昨日、梅雨の雨がしとしと降るなか、第53回水曜行動in新宿を行いました。




◆ロシア軍によるウクライナ侵略の中で、多くの人々が殺され、レイプや性暴力の被害が報道されています。



最初に発言した池田恵理子さんは、日本軍「慰安婦」サバイバーたちの「二度と自分たちのような被害者を出さないでほしい!戦争絶対反対!」という想いをまず訴えました。

そして619日は、「紛争下の性暴力根絶のための国際デー」であり、世界中の紛争下で女性たちが性暴力被害で苦しんでいる状況を伝え、性暴力根絶を訴えました。









◆次に発言した山田久仁子さんは、昨日参院で成立してしまったAV新法の問題について発言。4月の改正民法に伴う成人年齢の引き下げによって、新たに成人になった1819歳は「未成年者取り消し権」の対象外となったことからその救済法としての意味があったが、実際には、売春防止法で禁止されている性交をビニネスとして認めてしまい、性搾取を合法化している問題点を指摘。施行後2年以内に検討を加えるとされているので、今後の取組みが重要とのこと。









◆毎回行っている、サバイバーの記憶をつなぐということで、今回は2名のサバイバーについて紹介しました。



一人は、台湾のサバイバー、タロコ族のイアン・アパイさん。1927年生れで、2013年に亡くなった。

村に日本軍の部隊が入ってくると女性たちは部隊の雑用のため動員され、しばらくすると軍曹から住み込むよう命令され、そこで恐ろしいレイプが。昼は部隊の雑用、夜は何人もの兵隊に強かんされる日々。日本の敗戦後、村に戻ったものの心の傷を抱えて暮らし、3度の結婚と3度の離婚。辛い人生を送ったが、日本での裁判にも参加。「言葉では言い表せないほど心が痛む」と。









◆もう一人のサバイバーは、インドネシアのミンチェさんです。ミンチェさんは、昨年(2021)6月に亡くなりました。

14歳の時にマカッサルの家の前で友だちと遊んでいたところ、日本軍に捕まり、無理やりトラックに乗せられ日本軍の司令部のあった慰安所に連れて行かれた。6カ月後くらいのある日、その場所を逃げたが、生活は苦しく、最後は、モスクのバルコニーでの生活を余儀なくされ、大阪のグループが安心して暮らせるようにと部屋を借りるため、募金活動をしました。そしてお金の準備ができた矢先、亡くなってしまいました。日本のアジア女性基金は、当時のインドネシア・スハルト政権へ38000万円規模の資金を支払ったが、被害者個人へ「償い金」も支払われないことで、被害者たちは生活も苦しく、いまも日本政府から謝罪も賠償も受け取ることができていないことの問題を訴えました。







◆最後は、サバイバーへの医療介護を行ってきた方が、サバイバーたちの身体に現れている苦しみについて訴え、また別の方は、吉川赳衆院議員の問題や細田衆院議長のセクハラ疑惑など日本の現在の政治のあり方について鋭く問いただしました。








◆若者が走り寄ってチラシを取りにきて、平和の少女像のリーフを渡したり、雨の中でも、チラシは200を配布。受け取りは比較的良かったという印象でした。











●リーフの内容


「2015日韓合意」は、被害を受けた当事者に寄り添うものではない




3月、韓国で新しい政権が誕生しました。日本の政府は今度の政府は親日だと言って喜んでいるようです。徴用工や「慰安婦」問題について、日本に対してきびしい態度をとってきた前の政権と違って、今度は日本の言い分を聞いてもらえると思い、前政権が実施を凍結していた2015年末のいわゆる日韓合意を実行させようとしています。こうした日本政府のやり方をみると、私は、日本人の一人として、日本政府は本当に歴史をかえりみようとしない政府だと、恥ずかしく思います。



 日本政府が知ろうとしない歴史、その第1は、ここ75年に及ぶ韓国の現代史であり、第2は、この30年間余り日本軍「慰安婦」問題解決のために、被害者と日韓の市民が続けてきた運動の歴史です。そして第3は、ここ6年余りの「日韓合意」以降の韓日の歩みです。



 1945年からの韓国の歩みは、日本の植民地からの解放に続き、国土が戦場となった朝鮮戦争と分断の苦しみの中から、国を建て直し、今日の発展に至るまでの歴史であり、その中で、独裁政権とそれを倒すための民衆の闘いがあり、特に1970年代から80年代にかけては暗黒の時代でした。



 日本軍「慰安婦」被害者たちについていえば、「50年の沈黙」ということばが示す通り、この時代に生きることに懸命であった彼女たちには声をあげる自由も、余裕もありませんでした。70年代の民主化闘争とそれに続く女性たちの解放をめざす運動があり、それに助けられて、名乗りをあげ、「恥ずかしいのは私たち被害者ではない。恥ずかしいのは加害者であり、日本政府なのだ」と、自分たちで、名誉回復を求めて活動してきた人たちの運動がこの30年間続いてきたのです。




 私たちは、ささやかながら、日本で、この方たち、韓国の被害者とそれを支援してきた方たちとお付き合いをしてきました。その経験から、私たちは彼女たちの訴えが真実であると確信するようになりました。そして、いわゆる「2015日韓合意」が、決して被害を受けた当事者に寄り添うものではないということも知りました。




 韓国の現代史は、揺れ動きながら進んできた歴史であり、幾たびか揺れ戻しの中から、少しずつ正義が実現してきたといえます。

 被害者のおばあさんたちが語った真実のあかし、それは公けの場での証言だけでなく、夜、宿舎の寝室で聞いた話も含まれます。兵隊たちの暴力を拒むと銃剣を振るわれ、土下座して謝らされたということなど。

 それをなかったことに出来るでしょうか?。



「光は闇に負けない、真実は沈まない」という韓国の民衆抗争の中で歌われた歌があります。

 「慰安婦」被害者たちの訴えの真実は、いつの日か、きっと明らかにされるでしょう。日本政府は、今、表面に見えているものだけが絶対的な韓国のすがたではないということを心に銘じてほしいと思います。          





次回の54回目は、720()12時半~13時半、新宿西口・小田急百貨店側です。