〈韓国〉ベルリン少女像の永久存置を要求する文化芸術家と「金福童の希望」、在韓ドイツ大使館との面談を実施!
(24年9月27日・9月会報より転載)
尹美香(ユン・ミヒャン)・「金福童(キム・ポットン)の希望」共同代表のSNSから。
ドイツ政府・ベルリン市・ミッテ区長に届ける文化芸術家たちの声を封筒に入れ、金福童の希望と芸術家たちは9月27日午後、在韓ドイツ大使館を訪問し、1等書記官のダヴィド・ビガ氏と面談した。
1時間にわたって行われた面会で、ベルリン平和の少女像がミッテ区モアビットにそのまま存置されるよう、支援と連帯を要請した。
当日の面談では、熱心な議論が交わされた。
ドイツ大使館側が質問すれば私たちが答え、私たちの要求に対して大使館側が意見を述べ、1時間では面談が不足だった。
面談で私たちは以下の通り申し入れた。
1)これまで国際社会でドイツの「ナチス犯罪清算努力」が肯定的に評価されてきた。少女像の撤去は、この評価に汚点を歴史に残すことになる。
2)ドイツはナチス戦争犯罪に対して謝罪してきた。だが日本政府は過去の戦争犯罪を否定してきた。少女像撤去は、戦争犯罪を反省しない日本に同調することである。
3)ドイツ政府の立場で日独関係も重要だろう。だがそれ以上に重要なのは、国際社会が共に守り、保護すべき普遍的な女性の人権と平和の価値を実現することである。少女像の撤去はその価値を破壊することである。これらの価値が破壊されないように、少女像がその場所に存置できるようにしなければならない。
4)1995年の北京世界女性大会で、国連参加国は決議採択を通じて、武力紛争下での性暴力被害者の人権保護と再発防止政策を採択した。ドイツ政府も国際社会の一員として、武力紛争下における性暴力被害者の人権保護と再発防止のための政策を策定する義務がある。代表的な武力紛争下の性的暴力の被害者である日本軍「慰安婦」被害者の人権回復努力の過程で作られた平和の少女像は当然保護されるべきであり、撤去されてはならない。
5)日本政府がドイツ政府とベルリン市、ミッテ区庁に不当にロビー活動を行い、圧力をかけてきた。ドイツ政府がこのようなロビー活動に対して「被害者の人権保護」次元で拒否しなければならないのに、ベルリン市長が日本を訪問した際に日本政府に少女像の撤去を示唆し、これをプレスリリースを通じて自ら公開した。これにより、ドイツの国際的なイメージに、現在だけでなく、未来にも重大な影響を及ぼす可能性のある状況を作ったわけで、ドイツ政府がこのような状況に対して責任がないとは言えない。
6)日本軍「慰安婦」被害は韓国だけの問題ではない。フィリピン、インドネシアなどアジアやオランダの被害者も多い。彼女らはみな生前、日本政府に正義の実現を求めた。フランスの女性たちも被害を受けたという記録がある。つまり、日本軍「慰安婦」問題は「韓国」だけでなく、世界の女性たちが、戦争で受けた人権侵害犯罪だった。ベルリン・ミッテ地区に建てられた「平和の少女像」は、この被害者たちの痛ましい歴史を追悼し、記憶し、この女性たちが願った「二度と私のような被害者をつくらない」という平和な世界を一緒に築いていこうという努力である。
7)戦時性暴力被害の代表的な事例である日本軍「慰安婦」被害者の慰霊碑である平和の少女像を撤去し、その代わりに「すべての戦時性暴力被害者を記念する彫像」を建てるというミッテ区長の立場がいかに矛盾しているか?本当にすべての戦時性暴力被害者を記念したいのであれば、平和の少女像の隣に別の戦時性暴力被害者を記念する像を建て、その被害者同士が手をつないで、そして彼女らの歴史にベルリン市民と世界が一緒に手をつなげば良い。
8)ミッテ区議会の数回の少女像存置決議採択している。3千人以上のミッテ区民の署名、国際人権平和市民の声をドイツ政府が尊重してほしい。
私たち申入れ団の要求に対して、ドイツ大使館1等書記官の質問もあった。 その質問の一部を以下にまとめる。
① 日本の市民は一緒になっているのか?
