今日は紛争下の性的暴力根絶のための国際デーです。2015年に国連安全保障理事会は619日を「紛争下の性的暴力根絶のための国際デー」と宣言し、性的暴力を戦争の道具として使用することを禁止する決議1820号(国連安保理決議)の実践を全世界に呼びかけました。



 

正義記憶連帯は、戦時性暴力追放週間を迎え、イタリアのサルデーニャ(Sardegna)島スティンティーノ(Stintino)市に「平和の少女像」を建て、今週土曜日(622)に開かれる公式除幕式に参加します。ヨーロッパでは独ベルリンに続いて2番目の公共敷地に設置されるもので、2013年米国カリフォルニア州グレンデールの少女像以来、14番目の海外少女像です。

 



ベルリンをはじめ、世界中で少女像の設置妨害と撤去を求める日本政府の圧力が強い今、由緒ある歴史と輝かしい文化を誇るイタリアに初めて「平和の少女像」が建立されることになります。 加害者の歴史歪曲に立ち向かう世界市民の記憶と強固な連帯、平和と人権の実践を決して放棄しないという意志を示すものであり、実に意義深いものです。今回の少女像の碑文は「ホロコースト」に準ずる日本の戦争犯罪を明記し、そのような犯罪を否定し、責任を回避し、少女像の建立を妨害する日本政府の行為が現在の「不正義」であることを明確に記しています。

 



イタリアの少女像の建立を主導したリタ・ヴァッレベッラ(Rita L. Vallebella)スティンティーノ市長は、女性人権弁護士出身で、男女平等と性的暴力の問題に関心を持って活動してきました。 女性たちの苦しみと勇気を記憶し、戦時中の性的暴力問題に対応する正義記憶連帯の活動に共感した市長は、少女像が「女性に対するあらゆる形態の暴力に立ち向かう強力な象徴」とし、設置を推進し、市議会の議決も迅速に終わらせました。もちろん日本政府の圧力がなかったわけではありません。イタリア駐在の日本大使が連邦政府に抗議しましたが、スティンティーノ市は揺るぎませんでした。 もちろん、今後日本政府がどのようなことをするかは分かりませんが、スティンティーノ市長と市の意志がとても強いので、少女像を守り抜いてくれると信じています。

 



正義記憶連帯は独ベルリンの少女像をはじめ、世界中の平和の少女像を主導的に建立したり、全面的に支援してきました。今回のイタリアの平和の少女像の場合も、製作と輸送関連費用のすべてを支援しました。 これは、日本軍性奴隷制の真実を消し去り、歪曲し、戦争犯罪を隠そうとする日本政府の行いを全世界に暴露するためであり、女性の声と存在が戦時性暴力の加害者によって再び消されることはないという強い意志の表明です。私たちは明日、除幕式に出席するためにイタリアへ出発し、詳細な内容を皆さんと共有する予定です。

 



今後も正義記憶連帯は世界各地に少女像を設置し、植民地時代の戦争犯罪だけでなく、少女像の撤去を試み、女性たちを再び侮辱する日本政府のもう一つの犯罪行為まで、一つ一つ記録し、記憶することに先頭に立っていきます。 市民の皆様の変わらぬ応援と支援をお願いします。

 



2024619日  

正義記憶連帯理事長 李娜榮(イ・ナヨン)



(訳 権龍夫)