〈正義連〉第1703回 日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ 週間報告
第21代大韓民国 李在明(イ・ジェミョン)大統領の就任を心から祝福します。短くは6ヶ月、長くは3年余りの間、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の暴虐と闘い、弾劾を実現した大韓民国市民の勝利です。
「光の広場」を通じて尹錫悦を引きずり下ろし、民主主義の守護と社会大改革の熱望を声高に叫んだ偉大な市民の勝利です。本当にお疲れ様でした、ありがとうございました。
しかし新スタートを切る韓国の国家的課題は簡単ではありません。 米国大統領トランプの主権略奪的な経済・安全保障政策で全世界が揺れ動き、北東アジア情勢も不安定です。12.3内乱は政権交代で一段落しましたが、極右・内乱勢力は清算されていません。 経済は最悪で、民生問題は息詰まるほどです。極右の蠢動で国論は分裂し、世代間、性別間、地域間、イデオロギー間の対立構図は深刻な状況です。大統領候補者の口から再生産され、拡散されてきた対立とヘイトの政治を克服する道も遥か遠くに見えます。
何よりも日本軍性奴隷制問題の解決をはじめとする歴史正義を正すことが重要です。これまで尹錫悦政権が最も熱心に、最も精力的に、そして最も多く台無しにしてきたのが歴史問題です。
大統領当選直後から日本に韓日政策協議団を派遣して屈辱的な姿勢を見せた尹錫悦政権は、一貫して対日屈従外交で国益を毀損し、国民の自尊心を崩壊させ、歴史正義を根底から揺るがしてきました。
尹政権は日本総督府出張所であるかのように、日帝の犠牲になった独立運動家はもちろん、強制動員と日本軍性奴隷制の被害者を持続的に誹謗中傷してきました。被害者たちが30年以上闘争して勝ち取った対日損害賠償請求の勝訴判決を露骨に無視し、国連など国際社会で「日本軍性奴隷制はなかった」と強弁する日本政府の代弁者としての役割を自認してきました。
幸いなことに李在明大統領の選挙公約にはこれを正すための努力が反映されています。 「削減された歴史・領土・人権研究予算の復旧」、「強制動員・日本軍慰安婦関連資料の構築拡大」、ニューライト系に支配されていた「歴史研究機関の運営正常化」、「歴史教育の強化」、「国家人権委員会の正常化」、「第3期真実・和解のための過去史整理委員会の早期発足」と関東大震災など集団虐殺の真相究明などが盛り込まれています。
未来志向的な日韓関係の発展を図りながら、「歴史問題など敏感な懸案事項の解決努力」も約束しました。「 和解治癒財団の完全清算」、『国家レベルの日本軍「慰安婦」記録物のユネスコ世界記録遺産登録努力』、「女性人権と平和財団(仮称)の設立」、在外国民の保護も含まれています。
何よりも意義深いのは『日本軍「慰安婦」被害者の尊厳を守り、歴史認識の向上に努める』という前提のもと、日本軍「慰安婦」被害者に対する人権侵害と名誉毀損行為の禁止明示と処罰根拠を設け、被害者を称える造形物または象徴物、公共造形物の指定管理の拡大を最優先的に約束した点です。
『日帝下日本軍「慰安婦」被害者に対する保護・支援及び記念事業等に関する法律』を改正し、極右歴史否定勢力を処罰し、平和の少女像をテロから保護するという意志が読み取れます。このすべての約束が女性対象の公約ではなく、回復・成長・幸福という大韓民国3大ビジョンの「回復」分野で「内乱克服と民主主義の回復」という厳重かつ緊急の時代的課題の中にそれぞれ個別に明示されたという点も重要です。
歴史正義関連の公約が一つもなかった尹政権は言うまでもなく、キャンドル革命によって誕生した文在寅(ムン・ジェイン)政権よりもはるかに進歩的な公約であることは間違いありません。
日本軍「慰安婦」勝訴判決及び強制動員被害者勝訴判決による日本の賠償問題解決のための外交的努力、被害者中心の原則に基づく「2015日韓合意」の破棄と強制動員「第3者弁済案」の中止についての具体的な言及はありませんが、「敏感な懸案解決の努力」という文言の中に隠されています。冷静ではありますが、具体的な実現方策を検討していると思います。
今年は祖国光復80周年です。 李在明大統領にお願いします。
過去の日帝強制占領の屈辱を忘れず、歴史正義の実現を通じて未完成の光復を完成させ、大韓民国大躍進の礎石を築くことを心から願っています。国内的にできることや優先課題から速やかに実行し、日本軍性奴隷制問題という巨大な歴史的不正義のからまった糸を一つ一つ解きほぐしていくことを要請します。
私たち市民にとって今日のこの新たな始まりは、また新たな障害に直面し、解決していく困難な時期の始まりとなるでしょう。
しかし今と同様、今後も正義記憶連帯は国内外の正義を求める市民と固く連帯し、平和と平等、人権と歴史正義に向けた道に揺るぎなく進んでいきます。
2025年6月4日
正義記憶連帯 李娜榮(イ・ナヨン)理事長
(訳 権龍夫)
(訳注)「光の広場」:尹政権弾劾から李大統領就任までの一連の過程を韓国の人たちは「光の革命」と称しています。尹政権弾劾を求める何十万人ものデモ隊が持つ応援棒の灯りが広場を埋め尽くした風景を「光の広場」と表現するようになりました。