〈正義連〉第1657回 日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ 週間報告(2024.7.17)
さる6月末、原子力空母と新型戦闘機など、あらゆる戦争兵器が済州島南方の公海上を真っ黒に覆いました。韓・米・日3カ国が「フリーダムエッジ」(Freedom Edge)という新たな名称で大規模な合同軍事訓練を行ったのです。2023年8月、米国のキャンプデービッドで開かれた韓米日3国首脳会議で、バイデン米大統領と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、岸田文雄首相が多領域訓練の実施に合意したことで実現したものです。
「フリーダムエッジ」とは、韓米連合訓練である「フリーダムシールド」と米日連合訓練である「キーンエッジ」を合わせたもので、韓米同盟、米日同盟を土台に韓米日軍事協力を発展させるものです。これにより韓米同盟、米日同盟が一つにまとめられ、有事には日本自衛隊の韓半島進出まで想定される韓米日軍事同盟体制へと進むことになりました。
前世紀、戦争に戦争を重ね、朝鮮半島を蹂躙し、違法な強権で植民地化し、数多くの朝鮮民衆を強制動員と性奴隷制の被害者にした加害国・日本、認識と反省はおろか、被害者の責任に転嫁し、歴史否定と歴史歪曲に余念がない日本政府と軍事同盟へ向かうとは!その日本帝国主義に免罪符を与え、韓半島を切り裂いて民族を分断した者たちが、衰退する帝国主義に酸素呼吸器をつけるために日本との軍事同盟を強要するこの現状は実に悲惨です。
結局、尹錫悦大統領は就任直後から神経を注いで日本に屈服し、アメリカの意向に従って自国民の人権と歴史を懸命に売り渡したのです。
強制動員被害者たちが30年以上闘って勝ち取った勝訴判決を「第3者弁済案」という奇妙な解決策で売り飛ばし、国際社会がこぞって批判する『2015日本軍「慰安婦」合意』の精神を金科玉条のように掲げて、日本政府のあらゆる挑発と暴言、裏切りにはまるで対応しませんでした。
日本軍性奴隷制被害者が苦労して闘った日本国を相手にした損害賠償請求訴訟の勝訴判決も一貫して無視し、日本政府の露骨な平和の少女像設置妨害と撤去工作に拱手傍観したのも、結局、日米主導の軍事同盟体制の下位構造に編入されるためでした。
2023年3月6日、韓国政府が強制動員「第3者弁済案」を発表した日、米国時間の深夜にもかかわらず、バイデン大統領が即座に歓迎演説を発表し、「日韓関係の新世紀的な新章」が開かれたと大騒ぎしたとき、私たちは驚愕しました。
今回の措置が完全に実現されれば、自由で開放的なインド・太平洋の共通ビジョンを維持し、促進するのに役立つ」、「韓国、日本、米国の三角関係を持続的に強化、促進していく」と彼が述べた言葉が何を意味するのか、今や明白になりました。
このような現状は、20世紀初頭の朝鮮半島の運命を想起させます。
1904年2月23日、軍隊を動員して王宮を占領した日帝は、「大韓帝国内で軍事的に必要な緊急措置と軍事上必要な地域を任意に収容できる」日韓議定書を強制して締結しました。 その直後、日本帝国は朝鮮半島北部でロシアとの戦争を開始しました。
今回の韓日軍事訓練の名目が「韓半島を含むインド・太平洋地域の平和と安定」であるように、当時も名目は「東洋の平和確立」のための「攻守同盟」でした。
そして米国は、1905年の日露強化条約であるポーツマス強化条約の直前に、日帝の植民地支配を許可する「桂太郞-タフト密約」を結び、これは乙巳勒約につながりました。
一世紀前の帝国主義者たちがその健在を誇示し、同盟を誇るとき、私たちも挫折と皮肉ではなく、強い意志と鎖のような連帯で闘っていかなければなりません。権力者たちが国を売り飛ばし、軍国主義、帝国主義者たちが戦争を画策しても、民族自尊と国権回復のために、東アジアと世界平和のために献身した先人たちの熱望と民衆の聖なる犠牲を記憶する私たちは、平和と人権、民主主義と歴史正義を守る道に先頭に立つことを改めて誓います。日本軍性奴隷制問題の真の解決のために、分断冷戦体制を克服し、完全な解放を迎えるその日まで、共に闘いましょう!
2024年7月17日
正義記憶連帯理事長 李娜榮(イ・ナヨン)
※【乙巳勒約】
明治38年(1905)11月18日、第2次日韓協約が調印されました。
この協約では、日本が韓国の外交を監理・指揮する、日本は韓国に日本を代表する統監を置くことなどが定められました。大韓帝国は日本の保護国にされました。武力による強制で強いられたと言う意味で、韓国では協約ではなく勒約といいます。12月20日、「統監府及び理事庁官制」が公布され、初代統監に伊藤博文が任命されます。(権)