去る830日、韓国教育課程評価院は20253月から学校現場で使用する新しい検定教科書を公開した。

検定を通過した韓国史2の教科書は8冊あり、そのうち韓国学力評価院が発行した教科書は、検定をどうやって通過したのか疑わしいほど低レベルの内容だ。



 

韓国学力評価院の韓国史2教科書は、日本軍「慰安婦」問題の強制性、被害事実、歴史否定のどれ一つとして正しく記述されていない。解説資料も付けないまま、ただ「日帝は日本軍「慰安婦」という名前で若い女性たちを中国や東南アジアなどに連れて行き、惨い生活をさせた」というたった一文が日本軍「慰安婦」問題を説明するすべてだ。

日本軍性奴隷制が帝国主義日本政府と日本軍の体系的かつ組織的な犯罪行為であったという事実は全く明らかにされていない。資料として提示された写真も、今は作品が撤去され、入れ替え中である日本軍「慰安婦」記憶の場の昔の鳥瞰図が唯一のものだ。一般書籍でもない歴史教科書で、日本軍「慰安婦」問題をこのように誠意なく大幅に縮小して記述するのは驚愕に値する。

 


歴史を正しく記録せず、文脈を消したまま記述することは、歴史歪曲と歴史否定の発端である。強制動員を消し、日本軍「慰安婦」問題を歪曲した日本の歴史教科書の状況を思い出してみよう。

日韓の過去史問題で徐々に後退していた日本の教科書は、今や歴史を否定する「危険な」教科書となり、文部科学省の検定を通過するまでに至った。韓国学力評価院の過去史記述の退行は、このような「危険な」教科書の誕生につながる可能性がある。

 


韓国学力評価院の教科書は内容の誤りも深刻だ。

民族問題研究所は5日、緊急検証結果を発表し、当該教科書が事実関係の誤りだけでも300件以上あり、全体的な見方にも問題が多く、いわゆる「飛ばし、不良教科書」と評価した。年や団体名など基本的な事実関係の誤りや一貫性のない用語の使用、明らかな誤字も多数発見されたという。それだけでなく、検定申請の過程でも疑問が提起された。編集人員の0人疑惑、検定審査資料の操作の実態が明らかになっているのだ。しかし、教育当局はこれに関して、いかなる立場も明らかにしていない。教育部は韓国学力評価院の教科書の状況を深刻に受け止め、早急に調査に着手しなければならないだろう。

 


   歴史教科書は過去とつながる重要な絆であり、今日を映す鏡のようなものだ。日本軍「慰安婦」被害生存者が叫んだ戦争のない世界、反人道的犯罪の再発防止は、歴史を正しく知ることから始まる。教育部は、未来世代が正しく歴史を学ぶことができるよう、歴史教科書を正しく検定して「歴史抹消」を阻止し、記憶と記録の責任を果たせ!

 



202498 

 日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯



(訳 方清子)