野蛮の時代の19-20世紀、帝国主義国家の抑圧と搾取の中で苦しんだ植民地国家の悲しみを朝鮮も持っていた。韓日併合から35年の植民地支配中、朝鮮は日本の収奪と暴力、搾取と非人間化を経験した。帝国主義列強の利権争いに参入した日本は、太平洋戦争で植民地・朝鮮の物的資源を吸い上げて戦争に利用した。この「資源」には人間も含まれていた。日本は朝鮮人を動員し、戦争物資を生産する労働者など、物のように使い捨てにした。こうした日本の朝鮮人戦時動員の中で最も悪質な残虐行為は、「慰安婦」と呼ばれる日本軍の性奴隷制で、徴用された女性たちは、日本軍の性病管理と、兵士の性欲解消のための戦争手段として性的搾取を受けた。

敗色が濃くなると、日本は関連する公文書を廃棄して悪行を隠した。

 



日本の敗戦後も「慰安婦」被害者の証言を聞けなかった理由は、ほとんどが戦争中に日本軍に殺されたり、生き残っても自分の経験を話せる環境ではなかったからだ。日帝支配に協力した人々は、新しい強国のアメリカに協力して権力を維持した。1965年の日韓請求権協定は、韓国と日本の関係を植民地支配に対する公式的な謝罪と真相解明ではなく、単純な「関係改善」の問題にすり替えた。その後、日本は自らの過ちに関する清算は終わったという態度に終始し、韓国政府は時には仕方ないと、時には積極的に日本を擁護し、日本の戦争犯罪を消すこともあった。

 



私たちは1991年、女性人権運動家の故・金学順(キム・ハクスン)さんの最初の告発とともに、「慰安婦」が存在したという公文書が発見されたとき、日本政府と学者の言葉を覚えている。日本は自分たちの戦争犯罪を否定していたが、文献資料が発見されると、「慰安婦」が日本軍に関わったのは事実だが、国家と軍隊のレベルで強制的に徴集したとは言えないと言い訳した。2次加害に対する一部の国内学者の合流、そして韓日両政府の共謀で締結された2015年の日本軍「慰安婦」合意は、被害当事者の口を封じた。この口封じには、韓国と日本だけでなく、東アジア分断体制と韓米日軍事同盟で、自らの地政学的覇権と経済的影響力を維持しようとする米国が大きく貢献している。

 



金学順証言から30年以上の長い年月が過ぎた。韓国挺身隊問題対策協議会から続いてきた水曜デモと正義記憶連帯の歴史は、被害当事者と国境を越えた国際社会の連帯、そして日本軍「慰安婦」問題を公正に解決しようとする実践の流れである。

20231123日のソウル高等裁判所での日本軍「慰安婦」被害者の日本国に対する損害賠償請求訴訟・控訴審の勝利、20231221日の最高裁の日本戦犯企業の強制動員に対する損害賠償請求訴訟の勝利などはその努力の結実である。 しかし、まだ被害者に対する公式的な謝罪と賠償、再発防止に対する約束は履行されていない。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が提案した「強制動員第3者弁済案」は、日本政府と戦犯企業の責任を不問にした。

 



一方、この受難の歴史はここだけでなく、ヨルダン川と地中海に挟まれた土地でも現在進行中である。1948年、イスラエルはパレスチナの地でパレスチナ人を虐殺し、追放する民族浄化を行い、自分たちの国を建てた。イスラエル国防省は「できるだけ多くのパレスチナ人を土地から除去する」という指示を軍隊に下し、530の村と都市に対する民族浄化の後、パレスチナ総人口の60%以上が難民となり、多くの人々が集団虐殺された。イスラエルはパレスチナの土地の78%を占領し、残り22%の西岸地区とガザ地区を軍事占領し、残りのパレスチナ人に日常的な暴力を行使してきた。西岸地区とガザ地区のパレスチナ人の水・土地強奪、学校閉鎖、民間人に対する軍事攻撃、パレスチナの土地に自国民が居住できるようにする違法な集落建設など、イスラエルのパレスチナ人に対する人種分離政策、つまりアパルトヘイトは70年以上続いている。イスラエル内にいるパレスチナ人に対する差別政策と非人間化も同様である。

 



このような状況で最も直接的、頻繁に生命の脅威を受けるのはパレスチナ女性である。1948年のイスラエルの民族浄化の際、デイル・ヤシーン村で行われた女性と子どもに対するレイプと虐殺の歴史は、今、ガザ地区でイスラエルが行っている集団虐殺で殺された人々の70%以上が女性と子どもであるという事実と結びついている。イスラエルが病院や薬局を爆撃し、水と食料、電気を遮断したため、女性は生理衛生用品を手に入れることができず、特に妊娠中の女性は行き場のない危険な状況に直面している。人口の90%が、汚染されていない水と食物を摂取できない状態である。イスラエルに政治犯として連行されたパレスチナ人女性たちは、イスラエル兵士の性的拷問を告発する。金福童(キム・ボットン)ハルモニと会ったパレスチナ解放運動家のラスミア・オデも、刑務所でイスラエルが性拷問を行ったことを証言した。



第1633回 日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ参加者・パレスチナ平和連帯 一同

 

(訳 権龍夫)



主管団体紹介(パレスチナ平和連帯)

パレスチナ平和連帯は、1948年から続いているイスラエルのパレスチナ植民地支配とアパルトヘイト、軍事占領問題を韓国社会に知らせ、パレスチナ解放運動に連帯するフェミニスト団体です。 イスラエルの体系的な抑圧に共謀する企業をボイコットしたり、投資撤回を要請し、国家的な次元でイスラエルに軍事・経済制裁を加え、イスラエルがパレスチナ植民地支配を終了させようというBDS(ボイコット、投資撤収、制裁)運動を中心に、韓国社会とパレスチナをつなぐ架け橋になりたいと考えています。