ハーバード大学法学部・三菱教授のジョン・マーク・ラムザイヤーの引き起こした波紋が、全世界を揺るがしています。

国内外の学者の連帯声明と見解文、反駁文が溢れ、先週12日には正義連主催討論会が、14日には日本のFight For Justice主催の討論会が開催され、国内外学者たちの深みある論議が行われました。


日本軍性奴隷制問題を研究、活動してきた韓日専門家たちがこの間築き上げてきた成果を再提起し、歴史否定論の問題を根本的に提起した本格的な学術討論の場でした。







 










情けないのは韓国の一部メディアです。

韓国歴史修正主義者たちの論文と著書を称賛し、これに反駁する研究者を逆に批判したメディアが、米国ハーバード大学法学部の白人男性学者の文章が問題になるや、蜂の群れのように群がって報道を始めました。

英米圏学者たちの軽薄な印象評価と電話通話は勿論、英語の書込みまで先を争って記事化し、韓国の学者たちと市民団体の活動、韓国での討論会には依然、注目しません。片方の耳を米国に、他方の耳は日本にだけ傾ける惨憺たる状況です。事大主義という表現が色あせるほどに帝国主義の影が重く恐ろしいほどです。



 韓国政府も国民の期待から徐々に遠ざかるようで、苛立たしい限りです。付和雷同、黙して語らず、見せかけのジェスチャーなど、その場対応に汲々としているようです。


一部為政者たちは腰砕けになり、歪曲情報で日本政府と右翼に振り回されています。まるで旧韓末(時代)に生きている錯覚さえ起きます。



 いまからでも遅くありません。

市民と被害当事者たちが過去30余年、継続して主張してきた原則に復帰し、歴史否定と歪曲に堂々と対峙してください。このために青瓦台(大統領官邸)の関連政府機関と専門家、さらに包括的には政党・政府・官邸と民間で構成されるタスクフォース設置が至急です。歴史を体系的に記録・整理するためにも、反復虚偽で一貫した日本政府への対応のためにも、歴史修正主義者たちの組織的連携の環を断つためにも、一つのコントロールタワーの下で、広く深い熟議体制が整えられるべきです。どんな外圧にも不動の実力を私たち内部に丹念に積み重ねるべきです。



 それでも幸いです。韓日両政府や極右反民族・反人権勢力が、植民主義と分断・冷戦的思考から脱却せずに問題を回避、否認、歪曲する時、限りない非難と棄損、反動と攻撃が生を脅かし破壊する時、全身を懸けてしっかりと耐え、問題を掘り起こし、根源を暴露し、堂々と抵抗・追求する人たちがいました。


この人たちの活動と連帯のおかげで、私たちは顔をあげて若い世代に接する面目を保ちました。この人たちの研究のおかげで歴史否定論者たちと対峙し、日本政府を批判する論拠を確保できました。この人たちが存在するおかげで、脱植民という一条の希望の光を失いませんでした。



 正義連はこれからもこの人たちとともに、歴史を正し、この地に本当の平和と人権を具現するため、一心に進もうと思います。一時的な憤りや煙のように消える関心ではなく、先人と先輩たち、同僚たち、被害当事者たちの勇気と精神を最後まで守り通し、未来世代に譲り渡そうと思います。

皆様がこの道をともに歩んで下さることを信じます。


2021年3月17日

正義記憶連帯 理事長 李娜榮(イ・ナヨン)


(訳 権龍夫)