☞ これに対する申入れ団側の答えは、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動が「平和の少女像の撤去に日本市民として反対する」という手紙を59団体と562人の市民の署名をベルリン市長とミッテ区長に送った。 (会話の後、全国行動の英語名を教えてほしいと言われた。) ドイツのベルリンでも日本女性の会が韓国女性の会と一緒に30年以上に渡って日本軍「慰安婦」問題解決のために活動し、その活動の一つとしてベルリンに平和の少女像を建てたのだ。 つまり、ベルリン平和の少女像には、日本女性の会の努力と活動も含まれているのだ。
② 問題解決のための対話の場を設ける場合、日本大使館と韓国大使館も参加する問題についてどう思うか?
☞ これに対する申入団側の答えは、平和の少女像の存置問題は国家間の問題ではない。国家間の問題にしないでほしい。ドイツ内でドイツ政府とベルリン市、ミッテ区、そしてベルリン市民、最も身近なところではミッテ区の住民、その少女像を建てて人権教育をしているコリア協議会が一緒に会って対話することだ。 また、女性の人権と平和の価値実現のために活動している国際市民社会の声に耳を傾けながら対応しなければならないだろう。
今日十分に説明したように、すでにベルリン市民とミッテ区の住民、その住民を代表するミッテ区議会の声は、少女像がベルリン・ミッテ区モアビッツにそのまま存置されることを望んでいることを知っているはずだ。被害者の人権を損なうような不当な外交力を行使している日本政府の声ではなく、彼らの声を聞いてほしい。そして、小さな平和の少女像とベルリンバッジを贈呈し、平和の少女像の意味を伝えた。
ドイツ大使館側は、私たちが記者会見で発表した文化芸術家たちの要求書と私たちが面談を通じて伝えた内容をまとめ、本国に伝えると表明した。面会が終わる頃、1等書記官の名刺に名前がダビデであることを確認し、聖書のダビデとゴリアテの戦いを話しながら、ダビデの側に立つことが正義ではないかと付け加えた。■
(訳 権龍夫)
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※訳者付記1<金福童の希望>とは
金福童ハルモニの希望と吉元玉(キル・ウォノク)ハルモニの平和を受け継ぎ、日本軍の性奴隷制問題を解決し、在日朝鮮学校差別問題を撤廃し、朝鮮半島の統一と平和実現のために、金福童の希望精神と吉元玉の平和精神を実践する非営利団体です。
特に、金ハルモ二の最後の遺言の一つであった「在日朝鮮学校支援を私に代わってやってほしい」という遺言を受け、金ハルモニがやり残したその願いを私たち全員が「金福童」になって実践していく団体です。
今後、日本政府の在日朝鮮学校に対する差別と弾圧に反対し、在日朝鮮学校を支援し、在日朝鮮学校の学生に金福童奨学金を支援するなど、未来世代に「私は希望を持って生きている。
私の後に続いて」と言われた金ハルモニの言葉を活動につなげたいと思います。
※付記2<金福童の希望>の後援について
人権平和運動家の金福童ハルモニは2019年1月28日に私たちの側を去りました。 しかし、金福童ハルモニが私たちに残した贈り物はとても大きく、大切なものであり、今も平和と人権を実現する私たちの運動の現場に生きていることを感じます。
「私は希望を抱いて生きる。 私に続いて」というメッセージは、私たちの社会の希望が必要なところへ響き渡っており、在日朝鮮学校と在日同胞社会に無関心だった私たちの社会が、金福童ハルモニの声を通じて、マスコミも、TVも、私たちの社会も、在日朝鮮学校とその共同体に関心を向け、放送を企画し、報道しています。
金福童ハルモニのその意志を引き継ぐために作られた非営利民間団体<金福童の希望>、金ハルモニの意志を引き継ぐために、皆さんの連帯と後援が必要です。 <金福童の希望>の後援会員になってください。
(※)困難な問題があるので、韓国国外在住者の後援会員申請や、支援金送付などはここでは除外します。
〈付記3〉
日本軍「慰安婦」被害者から、人権平和運動家として生きてきた金福童ハルモニ被害者の名誉回復、そして正義の歴史を正しく立て、未来世代の平和を願ったその道を、韓神大学の蝶の道につなげたいと思います。
11月4日の開館に向けて、力強い羽ばたきをしています。ご一緒してください!
〈非営利民間団体 金福童の希望 連絡先〉
電話 : 010-9893-1926
ソウル市西大門区ヨンヒ路227ラブアートビル401号
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