本日7月20日(水)12時半~13時半、第54回の水曜行動in新宿を行いました


❐最初の発言は、〝なぜ「慰安婦」問題は長く解決しないのか〟をテーマに、池田恵理子さん。



池田恵理子さん



安倍元首相の銃撃死のあと、メディアでは安倍元首相を美化し礼賛する声が溢れ、「国葬」まで行われようとしているが、教科書から「慰安婦」記述を消し去り、メディアへの露骨な介入を行い、「慰安婦」否定、被害者不在の2015日韓合意を行うなど、真の「慰安婦」問題の解決を遠ざけてきたのがアベ元首相であった。私たちは、諦めることなく訴えを続けていくと熱く語りました。(詳細は添付のリーフをお読みください)




❐中国のサバイバー・趙潤梅さんを紹介したのは、中国の被害者支援をしてきた山西省・明らかにする会のメンバー。


趙潤梅さんについて語る山西省・明らかにする会のメンバー



趙潤梅さんは、1998年に原告となり10人で日本政府の公式謝罪と損害賠償を要求して訴えを起こした。国は被害事実は認めたが、「国家無答責」いう許せない判決だった。

趙潤梅さんは「私をみつけた日本兵は私を追って家に押し入り、かばおうとした養父母に切りかかり、ひん死の重傷を負った養父母の前で私を強かんした。それから洞窟に拉致され40日間監禁され、性暴力を受けた」と証言した。

日本はかつて中国を侵略し占領地域での強かんを繰り返したことに向きあい、加害責任を強く問うべきであり、謝罪することが必要と訴えました。


❐性暴力をなくすための行動を、いま!と訴えたのは、Hさん。『現在もつづく性暴力をなくすために地元でフラワー・デモをはじめた。日本はジェンダーギャップ指数で、世界全体の潮流から取り残されているが、性暴力の問題は、現在もつづく女性の大きな問題だ。フラワーデモなどで可視化されてきたがまだまだ解決に向かってはいない。戦時性暴力に向きあうことは、女性の人権・平和の未来につながることであり、諦めず訴えを続けよう。






❐暑い日でしたが、15人が参加し、リーフ200枚はあっという間になくなりました。また今日は、若い人たちのリーフの受け取りが良いという感じがありました。


 さらに写真を横に趙潤梅さんの紹介しているとき、中国人の若い男女が足を止め、じっと話を聞いていました。


 また「慰安婦」問題を研究しているというドイツからの短期留学生2名が、行動を共にし食事・交流もできました。



❐次回は、8月10日(水)12時半~13時半です(8月は第2日曜日に行います)。













〈リーフの内容〉


 なぜ 「慰安婦」問題は未だに解決しないのでしょうか 


◆安倍元首相銃撃事件から 10 日余りが経ちますが、メディアには安倍元首相 を美化し礼賛する声が溢れ、「国葬」までが行われることになりました。しかし 私たちは、憲政史上最長の安倍政権がしてきたことを忘れることができません。 特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、戦争法制定、共謀罪の強行から、 近いところでは森友・加計問題、「桜を見る会」問題に至るまでの夥しい ” 悪行 “ と疑惑は放置されたままなのです。 


◆安倍殺害に及んだ山上徹也容疑者の暴力は絶対に許されないことですが、怨 念の背景を探ると、旧統一教会の広告塔となっていた元首相の実相が浮かび上 がってきます。彼はアジア・太平洋戦争を「アジア解放の聖戦」として戦争責任・ 植民地支配責任に向き合うことなく、日本が「普通に戦争ができる国」になる よう憲法改正を目指しました。それには日本人の歴史認識を統制する必要があっ たので、「慰安婦」の記憶 を隠蔽、歪曲、抹殺しようとしたのです。

  彼は衆議院議員になって 4 年目の 1997 年、中学の歴史教科書の全てに記述 された「慰安婦」を消し去るために「日本の前途と歴史教育を考える若手議員 の会」の事務局長になりました。この年は「新しい歴史教科書をつくる会」や「日 本会議」も結成されて、教科書会社への攻撃を始めた “ バックラッシュ元年 ” でした。その結果、2012 年度の歴史教科書では、「慰安婦」記述はゼロになっ てしまいました。


 ◆同時に強化したのは、メディアへの管理・統制でした。1991 年に韓国の金 学順さんが「慰安婦」被害を名乗り出てから各国の被害女性たちが次々と立ち 上ると、「慰安婦」報道は急増します。ところが 1997 年以降は「慰安婦」の ドキュメンタリーや調査報道は激減し、“「慰安婦」報道・空白の 15 年 ” に突 入しました。その背後には安倍議員らによるメディアへの圧力や介入と、メディ アの自主規制・忖度があったと思われます。メディアへの露骨な政治介入が暴 露されたのは、2000 年に行われた「慰安婦」制度を裁く「女性国際戦犯法廷」 を報じた NHK「ETV2001」の番組改変事件の時でした。


 ◆元々、保守派の政治家による「慰安婦」否定論は数多く出ていましたが、安 倍議員は首相になってからも「強制連行の証拠はない」「『慰安婦』は性奴隷制 ではない」と主張。それは右派のバックラッシュを勢いづけました。ネットや 巷には「慰安婦」を否定するフェイクやヘイトスピーチが拡散されました。 公立の博物館が「慰安婦」問題を取り上げると、「自虐的」「反日的」だとして 右翼の攻撃を受け、展示の撤去や後退を強いられました。

  近年の日本政府は、韓国の水曜デモのシンボルとなっている平和の少女像が 世界各地に設置されると、官民一体となってその撤去を求めています。日本や アジア各国の支援団体が、ユネスコの世界記憶遺産に『「慰安婦」の声』の登録 を申請しようとすると、これも官民一体となって妨害を続け、登録申請は棚ざ らしのままです。2015 年に日韓両政府は外相発表による「日韓合意」で、「慰 安婦」問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を宣言しましたが、被害者不在の 取り決めは真の「慰安婦」問題の解決を遠ざけるばかりでした。


 ◆こうして、告発から 30 年以上も経ちますが、「慰安婦」問題は一向に解決し ないのです。被害女性たちは無念な思いを抱えたまま亡くなっていきます。“ 記憶の暗殺者 ” たちは、戦争へ歩みだそうとする政権とそれに追随するメディ アをバックに、大手を振って闊歩し続けています。しかし私たちは、数少なくなっ た被害女性や遺族たちを支えながら、戦時性暴力の根絶を目指す世界の女性た ちと連帯し、彼らとの闘いを続けていくしかありません。それが今の日本の民 主化と平和につながる…と信じています。