23.07.06  キム・ジョンフン(moviekjh)

 




正義記憶連帯協賛金の私的流用容疑などで起訴された尹美香無所属議員が210日午後、ソウル市麻浦区ソウル西部地方法院で開かれた1審判決公判で、罰金1500万ウォンを宣告され、裁判所から出てきて立場を明らかにしている。

 



尹美香(ユン・ミヒャン)無所属議員の控訴審で、検察が後援金横領などほとんどの容疑が無罪となった1審の結果を覆すために奮闘しているが、容易ではない雰囲気だ。7月5日の第4回公判では、戦争と女性人権博物館(博物館)の元学芸員が検察側証人として出廷し、尹議員に不利な証言をした。しかし、弁護人側が証拠を提示しながら具体質問を投げかけると、まともな返答ができなかった。

 



ソウル高等法院刑事1-3部はこの日、博物館学芸員だったAさんを証人申請し、尹議員側が博物館をソウル市に登録する際に不正があったのかを確認した。検察は、尹議員が学芸員がおらず、博物館登録要件を満たしていないのに、虚偽書類をソウル市に提出して博物館を登録し、学芸員を保有した正常な登録博物館であるかのように装って補助金申請書を提出し、国家補助金を不正に受け取ったと主張している。

 



検察側証人として出廷したAさんは、この検察の主張を裏付けた。「博物館登録過程で学芸員として名前を出すことに同意したのか」という検察側の質問にAさんは「ない」とし、「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)退任後、挺対協の人物に個人的に会ったことがない、(20131)ソウル市庁で登録をしたならイベントとして記憶しているはずだが、そんなことはない」と話した。尹議員側に不利になる証言だ。

 


しかし、続いた弁護人側の反対尋問で状況は変わった。

 


メールと事実関係を具体的に掘り下げた弁護人の質問に揺れた検察側証人

 

尹議員の弁護人は、201212月にAさんが作成し、挺対協関係者に送ったメール1通を画面に表示しながら話を続けた。

 


- 弁護人;証人が20121217日に(挺対協に)送ったメールだ。証人はメールで学芸員(3)資格と履歴書を添付して送った。 その際、『博物館登録するのに助けが必要ならまた教えてください』と書いた。間違いないか?

- A氏;私は博物館登録に同意して送ったわけではない。

- 弁護人;(博物館登録が進行中であることを)知らなかったのか?

- A氏;知らなかった。

- 弁護人;博物館登録について知らなかったということか?

- A氏;数年前のメールか? 状況を正確に覚えていない。 (メールを送ったのが)どのような目的だったか覚えていない。ただ、(挺対協が博物館の)登録が必要で、資格と履歴書が必要だと言われたら、私は同意しなかっただろう。

 


要約すると、20121217日に自分の学芸員の資格証を挺対協に送ったのは事実だが、2013111日にソウル市庁別館で行われた博物館登録の際に資格を使用するかどうかは知らなかったということだ。しかし、同日、Aさんは国民銀行の賃金通帳を西小門支店で開設する。国民銀行西小門支店はソウル市庁別館の近くだ。

 


尹議員と一緒に起訴された金東姫(キム・ドンヒ)元挺対協事務処長の弁護人がこの日、Aさんの事実関係を具体的に確かめながら質問を続けた。

 

- 弁護人;「国民銀行の口座について聞く。博物館登録が行われた2013111日に国民銀行口座を開設し、通帳と印鑑を(挺対協に)渡したことは認めるか?

- A氏;「当時、私は(ソウル・貞洞の)培材学堂博物館の近くにいた。 そこで挺対協関係者から電話を受けて、どんな理由かは覚えていないが、通帳を発行して速達で送った。

- 弁護人;通帳と印鑑を速達で送ったということか?

- A氏;速達でも、宅配でも、郵便でも......。退任して個人的に挺対協の人に会ったことはない。 別途に会って渡した記憶がない。

 


つまり、学芸員資格だけでなく、本人名義の口座を開設して通帳と印鑑を渡したのは事実だということだ。いずれも博物館登録に必要なものだ。

 


Aさんは20083月から20096月まで戦争と女性人権博物館設立委員会で挺対協の常勤職員として勤務した。オーストラリア留学時代に「慰安婦」証言大会に参加した際に尹議員に会い、帰国後、尹議員を訪ねて挺対協に所属し、博物館設立業務を担当した。その後、20155月、戦争と女性人権博物館運営委員会の会議に運営委員として一度だけ参加したことがある。

 


判決まであと約2ヶ月半... 検察は逆転できるか?

 

今回の控訴審の判決は920日に予定されている。今後数回の公判が残っている。

 

尹議員は20209月、補助金管理に関する法律違反、寄付金品の募集及び使用に関する法律違反、業務上の横領と背任、詐欺と準詐欺、地方財政法違反、公衆衛生管理法違反など6つの容疑と8つの罪名で不拘束起訴された。しかし今年210日に開かれた1審判決公判で主要容疑のほとんどに無罪が言い渡され、一部容疑のみ1500万ウォンの罰金刑が言い渡された。

 


1審裁判部は、学芸員を適切に配置せずに博物館を登録したという部分について議論の余地があるとしながらも、「(関連法と規定上)学芸員が必ず常駐する必要があると断定するのは難しい」と判断した。補助金受領疑惑についても「検察が提出した証拠だけでは容疑を認めることができない、実際の事業を適切に遂行したと見る以上、詐欺・不正な方法で補助金を交付されたと見るのは難しい」と結論付けた。

 

これに対し尹議員と検察はそれぞれ控訴した状況だ。



(訳 権龍夫)