2000年の今日は金大中大統領が北朝鮮の金正日委員長との首脳会談で南北共同宣言を発表した日だ。帝国主義強大国によって強制的に分断させられた韓半島で冷戦体制の残滓を取りはらって自主的に平和の花を咲かせようとした日だ。それでも南北関係は一歩前進二歩後退を繰り返し、韓半島には今どの時より濃厚な戦雲が漂っている。鋭く対立する感情が一触即発の引き金を引く直前だ。

 



衰退していく帝国、アメリカを中心にした国際秩序の片方に対抗してロシア、中国、北朝鮮が再び情熱を帯び、安保も経済も全てアメリカに丸投げした大韓民国は米日韓同盟体制に身を深々と委ねている。そうした中、平和、人権、生命と安全、平等と自由、歴史的正義、自主・統一という最も重要な大韓民国民主主義の原則が一つずつ崩れようとしている。

 



平和に反する罪、戦争犯罪、反人道的犯罪、どれ一つもまともに認めたり責任を負うこともなかった戦犯国日本は、この隙間を狙って憲法を改正して軍備を増強し、韓半島に介入する体制を整えようとしている。 不法な植民地支配の被害者、戦争犯罪の被害者、強制動員の被害者、日本軍性奴隷制被害者たち、彼らとともに平和を願う韓日市民は日本の再武装の欲望に最も大きな障害物であり、つまみ出さねばならない「邪魔者」になった。

 



2015年「韓日政府間慰安婦合意」もそのような雰囲気の中で誕生した。アメリカを中心とした安保体制強化のために韓日間の歴史問題を解決せよというアメリカ民主党の強力な圧迫で急ぎ進めた政治的合意がまさに「2015韓日合意」だ。事実の直視にもとづく責任認定も、被害者に対する直接的な謝罪もなしにいくらかのお金で少女像の撤去、国際社会での非難・誹謗の自制、最終的・不可逆的解決という屈辱的裏面合意まで大韓民国が受け入れた反歴史的・反自主的・反人権的事件だ。




私たちは再確認する。

日帝によって強行された戦争犯罪の中に人身売買、強制動員、性暴力、性搾取、労働搾取の被害者になった数多くの人々がいたことを。これに対する全面的な真相糾明どころか、責任認定と心からの謝罪さえなされなかったことを。再発防止の約束は歴史わい曲と被害者への冒涜として差し戻されたことを。「2015韓日合意」で問題が解決されるどころか新たな問題が始まったことを。

 



来る619日は「紛争下の性的暴力根絶のための国際デー」だ。2008年国連は性暴力を戦争の道具として使用することを禁止する国連安保理決議案1820号を採択して、2015年にこの日を記念して戦時性暴力根絶の日として宣布した。それでも世界のあちこちで武力紛争と葛藤は絶えることなく続き、女性と児童、無辜の市民に対する無慈悲な暴力と虐殺も強行されている。加害者の不処罰慣行の中で真実、正義、賠償、再発防止という権利が保障されるどころか被害者は烙印化され、排除、差別、二次加害の標的になっている。 最小限の安全さえ保証されず、数多くの人々が苦痛の中に苦しんでいる。






 

私たちは再び日本政府に要求する。


女性と児童を戦争の道具化した歴史を直視し、無慈悲な殺人と暴力、搾取に対する法的責任を全うせよ。国連など国際社会が数多くの勧告案と報告書で要求した日本軍性的奴隷制に対する「組織的犯罪事実と責任認定、被害者救済と真実・記憶のための努力」に答えよ。植民地支配者の傲慢な姿勢で居直り、責任を転嫁して、戦争犯罪を隠すために国際社会で女性の人権と平和を叫ぶ厚かましい加害者の姿勢ではなく、謙虚に歴史的真実を認めて心のこもった姿勢で反復的謝罪と再発防止の実践に立ちあがれ。



 

韓国政府に要求する。


被害者中心の原則を破った政治的合意であった「2015韓日合意」に対する復権の試みを中断して、過程と手続き、関連資料を透明に公開せよ。日本政府の利益を代弁して歴史を否定し、被害者を限りなく侮辱して少女像撤去を叫ぶ水曜デモ妨害勢力に対して適切に措置し、対応策を直ちに用意せよ。安保同盟と経済協力という美名の下に歴史的真実を冷遇して正義連を退行させるいかなる政治的合意や試みも中断して、日本軍性奴隷制問題の真実、正義、賠償、再発防止実現のために積極的に取り組め。

 



2022615

正義記憶連帯理事長 李娜榮(イ・ナヨン)




(訳 方清子)