乗り出ることが出来なかった人たちや日本軍将兵の妻となることを強制された人たち、一定期間の監禁を伴わない形での性暴力被害を受けた人たちなど、規定の「慰安婦」の枠組みから外れた人たちは全く救済や償いの対象とならないまま今日に至っていることを報告しました。


3201512月の日韓合意の実施に当たっては被害者・生存者の意向を考慮し、被害者の真実、正義、賠償を求める権利を確保すること>に対しても評価は不充分であり

「慰安婦」問題は日韓二国の問題ではなく、日本軍占領下のアジア・太平洋全域に及ぶものであること。


4<「慰安婦」問題を教科書に適切に組み込むとともに歴史的事実を生徒や社会全般に客観的に伝えられるよう確保すること>に対しても、評価は×です。


中学教科書では僅かに2社のみで、しかも、占領地については言及なく、高校教科書についても然り。社会全般に対しても、外交問題となる韓国・朝鮮半島に関してはメディアが大きく取り上げるがフィリピンなど占領地での状況、歴史的事実が伝えられているとは言い難いと記しました。

 


「慰安婦」問題での女性差別撤廃委員会からの1029日の勧告(要約)

 

委員会からは事前のNGO報告を踏まえての最終勧告が出されました。

・締約国の努力は評価するが、真実・正義および被害回復への被害者/生存者の権利確保のための努力が持続、拡大される必要がある。


・国際法における「戦争犯罪と人道に対する犯罪には時効がない」、「慰安婦」に関する国際人権法上の義務を履行する努力を拡大・強化し、被害者/生存者の権利への包括的な対処がなされるように勧告する。


・教科書における記述では政府のガイドラインが「慰安婦」を含む女性たちの生きた歴史的体験を教科書に適切に反映させることを確実に求め、出版社がこのガイドラインをどれだけ尊重しているかモニターすること。

 

などが勧告されました。フィリピンチームのレポートが反映された内容となっています。

日本政府はこの勧告に誠実に向き合って欲しいと思います。








次回82回目の水曜行動in新宿は、1218()12時半です。